2026.09.14 プレミアリーグ観戦記2026-27プレミアリーグ観戦記
【Liverpool×Fulham】中盤は変わらず、最後は個人力頼み…策がなかったイラオラに感じる不安。
キックオフからしばらくは、アンフィールドのスタンドから何度も拍手が鳴り響き、穏やかな空気に包まれていました。前線からのプレスが機能しており、奪われた後の寄せも速く、カウンターにはジャケとロナルド・アラウホが冷静に対応しています。8分にバルコラが通した縦のスルーパスでボックス左に出たイサクは、左足のシュートがファーポストの外に抜けていきました。
最初のピンチは11分、ボックスに引いてきたフラーフェンベルフにアリソンが出したパスは無謀で、詰めたサンデル・ベルゲにカットされてしまいました。こぼれ球をゴンサロ・ガルシアに預けたのはジョシュア・キング。レアル・マドリードから加わったストライカーがアリソンを抜いて放ったシュートは、ゴールライン上にいたジャケがクリアしました。
アルネ・スロットの最初のシーズンは素晴らしかったフラーフェンベルフは、ビルドアップにおけるポジショニングに難があり、攻め上がったときのリスキーなパスも気になります。15分のスローインからシェイ・チャールズにあっさり抜かれたシーンは、ジャケが素早いフォローでカウンターを阻止しました。レンヌから来た21歳のCBは、既に獲ってよかったといえるでしょう。
6番を補強すべきという声には、「遠藤航は?」と思ったのですが、未だ指揮官の信頼を得られていないようです。22分のCKをニアで合わせたヴィクトル・ムニョスは、レノが触ったボールがバーを叩いたのを見て頭を抱えています。後方から縦のボールをヴィルツに集めようというチームの意思は感じられるものの、前線を動かそうとする7番のパスはことごとくカットされています。
31分にフラーフェンベルフの縦パスを受けたヴィルツは、左足のミドルがミスタッチ。2分後のフラムのCKで、クリアを拾ったオスカー・ボブが左にいたジョシュア・キングにつなぐと、ニアを狙った右足のシュートはアリソンの正面です。37分、右から仕掛けたオスカー・ボブがツィミカスをかわしてクロスを入れると、アントニー・ロビンソンのヘッドは左に逸れていきました。
ショボスライが右から蹴ったクロスが、ファーのバルコラに通ったのは43分。うまくコントロールできなかったボレーは、カスターニュに当たってCKです。イラオラ監督がハーフタイムにツィミカスを代えたのは、バルコラとの連携もウインガーに対する守備も不満だったからでしょう。バルコラは孤立しがちで、イサクに打たせたパス以外に見せ場はありませんでした。
49分のスルーパスを追ったアントニー・ロビンソンは、ロナルド・アラウホをかわすのが精一杯で、長かったラストタッチをアリソンにさらわれています。52分にカウンターを仕掛けたヴィルツはバルコラへのスルーパスをカットされ、こぼれ球を拾ってイサクにつなぐも、右足のシュートはレノが悠々とキャッチ。イサク、ムニョス、バルコラのオンターゲットは2本だけです。
60分にフラーフェンベルフとムニョスが下がり、マック・アリスターとガクポ。イラオラ監督の課題のひとつは、信頼できる選手が15人しかいないことでしょう。試合後のプレスルームで足りなかったことを問われたとき、欧州の経験値の低さが露呈しました。ラルナカでヨーロッパリーグに出場し、グループステージで敗退したのが唯一のチャレンジで、既に8年も経っています。
「選手たちが疲れていたと嘆くのは、誰にとっても簡単なことだ。しかしフレッシュさが欠けていたのは事実で、隠すことはできない。重要な試合から60時間余りしか経っておらず、最悪のスケジュールだった。とはいえシーズンのなかで、こういうことは起こり得るので、適応しなければならない。時にはセットピースや攻撃陣の閃きで、勝たなければならないこともあるだろう」
3月になってからのコメントなら納得ですが、CLの初戦を終えたばかりで疲労が原因なら、指揮官の責任でしょう。72分にバルコラとアラウホを下げ、フリンポンとエングモアを入れたのですが、ここからのオンターゲットはゼロ。ショボスライにはフリンポンを活かすイメージがあったようですが、ヴィルツは持ちすぎが目立ち、エングモアに勝負させるパスはありませんでした。
ラストチャンスは94分、フリンポンのクロスをファーで合わせたエングモアのボレーは左にアウト。中盤を変えるオプションがなく、ガクポ、フリンポン、エングモアの個人力とショボスライのプレースキック頼みでは、ドローもやむなしです。戦術のインストールが進めば変わるのか、小さなスカッドで戦い抜けると信じているのか。指揮官の引き出しの数が問われています。
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