イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

シュチェスニー、ビッグセーブ連発!プレミアリーグ勢の活躍で、明暗分かれた強豪国のユーロ予選

プレミアリーグに所属する多くの選手たちが、現在、各国の代表に散らばってユーロ予選を戦っておりますが、10月11日と12日のゲームでは、ドイツ、ベルギー、オランダといったワールドカップで上位進出した強豪国が、明暗が分かれる結果となりました。メスト・エジルの故障によるショックが大きかったのは、ヴェンゲル監督とアーセナル関係者よりも、ドイツ代表のレーヴ監督だったのかもしれません。

アーセナルとドルトムントという、「ケガ人大量発生クラブ」の東西横綱に数多くの主力を抱える世界王者ドイツは、両クラブに所属するマルコ・ロイス、ギュントガン、エジルといったワールドクラスを欠いたうえに、レアル・マドリードのケディラまで不在という不安なメンバー。それでも、トマス・ミュラー、シュールレ、トニ・クロース、ゲッツェ、ノイアーらのワールドカップ優勝メンバーは健在で、フンメルスが復帰した無敵のチームがポーランドにクリーンシートで負けるという結果は、誰も予想できなかったのではないでしょうか。

ドイツの最大の敗因は、完全にゲームを掌握していた前半にゴールを奪えなかったことでしょう。ポーランドの作戦は、ひたすらゴール前に人数を置き、ボールを奪ったら最前線のレヴァンドフスキーを走らせるという、プレミアリーグでもしばしば目にする「弱者の戦術」。そこまでしても、サイドでマークを外しがちだったポーランドに対して、ドイツは何度もフリーのシュートチャンスを創ります。しかし、17分のフンメルスはフリーのヘッドを叩きつけ過ぎてDFに当て、34分に右からのクロスをどフリーで叩いたベララビの左足ボレーはポスト右。直後のトマス・ミュラーもまた、カウンターから抜け出しながら、気負ったシュートは枠を外れます。

後半に入り、先制は何とポーランド。51分、カウンターから右サイドに出たボールをドイツDFがクリアすると、それを拾ったピシュチェクが中央にクロス。判断を誤ったGKノイアーが遅れて前に出たところをミリクがヘッドで左隅に流し、ホームチームがリードします。ここから攻勢を強めた世界王者でしたが、彼らの前に立ちはだかったのは、ノイアーよりも断然よかったGKシュチェスニーでした。

54分にシュールレが右から突破を図り、絶妙な切り返しから左足で放った強烈なシュートを横っ飛びのビッグセーブではじき出すなど、「プレミアリーグ対決」を制したアーセナルのエースGKは、ロンドンで観たことがないくらいの落ち着いたプレイでドイツの同点を許しません。80分にゲッツェがヘッドで落としたボールを、ポドルスキが左足で叩いた「ガナーズ対決」が、ドイツ最大のチャンス。素晴らしい一撃にシュチェスニーはまったく動けなかったものの、ボールは無情にもバーを直撃!1-0のまま追いつけず、前がかりになったドイツは、88分に最も注意していたレヴェンドフスキに突破を許してしまい、バイエルンのストライカーが右から出した横パスをミラに決められて万事休す。試合後のフンメルスが「ジョークみたいなものだ」というくらい、圧倒的なドイツペースでしたが、ここぞというチャンスをゴールに結びつけたポーランドが、レギュラーのMFとDFを数人欠いて守備が不安定だったレーヴ監督の新チームに完勝しました。ドイツが9月に、ホームでアルゼンチンに4失点を喫して負けたのは、この日の番狂わせの予兆だったのかもしれません。

世界王者が負ける1日前、危なげない初戦勝利でいいスタートを切ったのはベルギーでした。GKクルトワ、DF陣にはアルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、コンパニ。中盤にシャドリがおり、途中出場したのはルカク、フェライニ。デブライネは元プレミアリーグ、FWオリギは来季からプレミアリーグと、まさに「プレミアリーグ・オールスターズ」のようなベルギーは、アザール、ミララス、ベンテケを欠き、ベンチのミニョレとヤヌザイが不出場でも、これだけイングランドカラーが強いのにはびっくりです。

アンドラに6-0と圧勝したゲームは、デ・ブライネ、メルテンスらが中盤を制圧。プレミアリーグで今季好調のシャドリも、左からのクロスがワンバウンドした難しいボールに左足を合わせて3点めをゲット。ケガを抱えており心配だったコンパニを途中で下げる余裕までみせたベルギーは、ライバルのボスニア・ヘルツェゴビナやウェールズがつぶし合いとなっているグループBなら、悠々首位突破を果たすでしょう。

初戦でチェコに2-1と負けるという最悪のスタートを切ったヒディンク新監督のオランダは、前半早々にCKからカザフスタンに先制され、ゴール前に守備の壁を作られるという難しいゲームとなりましたが、フンテラール、アフェライ、ファン・ペルシのゴールで3-1と逆転勝利。動きはよかったものの、フィニッシュに精度を欠いたファン・ペルシが前半のチャンスを決めてくれれば、オランダはこれほど緊張感の高いゲームをしなくても済んだでしょう。1勝1敗となったオランダのグループAは、チェコとアイスランドが連勝を決めているので、14日のアイスランドとのアウェイ戦で敗れるようなことがあれば、オランダは一気に窮地に立たされることになります。

今季、出来が今ひとつだったファン・ペルシやポドルスキが、代表で調子を上げてプレミアリーグに戻ってきてくれれば何よりです。明日は、エストニアとのアウェイ戦で、イングランド代表が登場。こちらも、注目です。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す