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外して外して7試合めの歓喜!ジエゴ・コスタ、ついにスペイン代表初ゴール!

エストニアVSイングランドを観た勢いで、ルクセンブルクVSスペインという地味なゲームまで観てしまいました。ブラジルで行われた先のワールドカップで、オランダとチリに敗れてまさかのグループリーグ敗退を喫したスペインは、ユーロ予選に入っても、2戦めでスロバキアに2-1で完敗。シャビ、イニエスタ、ビジャ、プジョル、カシージャスらで築き上げた黄金時代の圧倒的なポゼッションサッカーに、翳りが見え始めています。この試合でルクセンブルクがジャイアントキリングを演じるとは思えませんでしたが、それでもつい手を伸ばしてしまったのは、現在のスペインがどういうサッカーをしているのかをチェックしたかったのと、プレミアリーグ勢で気になる選手がいたからです。

この日のスペイン代表に選ばれていたプレミアリーグの選手は、トップにチェルシーのジエゴ・コスタ、MFにマンチェスター・シティのダヴィド・シルヴァ。GKのスタメンにはマンチェスター・ユナイテッドのダヴィド・デ・ヘアが指名され、カシージャスはベンチでゲームを見つめています。背番号1同様、ベンチスタートとなった選手のなかに、カソルラ、セスク、アスピリクエタがおり、プレミアリーグ勢は計6人。そのなかで私が観たかったのは、スペイン代表6試合ノーゴールと、なぜか代表では輝きを失うジエゴ・コスタのプレイでした。

グループCでアウトサイダーと目されていたルクセンブルクは、緒戦のベラルーシ戦をドローに持ち込み、マケドニア戦も3-2惜敗と、このユーロ予選でいい試合を続けています。シャビがチームを仕切ってた頃の、ティキタカをベースにしたバルサのスタイルは緩和され、マドリード勢やプレミアリーグの縦へのスピードが加わったスペインは、開始からしばらくは慎重なサッカーを展開。11分にヘディングシュートを放ったジエゴ・コスタは、18分にはペナルティエリア左から裏に抜け出してDFをかわし、左足でシュート。チェルシーの彼なら、GKのポジションをみて決めていてもおかしくないシーンでしたが、力んだシュートは右ポストの外に逸れていきます。

ここからのジエゴ・コスタは、飛び出しの速さと反比例するような迷えるシュートで、ことごとくチャンスをつぶします。21分、右から突破し、思い切り足を振り上げたシュートはバーの上。23分、ゴール正面からフリーで放ったインサイドはGK正面。味方が先制ゴールを決めてラクになったはずの30分には、中央でGKと1対1になりながら、信じられないシュートミスで浮いたボールが大きく右に外れます。

ユニフォームを頭にかぶせて顔を隠す、意気消沈のプレミアリーグ得点王候補に対し、スペインの2ゴールに貢献したのは、プレミアリーグではライバルであるマンチェスター・シティの司令塔、ダヴィド・シルヴァでした。27分、相手DFのクリアをジャンプしながらのトラップで足元におさめたダヴィド・シルヴァは、DFのアタックより一瞬早く強烈な左足ミドルシュートをゴール左上に突き刺し、ようやくスペイン先制。42分には、右サイドに流れてパスを受けたシルヴァが、中央に右足で優しいラストパス。日本語ならサッカー選手としては今イチな名前の「アルカセル」が、代表で3試合連続となる文句なしの右足シュートを叩き込みます。前半0-2は、デルボスケ監督にとっては不満でしょう。後半に入ると、ルクセンブルクに左サイドから再三クロスを上げさせる時間帯もあり、ゲームは膠着。しばらくはスペインにとってストレスのたまる時間が続きます。

その瞬間が訪れたのは、69分でした。FKを受けたダヴィド・シルヴァの珍しいミスパスが偶然、味方に通り、混戦からブスケツが放ったシュートは、前にいたジエゴ・コスタの腹を直撃します。2つの幸運から生まれた、絶好のシュートチャンス。ジエゴ・コスタが落ちたボールを振り向きざまにボレーで捉えたとき、ゴールは5メートル先、周囲にはGKと味方選手しかおりません。サッカーの神様は、何回シュートを外しても、裏へ走り込むことをさぼらなかったストライカーを見捨てませんでした。ジエゴ・コスタ、ついに代表初ゴール!

ブラジルとスペインの二重国籍を持つジエゴ・コスタは、2013年3月にブラジル代表としてデビューしたものの、ちょうど1年前にスペイン国籍に鞍替えすると発表。ブラジル代表の指揮官だったフェリペ・スコラーリ氏に裏切り者呼ばわりされ、後に「スペインとブラジルの間での争いを充分に体験したので、今後はそういった争いは望まない。落ち着きがほしい」と語っています。精神的に厳しかった国籍選択騒動や、コンディションがよくなかったワールドカップの苦い記憶が、彼のゴールセンスを鈍らせていたのかもしれません。しかし、もう大丈夫でしょう。ジエゴ・コスタは、待ちに待ったスペイン代表での一歩を踏み出せたのです。9月頭の代表デビューから4戦3ゴールのパコ・アルカセルとのコンビは、既に欧州屈指の2トップだと思います。

81分にジエゴ・コスタはお役御免。89分、途中出場のベルナトがダメ押しゴールを決め、試合は0-4でスペインの勝利でした。いや、今夜は、ダヴィド・シルヴァのスーパーゴールと、ジエゴ・コスタのファーストゴールを観られただけで充分です。普段はスペインを応援しているわけでもないのに、彼ららしいプレイを観てついつい盛り上がってしまいましたが、プレミアリーグの直接対決で活躍されると、やはり腹立たしくなるんでしょうね。マンチェスター・ユナイテッドは、今月末、チェルシーとマンチェスター・シティとの連戦を控えておりますが、ジエゴ・コスタには本日の前半のようなプレイを、ダヴィド・シルヴァには影が薄くなっていた後半のようなプレイをお願いしたいと思います。

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“外して外して7試合めの歓喜!ジエゴ・コスタ、ついにスペイン代表初ゴール!” への3件のフィードバック

  1. ブリッジラバー より:

    更新お疲れ様です。

    ジエゴ・コスタは良かったのですが、いかんせんデルボスケの手腕は疑わざるを得ません…
    W杯で失敗したコスタをプレミア初挑戦の中でゴール量産させたモウリーニョと違って、ボスケはコスタに自信を与えられず、プレッシャーの方を強くかけてしまってるように思います。
    本当にチェルシーの監督がモウで良かった!
    コスタもこれで一層波に乗って欲しいです。

    アスピリクエタ、セスクはチェルシーだとあれだけ活躍してるのに、代表だと恵まれませんね。
    明日のブラジルも含め、チェルシー勢の代表での活躍に期待です!

  2. makoto より:

    ブリッジラバーさん>
    ジエゴ・コスタ、決められてよかったですね!デルボスケさんは、ジエゴ・コスタに「落ち着いてプレイすれば決められるから、ヒートアップしないように」と声をかけていたようですよ。ご本人がそう発言し、コスタも監督の信頼に感謝しているといっていました。

  3. ブリッジラバー より:

    なんだ!そうなんですか。ボスケさんすみませんでした…

    そう考えるともうモウリーニョの凄さにびっくりです。
    なんて声をかけてるんでしょうかね!

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