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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

欧州で「代表選手が最も多いクラブ」はチェルシー…ハイレベルの選手が集うプレミアリーグの課題

FIFAのデータを管理しているスイスのスポーツ研究国際センターによると、欧州のトップリーグにおいて、2014年に代表でプレイした選手が最も多いクラブは、モウリーニョ監督の采配でプレミアリーグ首位を走るチェルシーなのだそうです。このクラブの代表選手率は78.3パーセント。アブラモヴィッチオーナーのクラブは補強上手で、絶対に欲しい戦力獲得となると、他のクラブと競合しても負けません。

2位のレアル・マドリードが77.3%、バルセロナが3位で73.1%とスペイン勢がチェルシーの後に続き、73.1%のバイエルン・ミュンヘン、71.4%のドルトムントとブンデスリーガ勢が4位、5位。以下、マンチェスター・シティ、リヴァプール、アーセナル、パリ・サンジェルマン、ゼニトが続きます。セリエAトップは11位のACミラン。財政的に厳しいクラブが多く、バリバリの代表選手をスタメンに揃えられないイタリアの主要クラブは、このデータでも他国のリーグを下回る結果となっています。

ここまでの数字や順位をみると、「代表選手比率が高いクラブがトップ10に4つも入っているプレミアリーグはやはり豪華」と思われる方が多いでしょう。事実、リーグ別ではプレミアリーグが43.5パーセントでトップとなっており、34.1パーセントのブンデスリーガが2位。3位には26.2パーセントのロシア・プレミアリーグが入り、4位以下はセリエA、リーグ・アン、リーガ・エスパニョーラの順です。

しかし、このデータを別な角度から眺めると、「プレミアリーグはクラブで育成している若手選手、とりわけ自国出身のプレイヤーがベンチに入っておらず、外国人の代表クラスの選手への依存度が高い」ということなのかもしれません。今季のチャンピオンズリーグに出場した選手を出身国別にみると、1位はスペイン人の75人、2位はブラジル人で68人、3位はドイツ人の51人。イングランドの選手はわずか21人となっており、選手層が厚い上位3国に大きく後れをとっています。スペインには、「選手層が厚すぎるために代表に入れない好選手」「他国リーグで活躍する代表レベル」が多いという言い方もできるでしょう。イングランドは、いずれも少ないのが現状です。

チェルシーは、代表選手でトップクラブを固めつつ、若手選手の多くをプレミアリーグの中堅クラブや他国のリーグにレンタルしており、彼らは必ずしもイングランド人ばかりではありません。プレミアリーグにはホームグロウン制度があり、チャンピオンズリーグにも自国育成選手をリストアップさせるルールがあるので、欧州のトップクラブには一定の自国選手が「在籍」しているわけですが、プレミアリーグにおいては彼らが「戦力」なのかどうかは微妙です。ここまでの話をまとめると、こんなところでしょうか。

旬の代表選手を獲得するのがうまく、層も厚いチェルシーは、トップチームの水準に満たない若手をレンタルで修業させながら、芽が出た選手を引き上げるといったチーム運営をしている。フランスの選手の青田買いを推進して成功したヴェンゲル監督の手法を全方位的に展開したチェルシーに他クラブも倣っているが、自国育成選手は必ずしもイングランド人選手ではなく、サッカーの母国出身の選手が育たないという課題には解決の兆しが見えない」

私がイングランド人選手の層が薄いことを気にしているのは、国内からいい選手が出てこないとリーグ全体のレベルが下がってしまい、今は繁栄しているプレミアリーグもつまらないといわれ出し、セリエAの二の舞になるのではないかと危惧しているからです。ロス・バークリー、スターリング、ジェームズ・ウィルソン、チャンバース、ライアン・メイソン、ハリー・ケイン…トップクラブで活躍するイングランド人選手が、さらに出てきてくれることを願っています。

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“欧州で「代表選手が最も多いクラブ」はチェルシー…ハイレベルの選手が集うプレミアリーグの課題” への6件のフィードバック

  1. より:

    This is why I love Man Utd

    やっぱり、イギリス人を起用しつつ、足りない部分を外国人選手で補う、という方針のまま勝ちまくってほしい!

  2. リバサポ より:

    メイソンとケインは羨ましい人材です…
    というか、u21の試合がここ三ヶ月全くないんですよね…FAは自国の選手育てる気があるのかわかりませんよ。

  3. にわかスパーズファン より:

    更新お疲れ様です。
    イングランドの若手の選手は海外のチームに移籍することがあまりないですよね。ローンで出すとしても下位チームかチャンピオンシップ。
    国内ではどうしても出場の機会が限られてきます。ビッククラブだと特に。
    ホームグロウンの制度も見直す必要はありますが、海外でのチャレンジをもっとしてもいいと思います。国民柄仕方のないことかもしれませんが…
    代表選手に国外のクラブ所属の選手がいないトップクラスの国ってイングランド以外ないような気がします。

  4. より:

    このランキングではかなり上位にいるレッズなのにリーグでは・・・(涙

    そういう意味では実力ある選手が多いはずなので、しっかりチームが出来上がれば、まだまだ上位に食い込んでいけるのかなー?と少し期待しておきます。

  5. makoto より:

    あ さん>
    何人か、おもしろい選手がいますよね。成長が楽しみです。

    リバサポさん>
    確かに。メイソンは化けるかもしれないのに…。

    にわかスパーズファンさん。
    アシュリー・コールをはじめ、複数のプレミアリーグOBが同じことを指摘していました。同感です。

    ご さん>
    これだというスタイルが見つかれば、逆襲できると思います。スタリッジとバロテッリがゴールを量産している姿を見たいです。

  6. makoto より:

    ドイツは外国人枠を廃止しドイツ人枠を設けたことが代表強化に寄与したと言われていますので、
    プレミアもこれに準じた英国人枠&自前育成枠を設けるのが良いのかも。

    現状17人まで契約出来る非HG枠を11人以下に縮小してシニア枠の半分以上を英国人枠+HG枠とし
    そのうち半分程度を自前育成選手にしなければならないとかにすれば、全てのクラブが若手の育成&起用に
    力を入れざるを得なくなるのでは。

    —–
    ゆうまさん>
    ホームグロウンの定義に「英国人枠」を新設するのはいいかもしれませんね。ブラジル、フランス、オランダ、ドイツ、スペインの若手を育成しているだけではダメですよ、と。

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