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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグ2014-15年末総決算 (1)発表!偏愛的ベストイレブン・裏版もあります【後篇】

「プレミアリーグ2014-15年末総決算 (1)発表!偏愛的ベストイレブン・裏版もあります【前篇】」より続きます。後篇は、プレミアリーグ前半戦ベストイレブンの裏バージョン。こちらはまさに「偏愛的」でして、選考基準を言葉にすれば、定性的・感覚的に過ぎるのですが「予想以上にがんばってチームを助けてくれました。おつかれさま!」と声をかけてあげたい11人です。

GKは、派手なビッグセーブを数えるとアドリアンやベコヴィッチなのですが、安定感と統率力を評価してブラッド・グザンです。アストン・ヴィラは9月末からの5週間、5試合連続ノーゴールと沈黙。19試合で11得点というぶっちぎりの貧攻チームが、3倍近いゴールを決めているエヴァートンと勝ち点で並んでいるのは、メンバーが定まらなかった最終ラインを後ろから支えたアメリカ代表GKのおかげでしょう。今季の失点は代表の先輩ティム・ハワードよりも少なく、11月2日のトッテナム戦を最後に、9試合に渡って2点獲られたゲームがありません。アメリカはいいGKの宝庫ですね。トニー・メオラに始まり、ケラー、フリーデル、ハワード、グザンと、判断力が高くて堅実なGKがどの世代にも必ずいます。

DFラインはサイドに若い選手、CBコンビにはチームを支えた大黒柱を配してみました。今季からイングランド代表に選ばれるようになったセインツの23歳、右SBナサニエル・クラインは、持ち前の攻撃力に加えて守備への意識が高まり、順調に成長しているのではないかと思います。ウェストハムの最終ラインは、中央で奮闘するウィンストン・リードと攻撃参加が多いトムキンスが目立ちますが、左サイドで体を張るクレスウェルの攻撃への貢献度も相当高いと思います。クロスやパスの精度はルーク・ショーに引けを取らず、3年後のイングランド代表のレギュラーSBは、このふたりで争われるのではないでしょうか。

そしてCBのひとりめは、マルティン・シュクルテル。試行錯誤が続き、システムもメンバーも毎試合のように変わるリヴァプールで、最終ラインにおいてただひとり、ロジャース監督の信頼が揺るがなかったスロバキア代表DF。今季プレミアリーグでは1ゴールと、昨季ほどの得点力はありませんが、ガナーズサポーターを落胆させたセットプレーからのヘディングは要警戒。後半戦も、チームの背骨として活躍してくれるはずです。そしてもうひとりは、ストークのショークロスに注目しました。2010年に「ラムジーを骨折させた男」として有名になってしまった彼は、その後イングランド代表に選ばれるまでに成長し、ストークの最終ラインを統率。今季、マンチェスター・シティ、アーセナル、エヴァートンに勝ったストークにおいて、ハードマークで相手のエースから自由を奪ったショークロスの貢献度は絶大です。

中盤では、クリスティアン・エリクセンの選出に違和感がある方もいるかもしれません。確かに今季は守備でのハードワークが足りず、45分で代えられてしまったゲームもありました。しかし、そんなマイナスを覆って余りあるのが、貴重な局面でのゴールです。今季プレミアリーグでの7発のうち、残り1分を切ったシーンでの2発を含む半分以上が決勝ゴール。直接FKやミドルシュートといった飛び道具がある天才がいなければ、厳しい競り合いが多かったトッテナムがプレミアリーグ4位と勝ち点差2に迫ることはなかったでしょう。もうひとりのセントラルMF、シュナイデルランは、表版のベストイレブンに入ってもおかしくない選手。彼の不在の影響でセインツが4連敗した悪夢の2週間がなければ、マティッチより評価していたかもしれません。

サイドのミルナーは、CBとGK以外ならすべてのポジションをこなす器用さで、マンチェスター・シティの負傷者の穴埋めに奔走。最近は、ゼロトップの最前線をまかされる機会も増えています。マンチェスター・ユナイテッドとのプレミアリーグ開幕戦で、古巣スウォンジーに復帰したばかりのシグルズソンが挙げた決勝ゴールは、間違いなくスタートダッシュ作動のスイッチとなりました。ソング、アマルフィタノ、クヤテ、ノーブルらとダイヤモンドを形成するダウニングの長短のパスが、前線のサコやバレンシアの攻撃力を引き出しました。プレミアリーグ6位と健闘したウェストハムが挙げた、マージ―サイドの2クラブをしのぐ30得点は、ダウニングのゲームメイクなくしてなしえなかったでしょう。

最後のひとりは、ストライカー。ベラヒーノ、ボニー、ルカク、シッセとFWが粒ぞろいの今季、ランバート移籍の後を完璧に引き継ぎ、美しいゴールを連発したグラツィアーノ・ペッレが裏版のワントップにふさわしいとも思ったのですが…。タディッチ、マネ、クライン、バートランド、シュナイデルランと全方位的にいいパスがもらえる8ゴールのイタリア代表と、パスの供給源が少なく、攻撃が細いQPRで12ゴールを決めているチャーリー・オースティンを比べると、やはり実績に逆らえず。いつの間にかプレミアリーグ得点王のアグエロに2差と忍び寄り、トップの座をまくってしまうかもしれない25歳にリスペクトと期待を込めた拍手を送りつつ、裏版ベストイレブンを締めたいと思います。

以上で、本年の「偏愛的プレミアリーグ見聞録」の記事も最後となります。2014年も、1年間おつき合いいただき、ありがとうございました。。年明けは元日のランチタイムキックオフ、ストークVSマンチェスター・ユナイテッドから始まります。来年も、よろしくお願い申し上げます。

みなさま、体にお気をつけてよいお年を。

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“プレミアリーグ2014-15年末総決算 (1)発表!偏愛的ベストイレブン・裏版もあります【後篇】” への8件のフィードバック

  1. ぐら より:

    個人的にはボージャン!
    点はとれてないけど!

  2. パーカー大佐 より:

    スパーズを応援してる者としてはロリスも是非入れて欲しいです。キックの精度はアレですが、反応の良さを含めてプレミア1のゴールキーパーだと思っています。

  3. より:

    スターリング入れてよ

  4. makoto より:

    ぐらさん>
    ボージャン・クルキッチは、ゴールシーンの美しさではナンバーワンクラスでしたね。

    パーカー大佐さん>
    ロリスはいいGKだと思います。この半年は、デ・ヘアとクルトワがよすぎましたね。

    あ さん>
    スターリングは、チーム状態がよくないなかでもがんばっており、心情的には入れたい選手でした。裏版は「予想以上に」という一項を入れたので、外してしまいましたが…。

  5. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ミルナーの選出はありです。労を惜しまない汗かきタイプで欲しがるチームは多いと思います。冬の移籍は不明ですが、来夏はどうなるんでしょうね?好きな選手です。
    来年もブログ楽しく拝見させていただきます。

  6. 爪楊枝 より:

    やっぱり裏の方が面白いですね。
    個人的にはウェストハムのサコとかも入れたいですね。
    あの得点感覚はすごいです。

  7. makoto より:

    Mackiさん>
    ありがとうございます!今年もよろしくお願いいたします。

    爪楊枝さん>
    書いてるほうも、裏のほうが楽しいです。残念ながら(笑)
    そうですね。サコもよかったですね。いやー、目移りします。

  8. パーカー大佐 より:

    スパーズを応援してる者としてはロリスも是非入れて欲しいです。キックの精度はアレですが、反応の良さを含めてプレミア1のゴールキーパーだと思っています。

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