2021.02.12 チームの話題(全体・他クラブ)
「夏に補強しなかったクラブは、翌シーズンに苦戦する説」。リヴァプールは巻き返せるか…!?
2015-16シーズンにペトル・チェフしか獲得しなかったアーセナルは、そのシーズンはプレミアリーグ2位でフィニッシュしましたが、2016-17シーズンに21年ぶりとなる5位転落。2018-19シーズンに新戦力を加えなかったトッテナムは、クラブ史上初のチャンピオンズリーグ決勝進出を果たしたものの、次のシーズンに不振に陥り、ポチェッティーノ監督が解任されました。
リヴァプールが10代の選手を2人獲っただけで戦ったのは、2019-20シーズン。プレミアリーグ27節までで26勝1分という快進撃で独走し、30年ぶりに国内リーグを制覇しましたが、今季は首位マンチェスター・シティと10ポイント差という絶望的なポジションに停滞しています。背後からチェルシーやエヴァートンが接近しており、復調できなければTOP4から陥落してしまうでしょう。「夏に補強をしなかったクラブが、その次のシーズンで失速する」現象が頻発しているように感じられるのですが、彼らに何らかの共通項はあるのでしょうか。
前提として、補強をしないチームは、経営陣あるいは指揮官が「現状の戦力で充分戦える」と考えているものです。2015年にフィールドプレーヤーの補強ゼロを非難されたアーセン・ヴェンゲルは、「この夏の補強に満足しているかかと問われれば、答えはイエスだ。いつもそうだけどね。ここ数年で、アレクシス・サンチェスを買い、エジルを買い、チェフを買い、ガブリエウ・パウリスタも手に入れた」と反論。2018年のポチェッティーノも、「補強ゼロでも心配はない」「私はハッピー」と豪語しています。2人の名将がその後に続けた言葉も、そっくりでした。
「選手を買おうと思ったら、まず買う価値のある選手を探さなければならない。この夏は、今のチームをよりよくしてくれると確信できる選手が見つからなかった」(アーセン・ヴェンゲル)
「われわれのチームはとてもいい状態にあり、現状より強くするために戦力を加えるのは簡単ではない」(マウリシオ・ポチェッティーノ)
そして2019年の夏に、リヴァプールを欧州の頂点に引き上げた功労者も、同じような言葉を残しています。
「クレイジーな資金を使った補強は必要ない。私たちはシーズンを通じて解決策を見出さなければならない。それがトランスファーマーケットで見つけることも確かにあるけど、誰もが知るスターの名前が必要というわけではない。マーケットに解決策がなければ、トレーニンググラウンドで探り当てなければならない。それこそが今、われわれが取り組んでいることだ」(ユルゲン・クロップ)
移籍市場に背を向けた3つのチームの挫折や停滞はそれぞれですが、やはりいくつかの類似点があるように思います。「移籍2年めの選手の不在により生じたレギュラーとサブのギャップ」「同じメンバーで戦い続けることによる競争という刺激の欠如」「煮詰まってしまった主力の不振」。アーセナルは、緩やかにパフォーマンスを落としていったエジルを奮起させる存在や、チームの心臓だったカソルラの後継者を見つけられませんでした。デル・アリ、ルーカス・モウラ、ソン・フンミンなど、ポチェッティーノ就任以来「2年めにブレイクする選手」が必ずいたスパーズは、移籍騒動で揺れたエリクセンと負傷がちだったデル・アリの穴を埋める2年めがいませんでした。
今季のリヴァプールの停滞は、ファン・ダイクとジョー・ゴメスのアクシデントに端を発していますが、2年めの不在をカバーしてくれそうだったジョッタのリタイアも相当痛かったはずです。オリギとシャキリは、前線を休ませてくれる存在とはいえず、冬に加わった南野とプレミアリーグ初年度のチアゴはフィットしきれず。攻撃的なポジションには、レギュラーとサブの格差が確実に存在していました。入団2年めから格段に攻撃力が高まったアンディ・ロバートソンのような存在を1年半前に獲っていれば、今よりもいいポジションにいられたのではないでしょうか。
2018年の夏に、フレッジしか主力候補を獲らなかったマンチェスター・ユナイテッドも、2019-20シーズンに「補強を抑えた翌年に苦しい状況に追い込まれたチーム」になりかかっていました。モウリーニョの下では振るわなかったフレッジの存在感は高まったものの、2019-20シーズンの1月終了時点では、プレミアリーグ24試合で9勝7分8敗と低迷。彼らが息を吹き返したのは、ブルーノ・フェルナンデスという奇跡的な新戦力がチームを変えてくれたからです。
コロナウイルス蔓延によってシーズンが7月まで延長されたためにポグバが間に合い、チェルシーとレスターが落ちてきてくれたという幸運もありました。冬の補強と追い風がなければ、中位に沈んだままシーズンを終えていたのではないかと思います。
以上、「補強をしなかったチームは翌シーズンにその煽りを受ける」という説を展開してまいりましたが、いかがでしょうか。そうはいっても、リヴァプールは昨季プレミアリーグの最強チーム。ジョッタとナビ・ケイタが復帰すれば、巻き返してくるはずですが、TOP4を外す可能性は低いとはいえません。この説が正しければ、レッズだけでなく、2019年の夏に補強禁止処分を喰らっていたチェルシーも危ないということになります。初年度からフィットした選手、ブレイクした選手を何人出せるかですね…!?
リヴァプールが10代の選手を2人獲っただけで戦ったのは、2019-20シーズン。プレミアリーグ27節までで26勝1分という快進撃で独走し、30年ぶりに国内リーグを制覇しましたが、今季は首位マンチェスター・シティと10ポイント差という絶望的なポジションに停滞しています。背後からチェルシーやエヴァートンが接近しており、復調できなければTOP4から陥落してしまうでしょう。「夏に補強をしなかったクラブが、その次のシーズンで失速する」現象が頻発しているように感じられるのですが、彼らに何らかの共通項はあるのでしょうか。
前提として、補強をしないチームは、経営陣あるいは指揮官が「現状の戦力で充分戦える」と考えているものです。2015年にフィールドプレーヤーの補強ゼロを非難されたアーセン・ヴェンゲルは、「この夏の補強に満足しているかかと問われれば、答えはイエスだ。いつもそうだけどね。ここ数年で、アレクシス・サンチェスを買い、エジルを買い、チェフを買い、ガブリエウ・パウリスタも手に入れた」と反論。2018年のポチェッティーノも、「補強ゼロでも心配はない」「私はハッピー」と豪語しています。2人の名将がその後に続けた言葉も、そっくりでした。
「選手を買おうと思ったら、まず買う価値のある選手を探さなければならない。この夏は、今のチームをよりよくしてくれると確信できる選手が見つからなかった」(アーセン・ヴェンゲル)
「われわれのチームはとてもいい状態にあり、現状より強くするために戦力を加えるのは簡単ではない」(マウリシオ・ポチェッティーノ)
そして2019年の夏に、リヴァプールを欧州の頂点に引き上げた功労者も、同じような言葉を残しています。
「クレイジーな資金を使った補強は必要ない。私たちはシーズンを通じて解決策を見出さなければならない。それがトランスファーマーケットで見つけることも確かにあるけど、誰もが知るスターの名前が必要というわけではない。マーケットに解決策がなければ、トレーニンググラウンドで探り当てなければならない。それこそが今、われわれが取り組んでいることだ」(ユルゲン・クロップ)
移籍市場に背を向けた3つのチームの挫折や停滞はそれぞれですが、やはりいくつかの類似点があるように思います。「移籍2年めの選手の不在により生じたレギュラーとサブのギャップ」「同じメンバーで戦い続けることによる競争という刺激の欠如」「煮詰まってしまった主力の不振」。アーセナルは、緩やかにパフォーマンスを落としていったエジルを奮起させる存在や、チームの心臓だったカソルラの後継者を見つけられませんでした。デル・アリ、ルーカス・モウラ、ソン・フンミンなど、ポチェッティーノ就任以来「2年めにブレイクする選手」が必ずいたスパーズは、移籍騒動で揺れたエリクセンと負傷がちだったデル・アリの穴を埋める2年めがいませんでした。
今季のリヴァプールの停滞は、ファン・ダイクとジョー・ゴメスのアクシデントに端を発していますが、2年めの不在をカバーしてくれそうだったジョッタのリタイアも相当痛かったはずです。オリギとシャキリは、前線を休ませてくれる存在とはいえず、冬に加わった南野とプレミアリーグ初年度のチアゴはフィットしきれず。攻撃的なポジションには、レギュラーとサブの格差が確実に存在していました。入団2年めから格段に攻撃力が高まったアンディ・ロバートソンのような存在を1年半前に獲っていれば、今よりもいいポジションにいられたのではないでしょうか。
2018年の夏に、フレッジしか主力候補を獲らなかったマンチェスター・ユナイテッドも、2019-20シーズンに「補強を抑えた翌年に苦しい状況に追い込まれたチーム」になりかかっていました。モウリーニョの下では振るわなかったフレッジの存在感は高まったものの、2019-20シーズンの1月終了時点では、プレミアリーグ24試合で9勝7分8敗と低迷。彼らが息を吹き返したのは、ブルーノ・フェルナンデスという奇跡的な新戦力がチームを変えてくれたからです。
コロナウイルス蔓延によってシーズンが7月まで延長されたためにポグバが間に合い、チェルシーとレスターが落ちてきてくれたという幸運もありました。冬の補強と追い風がなければ、中位に沈んだままシーズンを終えていたのではないかと思います。
以上、「補強をしなかったチームは翌シーズンにその煽りを受ける」という説を展開してまいりましたが、いかがでしょうか。そうはいっても、リヴァプールは昨季プレミアリーグの最強チーム。ジョッタとナビ・ケイタが復帰すれば、巻き返してくるはずですが、TOP4を外す可能性は低いとはいえません。この説が正しければ、レッズだけでなく、2019年の夏に補強禁止処分を喰らっていたチェルシーも危ないということになります。初年度からフィットした選手、ブレイクした選手を何人出せるかですね…!?
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