FAカップ再試合はヒリヒリする神経戦…チェルシー完勝、MAN.UTD無念!
ワールドカップの決勝戦かと思ってしまうような、両者の慎重な戦いぶり。攻撃に人数をかけず、出来るだけ前で敵のボールをカットしにいこうとする中盤のせめぎ合いが続きます。ディフェンスが崩せないのなら…とばかりに前半のチャンスはミドルシュート。31分のデンバ・バのシュートをデヘアが好セーブすれば、41分のチチャリートのシュートをチェフがストップ。GKの競演でそれぞれピンチをしのぎ、ディフェンスばかりが目立つゲームは互角で前半を終了しました。
こういう試合は、往々にして1発のプレイがすべてを決めてしまいます。残念ながら、その1発はチチャリートでもウェルベックでもファン・ペルシでもなく、デンバ・バが放った美しいダイレクトシュートでした。48分、マタのクロスに走り込んで、後ろからのボールとGKデヘアの位置を瞬時に判断し、手の届かないところへ巧みに浮かした技ありゴール。ほんの一瞬、マークが甘くなったところを見逃さなかったマタのラストパスが素晴らしかったですね。
これで攻めるしかなくなったマンチェスター・ユナイテッドは、クレヴァリーに代えてファン・ペルシ、ナニを下げてギグスを投入し、厚くした前線に効果的なパスを供給しようとしますが、ファン・ペルシが絶不調で消えたまま。状況が変わらないと見るや、最後のカードを切り、アシュリー・ヤングのクロスに望みを託しますが、ダヴィド・ルイスとイヴァノビッチをあわてさせることすらできず、これといったチャンスもなくタイムアップ。痛かったのは、ルーニーの不在と複数の不調な選手の存在。ナニは自らの役割をまったく果たせず、エヴラもパスが不安定で、左サイドをアスピリクエタひとりに完全に殺されては、得点など望むべくもありません。チチャリートの動きは悪くなかったので、彼を使えるルーニーがいれば、打開策はあったはずなのですが…。
一方、チェルシーは完勝といっていいでしょう。おとといのプレミアリーグを休んだCBダヴィド・ルイスの仕切りはバッチリ。中盤もマンチェスター・ユナイテッドを自由にさせず、マタ、ラミレス、デンバ・バ、アザールが絡むスピーディーな攻撃は迫力がありました。マンチェスター・ユナイテッドも守りはよかったので、1点しか獲れませんでしたが、点差以上にチェルシーのよさが目立ったゲームだったのではないでしょうか。
これでチェルシーはベスト4進出。セミファイナルでは、もうひとつのマンチェスター勢、シティと戦うことになりました。一発勝負に強いチェルシーか、FAカップ最優先、全力で獲りにくるマン・シティか。次戦は事実上の決勝戦といっていいでしょう。コンパニが戻ってきたマン・シティは相当手ごわいです。チェルシーの作戦に注目しましょう。
(写真著作者/Benutzer:Smalltown Boy)
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