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【Aston Villa×Liverpool】 リヴァプール、ロジャース采配でヴィラを逆転!

1888年のイングランドリーグ創設時に最初から加わっていた、これ以上ない古豪・アストンヴィラですが、今季は降格の危機にさらされ、残留に向けて必死の戦いを続けています。対して、イングランドリーグにおけるトップリーグ所属年数で、アストンヴィラに続く3位のリヴァプール。CL出場圏内まで勝ち点で10離され、来季のヨーロッパ進出が風前の灯となっていますが、上位との直接対決が残っていることに希望を託して、こちらも一戦必勝です。

ゲームは、古豪同士の戦いらしく、前半は古きよきイングランドサッカーといった趣です。縦に早く、好守がめまぐるしく入れ替わり、ボディコンタクトが激しいのにフェアで、スリリング。しかし、この直線的な攻撃の応酬は、どちらかといえばアストンヴィラの望むところでしょう。リヴァプールは、コウチーニョのドリブルからスアレスが裏に抜けるなどのチャンスは作りますが、陣形が縦に間延びし、アストンヴィラにボールを奪われるとMFとDFの間にフリーで侵入され、一発で危険な状態になってしまいます。前半31分のベンテケの先制点は、まさにリヴァプールのフォーメーションのすき間を衝いたもの。フリーで球を持ったCBからロングボール一発、アグボンラホルがこれをベンテケの足元に絶妙のタッチで柔らかく落とし、ベンテケが右足でドスン。前線の2人の個人技であっさり先制です。

40分にスアレスが相手DFラインの裏でパスミスのボールを拾ってGKと1対1になるなど、リヴァプールもチャンスは掴みますが、前半はアストンヴィラペースのまま終了。スアレスやコウチーニョが前で張り、DFラインはベンテケやアグボンラホルを警戒して後ろに張りつき、中盤がカバーしなければならないスペースが広大で、このスペースをいいように使われます。リヴァプールはこれを何とかしないと、追いつく可能性よりも追加点を奪われる危険性のほうが高い状況。ブレンダン・ロジャース監督、後半どうする?

リヴァプールは、前半で抱えた課題に対する答えを後半開始早々に出します。ハーフタイムで、間延びしていたフォーメーションを前線と中盤を下げることで修正し、相手をより奥まで迎え入れ、ボールを奪ったら低い位置からカウンターを開始する形に変えてきました。さっそく47分、奪ったボールを左サイドのコウチーニョに預けると、そこから最高のスルーパスが中央を走るヘンダーソンへ。DFを完全に振り切ったヘンダーソンは、GKとの1対1を難なく決め、同点。55分にもスアレスのスルーパスからコウチーニョがGKと1対1になるなど、完全にペースを掴みます。ラインを整備し、前半はDFラインで獲って長いボールを前線にフィードしていたところが、一段前のMFで奪ってより短い確実なパスを前に出せるようになり、チャンスの数も質もUP。これに対して、アストンヴィラは無策でした。前半同様、最終ラインに張りっぱなしのベンテケとアグボンラホルが厳しくチェックされ、完全に攻めあぐみます。すると58分、スアレスがペナルティエリア右でドリブルで中に斬り込もうとして足を引っかけられ、リヴァプールがPKをゲット。これをジェラードが決め、1-2。リヴァプール、勝ち越し!

この直後にCKからベンテケの素晴らしいシュートがGKレイナを完全にかわし、枠内に飛びますが、ゴールライン上でジェラードがクリア。これがヴィラのラストチャンス。以降、完全に落ち着きを取り戻したリヴァプールは危なげなく、勝ち点3をゲット。アストンヴィラがまた一歩、降格に近づきました。

終わってみれば、監督の差ですね。アストンヴィラが後半の失点が多いのは、相手にフォーメーションを変えられると、うまく対応できずに点を奪われてしまうことが多いということ。この日も、リヴァプールの変化に対する打ち手が見えず、ポール・ランバート監督の采配には疑問が残りました。逆にロジャース監督は素晴らしい手綱さばき。相手ペースになりがちな展開を、MFのラインを修正することで手元に手繰り寄せ、鮮やかな逆転勝利を掴みました。上が落ちてこないことにはどうにもならないリヴァプールですが、まずは勝ち点3をきっちり獲ることが重要。この1勝、大事な1勝です。(ブレンダン・ロジャース監督:写真著作者/John Campbell)

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