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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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イタリアに敵地でドロー決着、収穫ありのイングランド。若手選手のさらなる成長に期待!

トリノのユヴァントス・アリーナで行われる親善試合のイタリア戦は、イングランドにとってはワールドカップのリベンジマッチ。2014年6月、1勝もできずにグループリーグで敗退した悪夢の大会の初戦で、1-2と敗れた相手と戦うのは9ヵ月ぶりです。この試合でゴールを挙げたバロテッリ、マルキージョ、スタリッジは、負傷やスランプで全員不在。チームの中心だったジェラード、デ・ロッシ、ピルロらもおらず、両者ともフレッシュなメンバーがスタメンに並んでいます。現在、プレミアリーグはセリエAとUEFAランキング3位の座を争っており、チャンピオンズリーグの出場権が3になるのか4つもらえるのかに鎬を削るライバルでもあります。ユーロ予選で5連勝中の好調イングランドにとって、攻撃陣は小粒になったものの守備は相変わらず堅いイタリアとのアウェイゲームは、欧州での自分たちの立ち位置を測るいい物差しとなるでしょう。

おお、プレミアリーグ得点王を争うハリー・ケインが、ルーニー、ウォルコットと並ぶ3トップでスタメンです。最終ラインのジャギエルカ、スモーリング、ギブス、ナサニエル・クラインはまずまずですが、4-3-3の真ん中はヘンダーソン、デルフにフィル・ジョーンズと、いささか不安な組み合わせ。エデル、ソリアーノらのサイドからの仕掛けに、イングランドは冷静に対処できるのでしょうか。試合の入りは悪くなかったものの、10分にソリアーノが放ったミドルを皮切りに、シュートチャンスの数は圧倒的にイタリア。イングランドは、ウォルコットとハリー・ケインの守備での汗かきが足りず、孤軍奮闘になりがちだった両SBの裏のスペースを狙われます。

17分、地元トリノのダルミアンが左サイドから出したクロスに飛び込んだエデルの決定機は、ジャギエルカが戻ってぎりぎりでクリア。28分には、ナサニエル・クラインを軽くかわしたソリアーノにプラスのクロスを入れられると、グラツィアーノ・ペッレが絶妙なバックヘッドで流し、GKジョー・ハートを破ります。今季プレミアリーグの前半戦でサウサンプトンの躍進を牽引したストライカーが真価を発揮。一方のイングランドは、ルーニーやハリー・ケインにラストパスが出ず、なかなかシュートが打てません。

イングランドが前半惜しかったのは20分、デルフの左からのクロスにハリ・ケインが競り勝って落とし、クリアのこぼれ球を狙ったルーニーがクロスバーに当てたシーンぐらい。27分に右サイドからウォルコットに通したルーニーのロングフィードは完璧でしたが、イタリアの中央は堅く、ブッフォンを脅かすには至りません。44分、スモーリングが負傷リタイア。マンチェスター・ユナイテッドにとっては痛いアクシデントです。代わって入ったキャリックが中盤の真ん中をケアし、フィル・ジョーンズはCBに下がるのでしょう。

1-0で折り返したセカンドハーフ。開始早々、ダルミアンが後半頭から入ったカイル・ウォーカーを翻弄し、ペナルティエリア内で左に流れてラストパスを受けたエデルがフリー。左足シュートはジョー・ハートがセーブしますが、ジャギエルカの短いクリアをグラツィアーノ・ペッレに直接シュートされ、あわや2点めの危険なシーンでした。イングランドの反撃は52分、キャリックのパスに反応したハリー・ケインが右からニアを狙った彼らしいシュート。54分にもルーニーの落としに走り込んだギブスが左足で狙うなど、アウェイチームにチャンスが増えてきました。55分にウオルコットに代わって登場したロス・バークリーは、ゴールに絡むプレイを見せられるでしょうか。

64分、右から一気にペナルティエリアまでドリブルで突破したロス・バークリーはシュートに持ち込めず。71分、ギブスのロングパスが最前線のルーニーに通るも、渾身の一撃はブッフォンがセーブ。73分、右サイドから中に入れたハリー・ケインの危険なクロスは、ルーニーがDFより先に触ってコースを変えますが、惜しくも左ポストすれすれにアウト。カウンター中心のイタリアは、トップのインモービレを走らせてイングランド守備陣を脅かすものの、フィニッシュを枠に飛ばせません。78分、イングランドがついに同点に追いつきました。2人並んだイタリア守備陣が一瞬お見合いになったところを思い切りよく右足を振り抜いた、タウンゼントのミドルシュート。左のサイドネットを襲ったボールに、さすがのブッフォンも触れませんでした。

1-1となった後は、縦パスに抜け出したルーニーと、カイル・ウォーカーのボールを奪ったショートカウンターから左サイドを破ったアントネッリがゴール前でフリーでシュートするシーンがあったものの、両者ともフィニッシュが甘くゴールならず。追加タイム2分、ロス・バークリーが中央から持ち込み、ルーニーをポストに使ってハリー・ケインが右足で狙ったのが最後のチャンスでした。ブッフォンが慌てずこれをキャッチすると、間もなくタイムアップ。結果はドローながら、後半よかったイングランドにとっては収穫の多い一戦だったと思います。

ゴールこそなかったものの、ハリー・ケインとロス・バークリーはいくつかいいプレイを見せており、消える時間さえなくなればユーロでも充分通用するでしょう。懸念はウォルコットとナサニエル・クラインの守備の甘さで、彼らの穴が前半のイタリアにサイド攻撃を許す原因となっていました。やはりキャリックが入ると中盤が安定しますね。とはいえ彼は既に33歳。ライアン・メイソンなどがうまく後継者として育ってくれれば、ヘンダーソンが前でプレイできる時間が増やせるのではないでしょうか。イングランドの若手選手が成長すれば、プレミアリーグもさらに盛り上がります。同点弾を決めたタウンゼントを含め、トッテナム、エヴァートン、セインツの伸び盛りの選手たちに、引き続き注目していきたいと思います。

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