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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ここにきて負傷者続出。チャンピオンズリーグ出場権を争うマンチェスター勢、大ピンチ!

今週末は、プレミアリーグ33節とFAカップのセミファイナルがパラレルで開催される忙しい2日間です。本日は、プレミアリーグでは注目の上位対決、チェルシーVSマンチェスター・ユナイテッドが開催され、FAカップはレディングVSアーセナル。プレミアリーグは、土曜日の15時のゲームは「スタジアムで観てください」という意味合いで、現地でのライヴ放送は行わないのですが、この2試合はテレビ局が視聴率を稼ぎたかったのでしょうか。17時20分にウェンブリーでガナーズが試合を始めると、これをBBCが中継。その10分後にスタンフォード・ブリッジがキックオフとなり、こちらはスカイスポーツがライヴ配信です。ヴェンゲル監督が「両方とも注目の試合なのに、時間をずらせなかったの?」と文句をいっておりましたが、いや、ホントに。結果的には全クラブ敗退となったものの、チャンピオンズリーグが前後のミッドウィークに開催される週末で、調整が難しかったのはわかるのですが、いざ実際にかぶると悩ましいことこのうえなしです。

さて、そんな週末、楽しみにしていたスタンフォード・ブリッジのゲームですが、こちらはどうやら始まる前からチェルシーが圧倒的に優勢のようです。今季、チェルシーがホームで負けたのは、FAカップのブラッドフォード戦のみ。ただでさえ強いウェストロンドンでの試合なのに、マンチェスター・ユナイテッドは負傷者続出で、最終ラインは頭数が揃うか微妙な状態に追い込まれています。唾吐き事件で出場停止のジョニー・エヴァンスに加え、フィル・ジョーンズ、ロホが欠場。スタメンCBコンビは、スモーリングとマクネアとなる見通しです。そして左SBも、最近機能していたブリントが欠場。復帰してきたルーク・ショーが入るはずですが、アシュリー・ヤングとの連携がよかったブリントのようには振る舞えないかもしれません。

最大の激痛は、マンチェスターダービーで後半、ピッチを離れたキャリックのリタイアです。ああ、キャリック!最近、一部の日本のマスコミが、マンチェスター・ユナイテッドの好調について「戦術フェライニ」などと形容しておりましたが、とんでもない。試合をよく見てください。確かに、制空権を奪えてポストとして機能し、ハイクロスを決められるフェライニが効果的だったのは間違いありませんが、3月の上位対決を全勝するぐらいにマン・ユナイテッドのクオリティが上がったのは、キャリックが戻ってきてからです。マンチェスター・ユナイテッドは、決してフェライニにぶつけるだけのサッカーをしていたわけでなく、サイドでの連携やマタの前線への走り込みなど、攻撃のバリエーションが格段に増えていました。これを支えていたのが、中盤でボールを散らせるだけでなく、前の選手が空いた瞬間に強いボールを刺しにいけるキャリックのパスセンスでした。スウォンジーに敗れた後、彼が復帰したとたんにプレミアリーグ6連勝。イギリス紙の企画「過小評価されている選手ランキング」で堂々の第1位を飾ったセントラルMFの不在は、ルーニーにも埋めきれない大きな穴です。これによって楽になるセスクとマティッチのポジションは、20メートル以上、前になってしまうことでしょう。

今週、来週と、マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルがチェルシーとのシックスポインターに競り勝てば、プレミアリーグの優勝争いは最後までもつれると期待していたのですが、本日は、モウリーニョ監督のチームがタイトル獲得を確実にする日になる可能性のほうが大きそうです。ガナーズサポーターのみなさん、負傷者が多いとどうにもならないのは、みなさんのほうがよくご存じでしょう。申し訳ありませんが、クラブには悠々と2位を走っていただき、スポーツバーではFAカップ連覇に賭ける思いや、来季はどうやったら優勝できるかといった話題で盛り上がっていただければと思います。

さて、マンチェスターといえば、もう一方のマン・シティのほうもケガ人だらけで大変なことになっています。チャンピオンズリーグ決勝トーナメント、ラウンド16のファーストレグ。本拠地エティハドでバルセロナに衝撃的な敗戦を喫してからの彼らは、自信とモチベーションを失ったのか、その後の7試合を2勝5敗と絶不調。何としてもここで立て直して、プレミアリーグ5位のリヴァプールの追撃をかわしたいペジェグリーニ監督ですが、その言葉から漂ってくるのは悲壮感ばかりです。

「われわれは1つのクラブなのだから、サポーター、選手、スタッフがこれまで以上にひとつにならなければいけない。私たちにとって、プレッシャーとは優勝するために戦うことではなく、以前のパフォーマンスを取り戻すこと。今、頭の中にあるのは、日曜日のウェストハム戦のことだけだ」
「残り6試合に負けたら、勝った場合と同じ着地にはならない。今季を2位で終えるかもしれないし、8位かもしれない。シーズン終了前に、結果を分析することはできない」

ボニー、ヨヴェティッチ、クリシー、ミルナーを欠き、コンパニが今季絶望かもしれないという最悪のニュースまで入ってきているマンチェスター・シティの指揮官が状況を明るく語れないのは仕方がありません。しかし、こういう危機的な状況のときこそ、トップには冷静かつポジティブにコメントしていただき、ときには選手やファンを鼓舞するメッセージを発信してもらいたいものです。ペジェグリーニさんは、率直過ぎるのが弱点ではないでしょうか。8位などという言葉は口にしなければいいのにとハラハラします。

状況がよくないとき、余計なことをいわないヴェンゲル監督や、選手はリラックスしており優勝争いを楽しんでいるなどと盛り上げるモウリーニョ監督のほうが、1枚も2枚も上手だなと思います。日曜日、ウェストハムに勝てなければ、いよいよリヴァプールが足元に迫ってきます。来季、マン・シティは、チャンピオンズリーグの舞台に立つことができるのでしょうか。しっかり決着を見届けたいのですが、ああ…FAカップのリヴァプールVSアストン・ヴィラと30分、かぶってます。いやいや、こちらもヴェンゲル監督のいうとおりです。「両方とも注目の試合なのに、時間をずらせなかったの?」

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“ここにきて負傷者続出。チャンピオンズリーグ出場権を争うマンチェスター勢、大ピンチ!” への4件のフィードバック

  1. a より:

    ユナイテッド、大ピンチどころじゃなく、絶望ですよ、これでは…。シーズン初めみたいに若手でゴール前を固めて、あとはデヘア様にお願いするしかありません。攻撃は…どうしましょう?ここはひたすらディマリアの突破に賭けてみます?

    —–
    FAよ、ブリントを壊したコンパニに、5試合くらいの出場停止処分を!!

    とまあさておき、本当にどうしましょ。マクネアとブラケットでスモーリング挟んで、攻撃はひたすらカウンター?
    チェルシーは、順位的に前のめりになんてなりませんし、よくて0-0?

    あー、ますますコンパニとシティが嫌いになりましたw

  2. makoto より:

    Uボマーさん aさん>
    前にルーニー、ヤング、マタ。真ん中がフェライニとディ・マリア、キャリックの位置にエレーラ、最終ラインはバレンシア、ショー、スモーリング、マクネアでしょうか(サスペンデッドの選手はエヴァンスだけでしたよね?)。イケてないのに勝ってた年末を思い出す布陣ですね。守りを固めても勝てそうにないので、アザールにやられることは覚悟しつつの捨て身の攻め合いに持ち込む、というほうがよさそうです。ディ・マリアの突破に賭けてみる、という意味では、サイドに置くよりもインサイドハーフのほうがいいカウンターが出来るのではないかと思いました。

  3. por より:

    戦術フェライニ笑
    確かに良い活躍してるんですけどね…
    ユナイテッドはキャリックの後釜は誰で考えてるんでしょうか?

  4. makoto より:

    porさん>
    ブリントが最有力候補だったはずですが、ボスは不満があるのでしょうね。夏に獲りにいくのではないでしょうか。

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