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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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岡崎慎司も選出!スカイスポーツが選んだ「プレミアリーグ開幕週で活躍した新戦力10人」

プレミアリーグ開幕節の2大トピックスは、「強豪クラブの大苦戦」「新戦力のめざましい活躍」でしょう。チェルシーがスウォンジーに引き分けてしまったゲームは、クルトワの退場という事件もさることながら、1点ビハインドのシーンでゴール前で素晴らしい反応を見せ、倒れ込んだ状態からシュートを決めたFWアイェウのプレイが目を引きました。アーセナルが本拠地エミレーツでまさかの0-2敗戦を喫したゲームのヒーローは、中盤をわが物顔で支配し、先制点をアシストする絶妙なFKを蹴ったディミトリ・パイェでした。イギリスメディア「スカイスポーツ」は、彼らを含む「Premier League new signings: Ten hits from the opening weekend(プレミアリーグ開幕週に活躍した新戦力)」10人を選出。その顔ぶれのなかには、日本代表のストライカー・岡崎慎司の名前も挙げられています。

イギリスメディアの記者は、巧妙な移籍ゴシップを書いてわれわれプレミアリーグファンを惑わすという仕事ばかりをしているわけではなく、こと試合となるとディテールをよく見ています。サンダーランド戦で再三、スタンドから熱狂的な拍手を受けていた岡崎慎司は、「デビューゴールはCBカブールに阻まれたものの、チーム最高のパス成功率を誇り、相棒とのジェイミー・バーディとフィットしていた」と評されました。ゴールシーンがなかったにも関わらず、「印象的だった」と報じられたのは、岡崎の守備、パスワーク、オフザボールの動きが極めて質が高かったからだと思われます。人種差別発言で謝罪をするという事件を起こしたバーディーがどういう処遇となるのかはわかりませんが、右のマフレズや左サイドのシュルップが突破した際にもいいポジションをとっていた岡崎は、2トップの相棒が誰であっても近いうちにゴールを決めてくれるでしょう。次戦は敵地アップトン・パークでウェストハム。アーセナルを完封したチームの最終ラインを、岡崎慎司は崩すことができるでしょうか。この試合は楽しみです。

プレミアリーグ2015-16シーズンの最初のゲーム、マンチェスター・ユナイテッドVSトッテナムでプレイを評価されたのは、マンチェスター・ユナイテッドの右SBマッテオ・ダルミアンとアルゼンチン代表GKセルヒオ・ロメロ、そしてセインツから移籍したモルガン・シュナイデルラン。ダルミアンは、プレシーズンマッチでの戸惑いが感じられるプレイが嘘のように右サイドで堂々と振る舞い、攻守のバランスのとり方は最高でした。彼がバレンシアと代わった後、そのエリアをエリクセンやシャドリにいいように使われたことからも、いかに重要な選手だったかがわかります。前半はキックミスばかりが目立ったロメロも、終盤にはデ・ヘアに負けないビッグセーブを連発し、チームに勝ち点3をもたらしました。フルシーズン、ゴールマウスをまかせられるのかは今後を見てみないとわかりませんが、少なくともここぞというときの貴重な戦力として機能してくれるはずです。

注目のシュナイデルランは、プレミアリーグ本番を迎えてようやく彼らしいロングフィードを繰り出してくれるようになりました。中盤のしつこいチェイスとセンス溢れるパスコースのカバーリングは、キャリックやシュヴァインシュタイガーといったベテランの運動力が足りなくても、マン・ユナイテッドの中央の守備に落ち着きを与えてくれるに違いありません。願わくば、デ・ヘアの気持ちいい残留と大物CBの獲得を実現してほしいところではありますが、シュナイデルランやデルミアンらの活躍だけでも、プレミアリーグ4位という昨季を上回る順位は充分期待できます。

マンチェスター・シティを除く昨シーズンのプレミアリーグ上位が軒並み不振だったということは、逆にいえば中堅クラブの奮闘が目立ったということでもあります。スウォンジーのアイェウとウェストハムのパイェに加えて、「スカイスポーツ」がリストアップしたのは、クリスタル・パレスの中盤を仕切ってさっそく復帰ゴールを決めたヨアン・キャバイェ、こちらも開幕戦ゴールを決めたニューカッスルのオランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥム、アストン・ヴィラに0-1の勝利をもたらした決勝ゴールのリュディ・ゲステデです。

パーデュー監督に「いくつか素晴らしいセットプレイがあった。彼のフィジカルの強さが発揮された。ブリリアントなゴールを決めてくれた」とリスペクトされたキャバイェは、最前線のスペースに飛び出しマッカーサーのスルーパスを受けて完璧なゴールをゲットしました。ワイナルドゥムのヘディングシュートは、対戦相手のセインツのスペシャリスト、グラツィアーノ・ペッレに劣らない驚異的なジャンプ力によるもの。ベンテケ離脱で得点力ダウンが懸念されたヴィラのジュスティードは、CKに対して走り込んだコースとタイミングがバッチリでした。開幕週で不振だったトップクラブは、しばらくはジャイアントキリングを喰らう悪夢にうなされることになるかもしれません。

10人めの「プレミアリーグ new signings」は、ストークのウォルターズに必死で喰らいつき、コウチーニョの決勝ミドルにつながるパスを出したリヴァプールの左SB、18歳のジョー・ゴメスです。彼の奮闘がリヴァプールの未来を明るく照らすポジティブな要素だったのは間違いありませんが、10代といえば、もうひとり、開幕週のサプライズとして名前を残しておきたい選手がいます。ウェストハムの16歳MFリース・オックスフォード。”new signings”すなわち移籍組ではないので、今回のスカイスポーツの特集では触れられなかったのですが、アーセナル戦がプレミアリーグデビューだったオックスフォードのパス成功率は95%!ボールロストは1回だけという正確なプレイでメスト・エジルらのチャンスを摘み続け、アウェイでのジャイアントキリングに貢献しました。

いやー、おもしろいですね!これから出てくる若手や、移籍市場終盤で加入してくる選手も含め、今季のプレミアリーグにはキャラが立った注目選手が続々登場するはずです。そんななかで、目の肥えた記者に評価されている岡崎慎司は本当に素晴らしいと思います。がんばれ。次戦こそ、初ゴールを!

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“岡崎慎司も選出!スカイスポーツが選んだ「プレミアリーグ開幕週で活躍した新戦力10人」” への2件のフィードバック

  1. グローリーグローリー より:

    この時期を沸かせた新星は気付いたらいなくなってたなんてことが多いですが、今季の開幕戦で活躍した選手達は実績のある選手が多いので例年と少し勝手がちがいますかね
    特に中堅クラブがそれこそ社運をかけて獲りに入った選手達が軒並み活躍しているので満遍なく資金が潤沢になっていってるプレミアリーグの底上げが一気になされる予感がしてプレミアリーグファンとしては嬉しいです。上位クラブはもう開幕戦みたいなしょっぱいフットボールしてられませんね。

  2. makoto より:

    グローリーグローリーさん>
    同感です。下からの突き上げで上も強くなり…と、いい循環が起こるといいですね。

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