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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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2人のプレーメイカーに注目!エヴァートンに招かれたランパードが解決すべき3つの課題。

ヴィタリー・マイコレンコ、ネイサン・パターソン、アンワル・エル・ガジ、ドニー・ファン・デ・ベーク、デル・アリ。フランク・ランパードを招聘して巻き返しを図るエヴァートンにとって、手応え充分のマーケットだったのではないでしょうか。ディナモ・キエフから獲得したマイコレンコは、ベニテスとケンカして出ていったデューニュの穴を埋める「やむなし補強」でしたが、2人のプレーメイカーが本領を発揮してくれれば、復活の道筋が見えてきます。

プレミアリーグ20試合5勝4分11敗、10月以降は1勝3分10敗。「スカイスポーツ」のベン・グラウンド記者が、スタッツ分析によってエヴァートンの課題を明確にし、ランパードが成すべきことを示しています。最初のテーマは、「スロースタートの改善」です。今季プレミアリーグで先制点が4つしかなく、3ゴールのノリッジよりひとつ上の19位。相手に先制を許した試合が15もあり、こちらも19位です。

ハーフタイムで勝敗が決まるとすると、勝ち点13でプレミアリーグ最下位。24ゴールのうち、前半に決めたのはたったの5ゴールで、後半に19ゴールというスロースターターです。早期に改善すべきポイントは、CKにおける守備。8失点と得失点差マイナス5はいずれも18位で、彼らより悪いのはマイナス7のクリスタル・パレスと、ビハインドが6点のレスターのみです。

ランパードの仕事は、「日替わり最終ライン」を廃して主軸を固定することと、セットピースの際の約束ごとを明確にすることでしょう。ローテンションでゲームに入る悪癖を消しつつ、中盤の底にできるスペースの埋め方も考えなければなりません。デルフとドゥクレは復帰まで4週間ほどかかるようで、当面のキーマンはアランとグバミン。負傷が回復しつつあるトム・デイヴィスの蘇生も、新監督の重要なミッションです。

守備を落ち着かせることができれば、次なるテーマは前に移ります。ドニー・ファン・デ・ベークとデル・アリがいかに的確な補強だったかを物語るのは、昨季プレミアリーグにおけるチャンスメイクの数字です。ディーニュが46回、シグルズソンが44回、ハメス・ロドリゲスが40回。中盤の創造性を失ったエヴァートンは、タウンゼントとデマライ・グレイが仕掛ける速攻に依存していました。

マンチェスター・ユナイテッドとスパーズでくすぶっていたMFが機能すれば、カルヴァート=ルーウィンとリシャルリソンのゴールシーンを増やせるはずです。「スカイスポーツ」の記者は、アヤックス時代のファン・デ・ベークのスタッツを紹介しながら、「ランパードは10番のポジションでプレイさせるだろう」と予想しています。

最終ラインの整備と新たなプレーメイカーの導入を終えたら、仕上げは「ストレスを溜めているサポーターをポジティブにする」。2016年にファルハド・モシリが筆頭株主になって以来、トランスファーマーケットで5億ポンドを費やしながら、プレミアリーグの平均順位は10位という微妙なポジションです。

コンセプトが見えない戦力増強に対して、「経営ボードをバラせ」「ビル・ケンライト(会長)は出ていけ」といった罵声が浴びせられています。タミー・アブラハムやメイソン・マウントを成長させたランパード監督には、アンソニー・ゴードン、エリス・シムズ、タイラー・オニャンゴ、ジャラッド・ブランスウェイト、ネイサン・パターソンといった若手の育成も期待したくなりますが、まずやるべきは勝って勝って勝つことです。

不評だったベニテスの後を継いだ若き指揮官は、解任ブーストを起こすことができるでしょうか。新戦力がフィットすれば、好調ハマーズに伍するレベルには到達するはずです。プレミアリーグの最初のゲームは、ニューカッスルとの大型補強対決。ランパード監督が選ぶ先発メンバーに注目しましょう。


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