「ベンテケのゴールはオフサイド」…プレミアリーグが誤審を認める異例の声明!
件のゴールについてリプレイしてみましょう。シーンは、21分に右サイドでヘンダーソンがボールをキープしたところから始まります。リヴァプールのキャプテンが右足でクロスを入れると、ゴール正面ややニア寄りでオフサイドポジションにいたコウチーニョが足を伸ばすもボールに触れず。流れてきたボールを、ファーサイドに走り込んだベンテケがボレーで仕留めました。結局、これが唯一のゴールとなり、リヴァプールが勝ち点3を獲得。ボーンマスのエディ・ハウ監督は、「あの決勝ゴールは、新ルールでは明らかにオフサイドだ。GKは目の前の選手に影響を受けていた」と不満を表明。いつもなら、ここまでで話は終わってしまうところでした。
プレミアリーグとハウ監督がいう「新ルール」について、簡単におさらいをさせていただきます。従来はオフサイドを取られなかったプレイについて、今季からのルールでは「オフサイドポジションにいる選手は、ボールに触れなくても関与したと見做されれば、相手選手に影響を与えたとしてオフサイドを取られる」ことになります。プレミアリーグは、個別事例にコメントすることのリスクより、関係者に周知徹底させることの重要性を取るべきと考えてリリースを出すに至ったのでしょう。彼らはゴールは認められるべきではなかったとしながらも、試合結果については「今回は既にジャッジが下されているため、強制的に結果を正すことはしない」としています。
ボーンマスのサポーターにしてみれば、「ゴールを認めないならドローにしてくれ」といいたいところですが、「あのゴールがなければ引き分けだった」というのはいかにも乱暴です。飲み屋でサッカー談義をしているぶんにはいいと思うものの(私も、酔いがまわるとときどきいいます)、「あのゴールがなければ別の試合になっていた」というのが正しい解釈でしょう。0-0なら、ロジャース監督はコウチーニョをアルベルト・モレノに代えるという采配はとらなかったはずです。また、「再試合をする」というのは一見フェアですが、クラブや選手たちに罪がないにも関わらず、がんばった選手が出したスコアをゼロにしたうえに他クラブよりもスケジュールをタイトにさせてしまうのも、いい裁定とはいえません。どれをとってもモヤモヤする話ではありますが、ここは「サッカーはレフェリーのジャッジが絶対である」という原則に基づいた着地にさせるのが、いちばんおさまりがいいのだろうと思います。そうなると重要なのは「再発防止」です。
私は、試合の流れを止めてしまうビデオ判定には懐疑的だったのですが、もはやそうもいっていられない状況のようです。テニスにおけるチャレンジシステムのように、1試合に何回か異議申し立ての機会を認めるという方法もありますが、一方では複数の選手がレフェリーを取り囲んだらイエローカードというように抗議をなくす方向に舵を切っているので、全体的な整合性のなさが気になります。相撲の「ものいい」などはいかがでしょうか。ピッチサイドに複数のビデオレフェリーを控えさせて、ゴールシーンとカードが出たシーンについてのみ、判定が妥当でないとみたビデオレフェリーが主審に知らせるという仕組みです。「文句いったもの勝ち」にならず、試合を止める時間が減らせそうなこちらのほうが、よりスムーズなのではないかと思いました。システムの導入は専門家の判断にまかせるべき話ですので、「絶対これがいい」と推すわけではないのですが、いずれにしても何らかの改革が必要だという認識です。
今回、プレミアリーグがオフィシャルに非を認めたこと自体はいいことだと思います。これを契機に、誤審をなくすべく具体的な動きが出てくればと期待しています。今季、ボーンマスが勝ち点1差でプレミアリーグ残留を果たせなかったなどということがあれば、非常に残念ですので。
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柔道でたしか同じようなことやって始めは判定覆りまくって選手が混乱してましたよね。
今はどうなっているかはわかりませんが。
自分はゴールシーンのみアメフトみたいに第4審判と、別の場所にいる審判団に意見を仰ぐことで審判の責任が緩和され、より良い精神状態でジャッジできるのではと考えました。
ただこのような制度ができるとゴールが認められるかどうかのプレーには基本的に笛は吹かなくなるでしょうね。
テニスみたいなやり直しも難しいですし。
ビデオレフェリーとてもいい案だとおもいます
コパアメリカのカバーニとハラの件であったり審判が見ていないトラブルも防いでほしいですね
リヴァプールといったら昨シーズンFAカップブラックプール戦のアンドレマリナー主審の贔屓びいたジャッジが印象に残ってます