プレミアリーグからは3クラブがランクイン!2015-16シーズン・欧州クラブの移籍金ランキング
「BBC」がレポートした各国の移籍金総額では、テレビ放映権収入が大きいプレミアリーグが突出しており、総額8億7000万ポンド(約1600億円)は500億円台だったブンデスリーガの3倍以上、750億円弱と同水準だったセリエA、リーガ・エスパニョーラの倍以上です。とはいえ、プレミアリーグは昨シーズン対比でいえば104%と微増に留まっており、デブライネとスターリングに100億円に近い額を払ったマンチェスター・シティの投資額が3倍以上に膨れ上がったことを考えれば「意外とおとなしかった」といってもいいでしょう。
フリーエージェントの選手をうまく引き入れたリヴァプールは、220億円をかけた昨夏から大きくダウン。チェルシーの補強は、フィリペ・ルイスの代役としてアブドゥル・ラーマン・ババ、チェフをベゴヴィッチ、ドログバをファルカオにスイッチした以外はケネジとペドロぐらい。昨季は150億円以上の投資があったアーセナルはチェフしか獲らないという前代未聞の現状維持を貫き、トッテナムの中盤より前は大きく減っています。プレミアリーグで活況だったのは中堅クラブ以下で、ストーク、クリスタル・パレス、ウェストハムの補強は少し前ならトップクラブにしかできなかった戦力増強で、昇格したばかりのワトフォードは新戦力だけで1チーム作れるぐらいの勢いです。マンチェスター勢が若い選手の相場を引き上げてしまった一方で、中堅クラブはリーグ・アンやエール・ディヴィジの国内取引の2~3倍の額を事もなげに払っており、放映権バブルが続く間はこの傾向は変わらないでしょう。
TOP10の話に戻りましょう。プレミアリーグとスペイン以外では、資本が入ったACミランと、買い取りオプションなどやりくりを極めたインテルが上位に入ってきたのが目につきます。今季の彼らは欧州とは無縁ですが、来季以降はCLやELの舞台に戻ってくるでしょう。プレミアリーグのトップクラブが「中堅以下が強い→リーグ戦でメンバーを落とせず全力投球→タイトなスケジュールで疲弊→欧州惨敗」といったスパイラルにはまると、早晩イタリアにやられるのではないかと思います。今回も、いろいろ考えさせられる移籍市場レポートでした。
【2015-16トランスファーマーケット 投資額ランキング】※金額は推定
1位/マンチェスター・シティ 2億438万ユーロ(約286億1320万円)
⇒デブライネ(ヴォルフスブルク)、スターリング(リヴァプール)、オタメンディ(バレンシア)
2位/バレンシア 1億4200万ユーロ(約198億8000万円)
⇒ネグレド(マンチェスター・シティ)、ロドリゴ(ベンフィカ)
3位/アトレティコ・マドリード 1億3950万ユーロ(約195億5300万円)
⇒ジャクソン・マルティネス(FCポルト)、サビッチ(フィオレンティーナ)、ビエット(ビジャレアル)
3位/マンチェスター・ユナイテッド 1億3950万ユーロ(約195億5300万円)
⇒マルシアル(モナコ)、シュナイデルラン(サウサンプトン)、デパイ(PSV)、シュヴァインシュタイガー
5位/ユヴェントス 1億2740万ユーロ(約178億3600万円)
⇒ディバラ(パレルモ)、マンジュキッチ(アトレティコ・マドリード)、エルナネス(インテル)
6位/パリ・サンジェルマン 1億1610万ユーロ(約162億5400万円)
⇒ディ・マリア(マンチェスター・ユナイテッド)、トラップ(フランクフルト)
7位/リヴァプール 1億1191万ユーロ(約156億6740万円)
⇒ベンテケ(アストン・ヴィラ)、フィルミーノ(ホッフェンハイム)、ミルナー(マンチェスター・シティ)
8位/ACミラン 9097万ユーロ(約127億3580万円)
⇒バッカ(セビージャ)、ロマニョーリ(ASローマ)、ベルトラッチ(ASローマ)
9位/レアル・マドリード 8950万ユーロ(約125億3000万円)
⇒コヴァチッチ(インテル)、ダニーロ(FCポルト)、カシージャ(エスパニョール)
10位/インテル 8645万ユーロ(約121億300万円)
⇒コンドグヴィア(モナコ)、ペリシッチ(ヴォルフスブルク)、ヨヴェティッチ(マンチェスター・シティ)
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