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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

あまりに消極的だった屈辱のダービー。18位転落のエヴァートンが抱える課題は…!?

リヴァプールとのマージーサイドダービーは、2-0で完敗。よくあるスコアですが、ポゼッション17%とパス成功率54%は屈辱です。「BBC」のフィル・マクナルティ記者によると、「Opta」の計測開始以来、17%はプレミアリーグで2番めに低い数字とのこと。ひたすら耐えて、カウンター1発に賭けたエヴァートンは、ロバートソンとオリギにゴールを許して撃沈しました。

攻撃戦術は、アンソニー・ゴードンのドリブルのみ。右のウイングを託されたデマライ・グレイが成功させたパスは3本しかなく、アランに至ってはパス5本のうち成功が1本という衝撃的なスタッツです。全員足しても173本で、ファン・ダイクとマティプの182本を下回っています。91分にリシャルリソンが放ったミドルが、唯一のオンターゲット。彼らに勝つチャンスはなかったといい切っても、乱暴ではないでしょう。

完敗したエヴァートンは、ついに降格ゾーンの18位に陥落。残り6試合で、バーンリーの上にいけなければ、71年ぶりにトップリーグに別れを告げることになります。

就任以来のプレミアリーグ12試合で3勝1分8敗のフランク・ランパード監督は、スカッドを言い訳にはできません。冬のマーケットで獲得したマイコレンコ、デル・アリと、ローン移籍のファン・デ・ベーク、エル・ガジはいずれも即戦力です。最大の問題は、半分の6試合がポゼッション40%以下という消極的な戦い方だと思われます。

ランパードの下でゲットした10ゴールを見ると、PKが2本でオウンゴールが1回。残りの7発は、ゴードンが2発、リシャルリソン、マイケル・キーン、ホルゲート、コールマン、イオビです。速攻とセットピース以外のゴールが少ないのは、縦に急ぎすぎるからでしょう。

中盤でタメを作れるファン・デ・ベークは、ゴールシーンに絡めないまま負傷リタイア。違いを生み出せるデル・アリは未だフィットせず、プレミアリーグの先発は1回のみです。3-4-3、4-4-2、4-2-3-1、4-3-3。目まぐるしく変わるフォーメーションを選手は消化しきれず、安全重視ですぐに長いボールを蹴ってしまうため、パスワークに長けたタレントが空回りしています。パス本数11134本はリーグ19位で、下にいるのは残留を争うバーンリーだけです。

トニー・ピューリス、サム・アラダイス、ロイ・ホジソン…かつてプレミアリーグで「残留請負人」として名を馳せた指揮官たちには、「まずは守備の整備」「ひたすら走らせる」「シンプルな戦術を徹底」という共通項がありました。傷んでいたチームにハードマネジメントを持ち込んだフランク・ランパードは、すべてにおいて彼らの逆をいっているように見えます。

監督経験3年半でこのミッションは、荷が重かったのかもしれません。チェルシー、レスター、ワトフォード、ブレントフォード、クリスタル・パレス、アーセナル。3ポイントを期待できるのはワトフォードぐらいですが、イングリッシュ・フットボールリーグ創設時の12チームのひとつだった古豪は、窮地を脱することができるでしょうか。ショーン・ダイクが去ったバーンリーは、直近3試合を2勝1敗と解任ブーストがかかっていますが…!?


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