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香川真司の放出は失敗⁉ 本田圭佑はウェストハム?プレミアリーグ関連の日本人選手トピックス

サッカー選手も監督も大変です。まるで企業の株価のように日々めまぐるしく評価が変わり、昨日世界一といわれた選手が、2ヵ月後には酷評されていたりします。プレミアリーグ10節のボーンマス戦で素晴らしいハットトリックを決めたハリー・ケインを不振だという人はいなくなりました。天国から地獄に落ちるのは、2ヵ月もあれば充分だとモウリーニョ報道が教えてくれており、逆に天国に駆け上がるのも意外と速いと香川真司が示してくれています。トゥヘル新監督のドルトムントで「ファンタスティック4」の一角を形成している日本代表MFは、マルコ・ロイスやオーバメヤンとの息がぴったり。先週のアウグスブルク戦の3アシストはエジルやダヴィド・シルヴァもびっくりの多彩な崩しで、ハットトリックのオーバメヤンと同等の評価を受け、公式戦通算6ゴール8アシストと再ブレイク中です。この活躍に熱狂しているのはドイツのサポーターばかりではなく、どうやらプレミアリーグファンも敏感に反応しており「シンジ・カガワもったいなかった論」まで出ているようです。

当地のみなさんが、暇つぶしがてら読んでいるイギリス紙「メトロ」の記事なので、明るく楽しく受け取るのが正解ですが、同紙がファンにとったアンケートでは、「91%の人が香川の放出を失敗だったと思っている」そうです。なぜか「メトロ」は異様にテンションが上がっており、彼らのサイトでは、DFBポカールで決めた香川真司のループシュートを「Let’s all take a minute to appreciate this Shinji Kagawa goal for Dortmund(みんな、シンジ・カガワのドルトムントでのゴールを評価するために1分だけ時間をくれよ)」と動画までつけて紹介。このシュートは、左サイドからワンツーで中に入って決めたものなのですが、

「香川は世界で最高の選手の1人だけど、マンチェスター・ユナイテッドで左MFとして20分しか出ていない。心が壊れそうだ。涙が出るね。香川のベストポジションは真ん中だよ」

という恩師ユルゲン・クロップさんの以前のコメントを引用するという若干矛盾した構成で香川を称えています。「プレミアリーグが合ってない」という声もあるようですが、私は、香川真司については「モイーズ監督がうまく使えなかった」「チームを変えなきゃと焦っていたファン・ハールさんが早まった」という問題だったのだと思います。現在の彼は、左のインサイドハーフとして起用されることが多く、いわゆるトップ下でなくても充分機能…すみません、プレミアリーグからの目線でいえば、終わった話ですので、今さらですね。

とはいえ、今でも思うのは、クラブに残っていれば、エレーラやフェライニがそうであるようにファン・ハール監督は再評価したのではないかということと、マタをサイドに固定してシュヴァインシュタイガーとキャリックがいる現在のチームなら、充分活躍できたのではないかということです。「たら・れば」はこのぐらいにしておきましょう。マンチェスター・ユナイテッドサポーターとしては、クラブの苦しい時期にがんばってくれた選手が、新しい場で活躍しているのを見るのは喜ばしいことです。

さて、もうひとつの話題は、またもや日本人選手がプレミアリーグに来るのではないかという話です。西武ライオンズではなく、ACミランの本田圭佑。ミハイロヴィッチ新監督のチームで、出場機会が激減している日本代表のゲームメーカーは、ウェストハムが500万ポンド(約9億3000万)で獲得をもくろんでいると報じられています。夏にはリヴァプールやトッテナムが狙っているという話があり、こちらは移籍金の額も含めて株価下落感が漂っていますが、司令塔パイェ、運動量が多いランジーニ、縦に走れるヴィクター・モーゼスやサラテのいるチームがほしがるでしょうか。パイェが元気な限りは中央で出られる可能性はほとんどなく、「足元にほしがるサイドMF」は、マタの創造性、アザールの突破力といった突出した何かがなければ、プレミアリーグでは好まれません。「ロンドン・イブニングスタンダード」の記事を「サン」の電子版がライトなトピックスとして拾った、といった流れなのだと思われますが、ラメラに移籍報道があって後釜探しをしていると伝えられていたトッテナムのとき以上にピンとこない話です。

このネタの真偽はともかく、はっきりしているのは、イタリアもイギリスも、ミランにおける本田圭佑の未来に悲観的であるということ。彼にとっては「憧れだったミラン」ですので、巻き返しに期待してはいるものの、メディアを使ってチーム批判をしたと報道された選手はなおのことゴシップのネタになりやすく、しばらくは移籍話はなくならないでしょう。株価を再度上げるには、ハリー・ケインやアレクシス・サンチェスがハットトリックで不振報道を消し去ったように、わかりやすい結果を出すしかありません。といいつつ、現在プレミアリーグ得点王争いでぶっちぎりトップのジェイミー・ヴァーディのような爆発的な結果を出すと、今度はレアル・マドリードやパリの名前で移籍ゴシップが出て…。外から見ているぶんには楽しいのですが、何かと騒がしい欧州サッカー界ではあります。

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“香川真司の放出は失敗⁉ 本田圭佑はウェストハム?プレミアリーグ関連の日本人選手トピックス” への5件のフィードバック

  1. シティさぽ より:

    本田のことは好きですが
    シティなどの放送枠が減ることになるとおもうので
    できればやめてほしいです

  2. しん より:

    機会は多くなかったですが、キャリック、ルーニー、マタと一緒に出てる時はすごい可能性を感じました。
    あと、あまり悪く言いたくありませんが、ファンペルシーの存在も香川にとって誤算だったと思います。結果は出してましたが、ペルシーは「ボックス付近でパス回しなんてせずに、決めるから早く俺に渡しとけ」って感じでしたから、、、

  3. MUFC-7 より:

    プレミアのフィジカルや速さに香川は自信を失って積極性のないプレーばかりでした。バックパスか横パスしかしてないイメージでしたよ。マタ、エレーラ、フェライニなど上手くプレミアに適応している選手達を押しのけてのユナイテッドでの再ブレイクなどなかったでしょう。彼の好きな真ん中には壁が多すぎました。勿体なかった…とか色々言う人たちはもう一度、KAGAWAの出ているユナイテッドでの試合を見直すべきですね。

  4. makoto より:

    シティさぽさん>
    その視点は、気にされている方が多いですよね。ただでさえ、今夜もディレイ放送連発で大渋滞。意志持って拾いに行かないと、トッテナムの試合を観る機会は激減してしまいます。

    しんさん>
    特にルーニーとキャリックとのやりとりには可能性を感じました。シュヴァインシュタイガーやエレーラと中央で絡めれば…などと妄想してしまいます。ファン・ペルシは、実際そうでしたね。現地で試合観ましたが、香川に限らず「もらったら打つ」しかなかったので。ただし当時は、彼は素晴らしい状態だったので、それでも勝てたのも確かです。

    MUFC-7さん>
    「もったいない」と語っている人は、「KAGAWAの出ているユナイテッド」の試合を評価しているわけではなくて、「これだけクオリティのある選手の能力を引き出す術はなかったのか?」と思っているのでしょう。プレミアリーグとの相性云々というよりは、モイーズ監督時代の混乱のなかで自分を発揮できなかった、という印象が強いです。1年めはまずまずだったのに、2年めは、ほとんど真ん中に入れなかったですからね。アザールほどの活躍をした選手でも、自信を失えばプレイの質が落ちてしまうわけで、うまく使ってもらえればブレイクする可能性がなかったわけではないのではないか、と前向きに捉えていました。どこまでいっても「れば・たら妄想」ですが、私も「ファン・ハールサッカーのなかで香川がどうなるか、観てみたかったなあ」と残念に思ってます。

  5. 実はグーナー より:

    確かに本田が来て生放送枠がそこに割かれるのはキツイですね
    ガナーズは早速レスターに取られちゃいました
    PCで観れるけどさぁって感じですね

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