優勝グッズをフライング販売、便乗商法…地元開催の「レスター祭り」は5月まで続く!?
プレミアリーグ32節のセインツ戦後、「スカイスポーツ」のインタビューに応えたレスターのラニエリ監督のコメントです。「シンプソンのプレイはハンドで、PKとレッドカードだ」と主張したクーマン監督に対して、至近距離だったからねとやり過ごしたプレミアリーグ首位チームの監督からは冷静さが感じられますが、地元はヒートアップする一方です。
セインツ戦では、オーナーのヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏の4月4日のバースデーを祝い、キングパワースタジアムに来場したすべてのレスターサポーターに、シンハービールとクリスピー・クリーム・ドーナツをプレゼント。クラブは「選手、スタッフ、オーナーとファンのつながりは、この信じられないようなシーズンにおいて不可欠なもの」とメッセージしました。スタジアムと駅周辺では、既にプレミアリーグ優勝グッズが売られており、「プレミアリーグ・チャンピオンズ」という文字がデカデカと入ったマッチデースカーフがあったとのこと。ラニエリ監督は常から、「ファンは夢を見続けるべきだ」といっておりますが、夢を現実のグッズにしてしまうのは、残り6試合というタイミングは時期尚早でしょう。
さらに、こういうときに便乗商法が出るのは世界共通のようです。昨秋、レスターの守備が今ほど堅くなかった頃、「クリーンシートを達成したら選手たちにピザをおごる」とラニエリ監督が宣言し、1-0で勝った10節のクリスタル・パレス戦後にピザパーティーを開いた話からひらめいたのでしょうか。「W.Archer & Son」という地元の肉屋さんが、イタリアンテイストのソーセージに「ラニエリ」と名付けて売っていたそうで、これがセインツ戦直前の会見で指揮官にプレゼントされたそうです。「目の前にいる鮫たち(報道陣)にもあげてよ」「ニンニクがきついね」と笑っていたラニエリさんに対して、泣いているのはブックメーカーです。
「ウィリアム・ヒル」の広報を担当するシャープ氏は、レスターが優勝した場合、イギリスのブックメーカーが支払う総額は1400万ドル(約16億円)になると試算しているそうです。「スポーツ関連のベットで、5000倍が当たるなどということはない。他のスポーツなら、優勝候補でなくても、プレミアリーグの弱小クラブよりは勝つチャンスがあるとみられるので、5000倍というオッズはそもそもつかないからだ」などとラスベガスのカジノのディレクターまでがコメントを求められる大騒ぎとなっています。
イギリスメディアもレスター特集が増えており、新聞はこぞってプレミアリーグ首位チームにまつわるさまざまなデータを紹介しています。直近では、4戦連続の1-0勝利は2013年のリヴァプール以来。今季の32試合のうち29試合でゴールを挙げており、これはプレミアリーグ最多。レスターの選手の給与総額は4820万ポンド(約82億円)で全体の17位でしかなく、マンチェスター勢やアーセナル、チェルシーの4分の1以下。今季の勝ち点69に対して、昨季の同時期は勝ち点19で最下位。4月以降の9試合を7勝1分1敗と巻き返してプレミアリーグ残留を決め、その勢いのまま現在はトップに立っているレスターは、この1年を27勝10分4敗の勝ち点91で走っており、73のトッテナムとアーセナル、72のマンチェスター・シティが遠く及ばないぶっちぎりの強さ…。こうやって数字を並べると、やはり迫力があります。
思い出せば昨夏、ナイジェル・ピアソン監督の辞任、カンビアッソ退団などが報じられた時は、ラニエリという名前のソーセージが売られることになるとは誰も想像できず、むしろ「今季こそ最下位」という予想のほうが多数派でした。それからたった8ヵ月で世界は激変。地元のみなさんの熱狂はとどまるところを知りません。実際に、優勝したらどうなっちゃうのでしょうか。いや、このまま5月まで続くんですか?レスター祭り!?
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