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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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U-21ユーロ惨敗から1年…イングランドの未来を担う若手選手・2015-16シーズンの明暗

本日まで、フランスにてトゥーロン国際大会が開催されておりました。来年には50周年を迎える伝統の大会は、FIFA公認のトーナメントとなってから29年。2007年まではU-21、その後はU-23が対象となっており、過去にはパパン、シアラー、アンリといった錚々たる顔ぶれが大会得点王となっています。ホスト国フランスと、招待された9ヵ国がA・B2つのグループに分かれてリーグ戦を戦い、各グループ1位が決勝へ、2位が3位決定戦にまわるというレギュレーション。プレミアリーグの選手が中心ながら、ユーロの準備と重なるために若干格落ち気味のメンバーを揃えたイングランド代表は、Bグループ4連勝でファイナル進出。フランスとの決勝戦は、ベイカーとロフタス=チークのチェルシーコンビがゴールを決めて2-1で勝利。この大会での優勝は、22年ぶりです。

片やユーロの暫定代表メンバーには、トゥーロンに滞在しているメンバーと同世代が6人選出されています。22歳になったばかりのジョン・ストーンズ、同い年のハリー・ケインとロス・バークリー、21歳のスターリング、20歳のデル・アリ。二段階飛び級の18歳FWマーカス・ラシュフォードは本大会メンバーに選ばれそうな勢い。プレミアリーグで活躍している彼らを見ていると、イングランドにおけるここ数年の若手育成が実を結びつつある実感があります。しかし一方で、昨夏のU-21ユーロに出場したメンバーと、トゥーロンの顔ぶれが大きく変わったために「伸び悩んでいる若手も相当数いるのではないか?」と気になりまして、以下にそれぞれの代表選手を並べてみる次第です。まずは、U-21ユーロのメンバーから見てみましょうか。優勝候補とまでいわれながら、ポルトガルとイタリアに敗れてグループ最下位に終わった22人は、この1年の明暗がくっきり分かれました。

【U-21ユーロ2015 イングランドU-21代表メンバー】
※所属クラブは当時(レンタルされていた選手は元の所属)
※赤字はイングランドフル代表招集経験あり、青字はトゥーロン国際の代表選手
GK:
マルクス・ベティネリ(フラム)、ジョナサン・ボンド(ワトフォード)
ジャック・バトランド(ストーク)

DF:
カラム・チャンバース(アーセナル)
ルーク・ガバット(エヴァートン)
ベン・ギブソン(ミドルスブラ)、カール・ジェンキンソン(アーセナル)
マイケル・キーン(バーンリー)、リアム・ムーア(レスター)
ジョン・ストーンズ(エヴァートン)
マット・ターゲット(サウサンプトン)

MF:
トム・キャロル(トッテナム)、ナサニエル・チャロバー(チェルシー)
ジェイク・フォースター=カスキー(ブライトン)
ウィル・ヒューズ(ダービー)、ルベン・ロフタス=チーク(チェルシー)
ジェシー・リンガード(マンチェスター・ユナイテッド)
アレックス・プリチャード(トッテナム)、ネイサン・レドモンド(ノリッジ)
ジェームス・ウォード=プラウズ(サウサンプトン)

FW:
サイド・ベラヒーノ(WBA)、ハリー・ケイン(トッテナム)
ダニー・イングス(バーンリー)

最もブレイクしたのが、前シーズン後半の活躍からさらなるレベルアップを果たしてプレミアリーグ得点王に輝き、フル代表でも今やエースと目されているハリー・ケインであることに異論はないでしょう。負傷さえなければユーロのメンバーに選ばれていたバトランド、マンチェスター・ユナイテッドでプレミアリーグ25試合4ゴールのリンガード、33試合に出場したセインツのウォード=プラウズも順調です。チェルシーのロフタス=チークとスパーズのトム・キャロルもまた、錚々たる選手に囲まれながら、まずまずのシーズンを過ごしたのではないでしょうか。そうでした。ハリー・ケインに次ぐ成長株、ノリッジで35試合6ゴールのレドモンドを忘れてはいけません。ベン・ギブソンは、プレミアリーグに昇格したミドルスブラでシーズン後半にレギュラーに定着しており、来季のお目見えが楽しみな選手です。

伸び悩み感があったのは、高評価ながらも好不調の波が激しかったエヴァートンのジョン・ストーンズ、プレミアリーグで4ゴールに終わったベラヒーノ。チャンバースはフル出場2試合とガナーズに貢献できず、U-21では他国のSBが子どもに見えるぐらいの素晴らしいプレイを披露するジェンキンソンも、ケガがあったとはいえレンタル先のハマーズでもうひと皮むけてほしいところでした。2013年にイングランド年間最優秀ユース選手に選ばれたチェルシーMFチャロバーは、修業先のナポリで途中出場5試合に終わっています。アレックス・プリチャードは7ヵ月、ダニー・イングスは大半の時間を負傷で棒に振っており、来季の巻き返しに期待したいところです。

さて、次はトゥーロンのメンバーを見てみましょう。U-21ユーロから引き続き、代表に入っている選手は6人。セインツ育ちがチャンバースを入れて4人。フィテッセでレギュラーポジションをつかんで30試合5ゴールとまずまずの成績を残したルイス・ベイカー、チャンピオンシップのブレンドフォードで27試合8ゴールのジョン・スウィフトと、レンタルで修業に出ていた選手を含む4人がチェルシーです。

【トゥーロン国際 イングランドU-21代表メンバー】
※青字はU-21ユーロの代表選手
GK:
ジョーダン・ピックフォード(サンダーランド)
アンガス・ガン(マンチェスター・シティ)

DF:
ドミニク・ヨルファ(ウルヴス)、マット・ターゲット(サウサンプトン)
カラム・チャンバース(アーセナル)、コートニー・ハウゼ(ウルヴス)
ジャック・スティーヴンス(サウサンプトン)
ロブ・ホールディング(ボルトン)、ベン・チルウェル(レスター)

MF:
ナサニエル・チャロバー(ナポリ)、ルイス・ベイカー(フィテッセ)
ジェームズ・ウォード=プラウズ(サウサンプトン)
ルベン・ロフタス=チーク(チェルシー)
マット・グライムス(スウォンジー)、ジョン・スウィフト(チェルシー)

FW:
ダンカン・ワトモア (サンダーランド)、コーリー・ウッドロウ(フラム)
ネイサン・レドモンド(ノリッジ)、ケイシー・パーマー(チェルシー)
ジャック・グリーリッシュ(アストン・ヴィラ)

来季、プレミアリーグデビューを果たしそうなのは、リヴァプールが狙っていると噂のレスターSBベン・チルウェル。187センチと規格外の右SBで、スピードが自慢のドミニク・ヨルファは、プレミアリーグのクラブから声がかかるのではないでしょうか。逆に窮地に追い込まれたのは、出場16試合全敗という珍記録を作ってしまったヴィラの悪童ジャック・グリーリッシュです。不本意な1年でしたが、トゥーロンでは、ギニア相手にハットトリックを達成したウッドロウや、レドモンド、ベイカーと競うように2ゴールを決めており、この勢いで2016-17シーズンには持てるポテンシャルを発揮していただければと思います。若手選手、悲喜こもごも。順調にトップレベルに上がってくるのは、ほんのひと握りの厳しい世界です。(ナサニエル・チャロバー 写真著作者/Catherine Kõrtsmik ネイサン・レドモンド 写真著作者/Will Viles)

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