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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

両者ともにSBの激痛のミスで敗戦…巻き返しを図るトッテナムとニューカッスルは日曜日に激突!

マンチェスター・ユナイテッドとチェルシーが出遅れ、王者マン・シティとスパーズがつまずいたプレミアリーグ2023-24シーズンは、予測不能の展開が続いています。木曜日に開催されたトッテナムVSウェストハムのロンドンダービーと、エヴァートンVSニューカッスルは、いずれも上位が勝つと目されていたはずです。

スパーズの立ち上がりは上々でした。開始早々のソン・フンミンの縦パスで、クルゼフスキがファビアンスキと1対1。決まっていてもオフサイドだったかもしれませんが、その後に期待を抱かせるショートカウンターでした。先制は11分。右からのCKをヘッドで左隅に収めたのは、3試合の出場停止明けのロメロです。

17分にソン・フンミンが中央から打ったミドルはGKの正面に飛び、ボックス左手前から放った21分のロ・チェルソの一撃は右にアウト。前線のアタッカーたちに鋭い縦パスを入れるスピーディーなアタックに対して、ハマーズの守備陣はシュートコースを切るのが精一杯でした。25分にクドゥスが放った緩いシュートは、前半のハマーズが記録した唯一のオンターゲットです。

右からのロングフィードをツォウファルがカットしたのは35分、浮いたボールを叩いたロ・チェルソのボレーは、ファビアンスキが左に飛んでセーブ。40分の決定機の起点もロ・チェルソでした。左からの絶妙なクロスは、ベン・デイヴィスの前でGKがパンチ。こぼれ球を拾ったクルゼフスキはエメルソンに当て、イヴ・ビスマのシュートはアウトにかかって左に切れていきました。

ポゼッション75%のスパーズの敗因は、圧倒的に押していた前半を最少のリードで終えてしまったことでしょうか。いや、強者が1-0で折り返す試合などいくらでもあり、先に追加点を奪っていれば完勝だったはずです。ハマーズが追いついたのは52分。ボーウェンのパスを右で受けたクドゥスが中に持ち込んで放ったミドルは、ロメロがブロックしたのですが…。

17番の足を弾いたボールはベン・デイヴィスに当たり、ラインの裏に転がります。そこにボーウェンがいたのは偶然というべきか、事故と表現すべきか。右足で蹴り込むだけのフィニッシュが決まり、1-1。今季のボーウェンは、プレミアリーグで決めた8ゴールのうち7発がアウェイです。その後も押していたのはスパーズ。ポステコグルー監督が動いたのは67分でした。

ピッチに送り出されたのは、リシャルリソンとオリヴァー・スキップ。ホイビュルクと9番が代わった際は拍手だったサポーターは、もうひとりがロ・チェルソと知って騒然としています。73分の波状攻撃は、ソン・フンミン、イヴ・ビスマ、ペドロ・ポロと右につながり、SBの強烈なシュートをファビアンスキがセーブ。ハマーズの逆転ゴールは、この直後でした。

ウドジェがバックパスを出そうとしたとき、最終ラインと並んでいたボーウェンが狙っていました。いきなり目の前に現れた20番を見て、慌ててダッシュしたヴィカーリオが手で前に弾くと、詰めてきたウォード=プラウズがダイレクトで右隅へ。ポストにヒットして戻ってきたボールは、ウォード=プライズの足元に転がり、最後の仕事は左足でゴールにパスを送るだけでした。

何としてもイーブンに戻したかったスパーズは、最後の15分と追加タイムをオンターゲットゼロで過ごし、1-2のままでタイムアップ。直近の5試合ですべて先制しながら1分4敗は、プレミアリーグで初の珍記録だそうです。前半から怒涛のハイプレスで相手を押し込むスタイルは、終盤で電池切れとなることが多く、攻めの交代策が機能しないのも要因のひとつでしょう。

エヴァートンの本拠地グディソン・パークに乗り込んだニューカッスルも、負傷者続出による薄い選手層が3-0完敗の遠因になった感があります。ただし負け方はわかりやすく、3失点はすべてトリッピアーのミス。79分にキープしたボールを蹴ろうとして空振りし、マクニールにさらわれたSBは、カットインから左足で叩き込まれた瞬間、シャツで顔を覆っています。

33歳のキャプテンは、このミスを引きずってしまったのか、86分にもボールをうまく処理できず、ジャック・ハリソンに奪われました。左からのグラウンダーをゴールのど真ん中に流し込んだドゥクレは、ニアにいたマクニールが空振りするとわかっていたかのようなスムーズなフィニッシュでした。

最後のゴールは96分、右サイドのパターソンの縦パスで抜け出したのはベト。オフサイドを取りにいったシェアは、逆サイドでトリッピアーが残っていたとすぐに気づいたようですが、ドゥブラフカの前に出たベトが股間を抜くのを後ろから確認しただけでした。PSR違反で勝ち点10を剥奪されたエヴァートンは、10月末から4勝1分1敗と好調で、ついに降格ゾーンから脱出しました。

ニューカッスルの直近5戦は、アーセナル、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッドに勝ち、ボーンマスとエヴァートンに敗れるという謎の戦績。口が悪い現地のサポーターは、トリッピアーに対して「早くスパイのマスクを剥げ」「トナーリがエヴァートンに賭けていたのを知ってたのか?」などと容赦ない罵声を浴びせています。

残り20分からの痛恨のミスでアップセットを喰らった2つのチームは、日曜日にノースロンドンで激突します。ニューカッスルはアウェイで1勝2分4敗、トッテナムはホームで3連敗。どんな展開になるか、まったく読めない一戦を制するのはどちらでしょうか。両者ともに前線が疲弊しており、中盤のパフォーマンスが勝負の分かれ目となりそうです。


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