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筆頭株主のモシリ氏が大物獲り逃がしを疑問視…エヴァートンの夏の補強は納得?不満?

マールテン・ステケレンブルク、イドリサ・グイェ、アシュリー・ウイリアムズ、エネル・バレンシア、ヤニック・ボラシェ。昨季プレミアリーグで11位に沈んだエヴァートンの夏の補強は、未来への種まきまでは手がまわらなかったものの、短期的には及第点といっていいのではないでしょうか。セインツを指揮していたクーマン監督が就任してから2ヵ月半。リクルーティングのノウハウを買われて、プレミアリーグ王者のレスターからやってきたスティ-ヴ・ウォルシュフットボールディレクターは1ヵ月強。限られた時間のなかで弱点は埋まり、層の薄いポジションにも即戦力を獲得できたのではないかと思います。ところが、3月にクラブの筆頭株主となったファルハド・モシリ氏は、この補強には不満のようです。イギリスメディア「デイリー・ミラー」は、「Everton chief Farhad Moshiri questions transfer dealings as Toffees fail to land top targets(エヴァートンのチーフ、ファルハド・モシリは、移籍交渉においてターゲットとなる選手を着地させるのに失敗したことを疑問視している)」と題された記事で、モシリ氏がアクセル・ヴィツェル、ムサ・シソコ、ラミーヌ・コネ、ルーカス・ペレスを獲れなかったことに不満を感じていると伝えています。

あらためて、エヴァートンの補強をチェックしてみましょう。ティム・ハワードが衰えを見せ始めてから不安視されていたGKには、ステケレンブルクを補強。クーマン監督は、マンチェスター・シティにブラボが入団した後も、「ジョー・ハートには関心はない」といっており、現状に満足しているようです。ジョン・ストーンズをマンチェスター・シティにもっていかれた穴は、スウォンジーとウェールズ代表でキャプテンを務めるアシュリー・ウイリアムズで完全に埋まりました。ジャギエルカと並ぶと「66歳CBコンビ」となり、長く貢献してもらうのは難しいものの、彼の統率力とカバーリングは得がたいタレントです。昨季プレミアリーグではジョン・ストーンズが不安定で、下から5番めとなる55失点を喫したチームにとって、ウイリアムズ獲得は最大の課題を解決する策になりえるはずです。

グイェ入団で、35歳のギャレス・バリーが疲労を溜めた際もリフレッシュさせやすくなりました。「ボラシェに2800万ポンド(約38億6000万円)は高い」と見る向きもあるようですが、調子がいいときには手がつけられなくなるサイドアタッカーは、クリスタル・パレスよりもフォローが厚いチームでより力を発揮してくれるのではないでしょうか。ウェストハムに入団してからの2年で、プレミアリーグ53試合8ゴールという微妙な数字しか残せていないエネル・バレンシアには疑問があるかもしれませんが、この夏最大の補強は「ロメウ・ルカク残留」です。プレシーズンにはデウロフェウのワントップを試していたクーマン監督は、ストライカーにはさほど高望みはしていなかったのではないかと思います。1億ポンドを用意していると伝えられたモシリ氏と、その半分も使わなかったクーマン&ウォルシュは、補強について違う成功をイメージしていたのかもしれません。

結果論ですが、ヴィツェルといい話にならなかったのは幸運でした。ユヴェントスと合意したベルギー代表MFは、デッドラインデーにはメディカルチェックと入団発表のためにトリノに滞在。ところが、ゼニトが後釜の選手と契約できないまま時間は流れ、ヴィツェルはホテルで13時間も待機させられたあげくに破談の憂き目をみました。最終日にこんな悪夢に見舞われれば、トフィーズサポーターの嘆きと怒りはムサ・シソコのトッテナム電撃契約の比ではなかったでしょう。あれだけ奮闘したウェストハムが、意中のストライカーを獲れなかったのをみれば、最前線はルカク残留とエネル・バレンシア獲得で納得しなければなりません。モシリ氏は、目玉となる選手をもうひとりふたり、加えたかったのだと思われますが、足りないのはCBの層の厚さぐらいで、昨季プレミアリーグでの不振から脱却する体制は整ったと思います。

冒頭に、「未来への種まきまでは手がまわらなかった」と書きましたが、クーマン招聘とウォルシュ合流こそが、エヴァートンの長期的な補強ということなのかもしれません。ルカク、クーマン、ウォルシュ…シソコがほしかったのはわかりますが、この大物3人では足りませんか、モシリさん!?

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“筆頭株主のモシリ氏が大物獲り逃がしを疑問視…エヴァートンの夏の補強は納得?不満?” への2件のフィードバック

  1. トフィーズ より:

    日本ではまだ知名度の低いエヴァートンを今回はチョイスして頂きエヴァトニアンとして嬉しい限りです。

    さて、今夏の補強に関しては私はまずまず納得のいく結果だったと思います。
    ウィークポイントの的確な補強と何より、ルカク残留はとても大きかったですね。

    ただ長期スパンで見た場合、筆者様のおっしゃる通り高齢化の進んだDFラインのテコ入れにも着手していただきたい。

    前監督が就任1年目に魅せたベインズ、コールマン両SBの破壊力は圧巻でしたがそれ以降、怪我やベインズの高齢化によりあの頃のパフォーマンスは影を潜めてしまいました。

    ギャロウェイを始めとする若手有望株は数名おりますがまだまだプレミアで戦えるレベルには到達していないため、ここを補うことで前線にはタレント揃っているエヴァートンはもう1ランク上のステージに上がることができるのではないでしょうか。

    3節を終わり2勝1分といいスタートを切れた今季、ルカクや新監督の活躍に期待しプレミア戦国時代を楽しみたいと思います。

    長文失礼いたしました。

  2. makoto より:

    トフィーズさん>
    同感です。短期的にはアシュリー・ウイリアムズはOK、ボラシェやグイェは、クーマン采配の下でクオリティが上がるのではないかと期待してます。若い右SBが獲れればよかったんですけどね…。

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