ペップに負けたチームは、その後勝利ゼロ!絶不調ハマーズ&ストーク、守備崩壊の理由は自信喪失!?
結論からいえば、どちらも重症です。ストークは守備組織がまったく機能しておらず、ウェストハムはメンタルに問題を抱えているようにみえます。立て直すのにより時間がかかりそうなのはストークです。プレミアリーグ4節のトッテナム戦の4失点は、すべてノーマークで打たれたシュートでした。ショークロスとマルティンス・インディは連携が取れておらず、彼らが持ち場から引っ張り出されたときにカバーする選手がいないため、中央が簡単に空いてしまいます。いちばん気になるのは、10年の長きにわたって最終ラインを支えてきたショークロスに、軽率なプレイと判断ミスが目立つこと。長期離脱中のアフェライが戻ってくれば、中盤のバランスはよくなるのかもしれませんが、守備のテコ入れのために獲ったマルティンス・インディが時折混乱を招いてしまっている現状は、ヒューズ監督にとっては想定外でしょう。
問題が連携やカバーリングばかりでないことがわかったのが、先週末のクリスタル・パレス戦でした。アルナウトヴィッチのFKをトムキンスが押し込んだとされた最初の失点は、キャメロンのオウンゴールでしょう。2点めはCKからスコット・ダンが完璧なヘッド、3点めもCKのこぼれ球をマッカーサーが強烈な右足のシュート。セットプレー対応がうまくいっていないうえに、軽い切り返し一発でグレン・ジョンソンがかわされては、強烈な一撃がDFに当たって入ってしまっても仕方がありません。カウンターからタウンゼントが上がり、切り返しでひとり抜いて決めた見事なミドルも、ジョー・アレンが簡単に足元にいきすぎました。サイドからのボールに対する最終ラインの対応のチェック、カウンターを喰らわないための約束事の確認、セットプレー対策、一発で当たりにいかないことなど、ヒューズ監督が手を打たなければならないテーマは多岐にわたります。
ウェストハムは、昨季プレミアリーグで最高の補強といわれたディミトリ・パイェが復帰したにも関わらず、守備が崩壊して3連敗。パイェは本調子ではないものの、随所に素晴らしいプレイを見せ、チームのゴールに貢献しています。2-4で敗れたワトフォード戦では、右からラボーナでクロスを上げてマイケル・アントニオに決めさせる超絶テクニックを披露。WBA戦でも61分にマイケル・アントニオに完璧なクロスを送ってヘディングのゴールを呼び、4分後には自らのドリブル突破でPKをゲット。1試合で2点に絡めば普通はヒーローですが、問題は2つのゴールが4-0からだったことです。WBA戦のハマーズの守備陣は、軽率なプレイが多すぎました。
8分の1点めは、ヘディングでクリアすれば問題なかったフリーのマスアクが手を上げて処理したためにハンドを取られ、シャドリのPK。2点目はコリンズがサロモン・ロンドンを止められず、3点めのCKはジェームス・マクリーンがノーマークになっていました。3-0となり、ゴールが欲しかったのはわかるものの、全員がゴール前へ殺到すれば、クロスをカットされたら終わります。55分、2対ゼロというなかなかない形になり、持ち込んだサロモン・ロンドンが横に流したボールをシャドリが無人のゴールに押し込みました。この後、パイェが巻き返しただけに、4点めがなければと思わずにいられません。
2-0から4点を奪われるという壮絶な逆転負けを喫したワトフォード戦もまた、もったいない失点ばかりでした。バイラムがイガロのシュートを足に当てられずに2-1となると、同点ゴールのシーンでは集中力を完全に欠いていました。カブールが高く蹴り上げたボールは、コリンズがいち早く落下点付近に動けば何でもなかったでしょう。ワンバウンドしたボールにディーニーが迫ってきたことに慌てたCBは、GKアドリアンが触れない高さにバックパスを上げてしまいました。拾ったディーニーのループシュートが決まって2-2。それでもまだ同点でしたが、ハマーズは5分後にあっさり逆転の一発を許してしまいました。右からクロスが上がった際に、ファーのカプェが空いているのが見えたはずのマイケル・アントニオは、29番に付こうとせずに中に戻ってしまいました。フリーのボレーがポストの内側を叩いて2-3。63分にはパイェが自陣でボールをさらわれ、ホレバスのミドルがアドリアンの手に当たってゴールに転がり2-4。ハマーズは、自滅に近い形でホームゲームを落としました。
冒頭に、ウェストハムはメンタルに問題を抱えているのではないかと書いたのは、軽いマークでシュートを許すシーンが多い今の彼らが、昨季低迷したチェルシーの守備陣とオーバーラップするからです。高い集中力とモチベーションでトップクラブを食いまくっていた昨季の彼らとは、まるで別なチーム。足りないのはモチベーションか、自信か、秩序か。アストラと戦ったヨーロッパリーグのプレーオフを、本拠地オリンピックスタジアムで落としたことを引きずっているのか、大量補強によってチーム内が混乱しているのか。あるいは3節のマンチェスター・シティ戦で差を見せつけられた「ペップ・ショック」か…!
ちなみに、今季プレミアリーグで4節までにマンチェスター・シティに敗れたチームは、その後のプレミアリーグで1勝もしておりません。サンダーランドは1分3敗、ストークは3連敗、ウェストハムは2連敗、マンチェスター・ユナイテッドはワトフォードに3-1完敗。なるほど、ストークとハマーズの絶不調は、自信をなくさせるペップの仕業!?おもしろいデータを見つけたもので、ついつい書いてしまいました。もとい、ストークとウェストハムは、監督解任のゴシップが出てもおかしくないぐらいの状態であるとだけ、報告させていただきます。(マーク・ヒューズ 写真著作者/Chensiyuan)
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更新おつかれさまです。
ストークがセットプレーに弱いというのは少し前まで考えられない衝撃です。鬼門ブリタニアが戻って来るのを望むような望まないような複雑な気持ちです。
ウエストハムに関してはアップトンパークからオリンピックスタジアムにホームを移したことも原因の一部かもしれません。
またタレントはいるのにというのはQPR、ニューカッスルと重なるところがあります。この道を辿らなければいいのですが。
今シーズンのウェストハムは脱アラダイス、ビリッチのポゼッションサッカーに変えてきました、そして本番1発目のEL予選をまさかの敗北、次のアストラ戦でもビリッチのポゼッションサッカーを試し、EL敗退。ここがターニングポイントで、選手達が監督の戦術に疑問を持ち始めたと思います。
さらにプレミア開幕からビリッチのサッカーで戦っているのですが、今いちパッとせず…
恐らく、選手達が監督の戦術に対して半信半疑でプレーしているのが問題だと思います。
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自信喪失に見えるのは、選手達がビリッチに対して半信半疑でプレーしているからだと思います。
PSMから完全脱アラダイス、ビリッチのポゼッションサッカーへと移行しているのですが、一向に結果がでず、挙げ句の果てにはEL敗退まで…
選手達が半信半疑にプレーするのもしょうがないと思います。
にわかスパーズファンさん>
ストークは、よくも悪くも短期間に大きな変化を遂げたのだなとあらためて思います。ブリタニアは怖いところであってほしいという気持ちが強いですね。ハマーズは、新スタジアムや欧州、スポンサーからの収益を見込んで勝負に出ている感があり、不振で主力が出ていってしまうのが怖いですね。
おハムさん>
まとまりがないですね。コリンズとバイラムはおっかなびっくり、中盤はセーフティになりすぎていて、FWは空回り。勝負しているのは今やホットラインと化したパイェとマイケル・アントニオだけという印象です。