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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

イタリア代表ジャッケリーニ、ハドルストーン…まだ獲るの?サンダーランド、総勢10人の大補強!

マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、アーセナルがアジアに降り立ち、マンチェスター・シティは南アフリカへ。プレミアリーグ上位クラブの夏のツアーが始まり、スポンサー獲得活動やらファンミーティングやら、各チームともマーケティング活動に余念がありません。そうこうしている間にも、新戦力獲得準備の手は止めないのでしょうが、ツアーにはパワーがかかりますので、この2週間くらいの間はさほど大きな移籍話は進まないかもしれません。

そんなビッグクラブを尻目に、大胆な補強を続けているクラブがあります。サンダーランド。ときどきしかプレミアリーグは観ない、という方にはなじみの薄いクラブかもしれません。本拠地スタジアム・オブ・ライトはイングランドの北東、スコットランドにほど近い人口18万人の港町にあります。ライバルは北の雄、ニューカッスルですが、昨季は16位と17位で降格争いを繰り広げ、いわば残留仲間となってしまいました。

そのサンダーランドが、6月から新戦力獲得を着々と進めています。まあ、何しろ降格スレスレの17位ですから、テコ入れは必要なのはわかります。ずっと気にはなっていたのですが、リヴァプールやスウォンジー、マンチェスター・シティに比べて獲得意図がわかりにくく、「獲ってる獲ってる」と思いながらも本ブログでは特段、彼らの話には触れずにいました。

エースGKのミニョレがリヴァプールに移籍したため、アーセナルの第3GKマンノーネを獲得したのはわかりますが、その他の補強はランダム。ラツィオでケガに次ぐケガで結果を残せなかったDFディアキテ、ポルトガルのマリティモで中盤のキープレイヤーだったロベルジェ、オランダのAZで33試合23ゴールを記録したバリバリのアメリカ代表FWジョジー・アルティドール。この他にもバーゼルのDFカブラウや、スウェーデンのイエテボリ所属のMFカールソンなどを獲得していますが、粒は揃っているものの、国籍バラバラ、タイプもバラバラ。とにかく「まんべんなく」といった趣です。私が記事にしづらかったのがわかっていただけるでしょうか。

ところが昨日、耳を疑うようなニュースが入ってきたのです。8人も獲得すればもう打ち止めだろうとタカをくくっていたところ、何とユヴェントスから現役イタリア代表MFのジャッケリーニ、トッテナムから元イングランド代表のハドルストーンを獲る、と。ジャッケリーニはユヴェントスのコンテ監督がサンダーランドと口にしていたので決まり。ハドルストーンは7億5000万円でトッテナムと握れればFIX。おお、ついに10人の大台に乗ります。写真のちょいワルイタリア人監督(見た目、ちょっと別な世界の方みたいですね)、ディ・カーニオ氏が「補強が重要。抜本的大改革だ!」とエキセントリックに叫んでいる絵が目に浮かびますが、大丈夫なんですか?予算。…私としては、ここにきてようやく「これは看過できない」と身を乗り出した次第です。

若手、中堅、実績ありのベテランと、よくいえば多彩な顔ぶれ、悪く言えば手当り次第ですが、普通に考えれば強くなるでしょう。しかしみなさん、思い出してください。昨年、こんなクラブがありましたね。

ブラジル代表GKジュリオ・セーザル、元アーセナルのトラオレ、元チェルシーのポルトガル代表SBボシングワ、マンチェスター・ユナイテッドのMFパク・チソン、SBファビオ・ダ・シルヴァ、元マンチェスター・シティのショーン・ライト・フィリップス。FWはイングランド代表ボビー・ザモラとフランス代表ロイク・レミー。そして監督は元イングランド代表監督候補で稀代のモチベーター、ハリー・レドナップ。

そう、このメンバーを擁しながらシーズンでわずか4勝しか挙げられずプレミアリーグを去った、クイーンズ・パーク・レンジャースです。ここからいえるのは、「顔ぶれが揃えば強くなるというわけじゃない」ということ。デイ・カーニオ監督は、昨季終盤にオニール監督の解任を受けてオーバーアクションでチームを鼓舞し続け、残留を果たしたので救世主扱いですが、何のことはない、就任前より1位順位を下げてのフィニッシュだったのです。この大補強、果たして吉と出るか凶と出るか。サンダーランドに現れた熱血マネージャーは、本物の救世主なのか、とんでもないペテン師と化すのか。いやいや、またひとつ、楽しみが増えましたね。(写真著作者/East Ham Bull)

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