かなりビミョーなイングランド代表メンバー…将来が楽しみな「U-25」でチームを創ってみました!
プレミアリーグ得点王を争うハリー・ケインと満足に試合に出ていないダニエル・スタリッジ、リヴァプールを支えてきたジョーダン・ヘンダーソンは負傷欠場。不振のウェイン・ルーニーに加えてセオ・ウォルコットも外れ、ふくらはぎを痛めたウェストハムのマイケル・アントニオは直前でリタイアとなりました。従来の主力を欠くなか、代わって選ばれたのは3年4ヵ月ぶりとなるジャーメイン・デフォー、4年7ヵ月ぶりのジェイク・リヴァモアなど本大会では選ばれない可能性が高い選手たちです。サンダーランドで14ゴールを挙げてひとり気を吐くデフォーも、WBAの躍進に貢献するリヴァモアも、クラブレベルで見ればいい選手ですが、国際大会ではどうでしょうか。以下に今回の代表選手を掲載させていただきました。セインツのネイサン・レドモンドとウォード=プラウズ、バーンリーのマイケル・キーンといった初選出組には期待するものの、「将来が楽しみ」と胸が躍るチームではありません。
【2017年3月6日選出 イングランド代表メンバー】
GK/フォースター(サウサンプトン)、ジョー・ハート(トリノ)、ヒートン(バーンリー)
DF/バートランド(サウサンプトン)、ケーヒル(チェルシー)、ナサニエル・クライン(リバプール)、フィル・ジョーンズ(マンチェスター・ユナイテッド)、マイケル・キーン(バーンリー)、ルーク・ショー、スモーリング(マンチェスター・ユナイテッド)、ジョン・ストーンズ(マンチェスター・シティ)、カイル・ウォーカー(トッテナム)
MF/デル・アリ(トッテナム)、ロス・バークリー(エヴァートン)、エリック・ダイアー(トッテナム)、ララナ(リヴァプール)、リンガード(マンチェスター・ユナイテッド)、リヴァモア(WBA)、チェンバレン(アーセナル)、レドモンド(サウサンプトン)、スターリング(マンチェスター・シティ)、ウォード=プラウズ(サウサンプトン)
FW/デフォー(サンダーランド)、ラシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)、ジェイミー・ヴァーディ(レスター)
なるほど。いえ、わかります。プレミアリーグファンとはいえ、他国の代表に対して遠慮なくモノ申すことに対して、いかがなものかという声もあるでしょう。しかし、プレミアリーグ勢が欧州で勝てなくなると、ワールドクラスの選手がスペインやドイツ、あるいは中国に流れ、いずれおもしろくなくなってしまうのではないかという不安を抱く者にとっては、イングランドは強くあってほしいのです。ここからは、半分ささやかな提案、半分は遊びです。「2022年のカタールをターゲットとして、今からイングランド代表を25歳以下で固める」というのはいかがでしょうか。というのも、現在の20代後半の世代は、「暗黒の世代」だからです。
2000年代に入ってから、プレミアリーグに外国人選手が増え続け、イングランド人選手がポジションを奪われるようになりました。ベッカム、ランパード、ジェラードなどスケールの大きい選手がキャリアの下り坂を迎えても、後継者は出てきませんでした。サッカーの母国の弱体化は大きな課題となり、2010-11シーズンよりホームグロウンルールが施行されることになりました。このルールは、イングランド人のみを対象としたわけではなく、「3季あるいは36か月以上、イングランドかウェールズのチームに所属した選手」を8人以上登録しなければならないと定めたものなのですが、これによってトップクラブは育成に投資するようになり、FAも若手選手育成のインフラ整備に注力し始めました。現在、25歳の選手は2010年には18歳で、これからトップクラブで活躍できる選手をめざそうというタイミングです。一方、「ルーニー未満、26歳以上」の選手たちは、プレミアリーグの上位でベンチ生活が長かったか、下位クラブでプレイしていた選手が多く、代表選手でも「小粒」「遅咲き」が多いのです。
であればいっそ、「ホームグロウン以降」、つまりそれまでの世代よりも若いうちからチャンスを与えられた選手たちに経験を積ませて、ひとつ先のワールドカップで大きな花を咲かせることをめざしてみては?というお話です。さっそくチョイスしてみると、なかなかおもしろいチームになりました。基本フォーメーションは、今季プレミアリーグでチェルシー、トッテナムなどが採用し始めた3-4-3です。
【イングランド代表「U-25」メンバー】
■GK
ジャック・バトランド(ストーク)24歳/0試合
ピックフォード(サンダーランド)23歳/19試合
アンガス・ガン(マン・シティ)21歳/0試合
■DF
ジョン・ストーンズ(マン・シティ)22歳/19試合0ゴール
マイケル・キーン(バーンリー)24歳/28試合2ゴール
エリック・ダイアー(トッテナム)23歳/23試合0ゴール
ギブソン(ミドルズブラ)24歳/27試合1ゴール
モーソン(スウォンジー)23歳/18試合4ゴール
■WB・MF
ナサニエル・クライン(リヴァプール)25歳/27試合0ゴール
チェンバレン(アーセナル)23歳/23試合2ゴール
ハリー・ウィンクス(トッテナム)21歳/19試合1ゴール
トム・デイヴィス(エヴァートン)18歳/15試合1ゴール
デル・アリ(トッテナム)20歳/26試合13ゴール
ウォード=プラウズ(サウサンプトン)22歳/20試合2ゴール
ウィルシャー(ボーンマス)25歳/23試合0ゴール
ベイカー(フィテッセ)21歳/25試合9ゴール
ルーク・ショー(マン・ユナイテッド)21歳/8試合0ゴール
■FW
ハリー・ケイン(トッテナム)23歳/22試合19ゴール
スターリング(マン・シティ)22歳/23試合6ゴール
ザハ(クリスタル・パレス)24歳/25試合5ゴール
ラシュフォード(マン・ユナイテッド)21歳/21試合3ゴール
レドモンド(サウサンプトン)23歳/23試合5ゴール
アブラハム(ブリストル)20歳/33試合20ゴール
(数字は所属クラブでの今季成績、青字は先発メンバー)
「プレミアリーグ(あるいは他国トップリーグ)での活躍度重視」「アタッカーは得点力重視」で選んでみました。いやいや、23人に絞るのは結構大変でして、泣く泣く落とした選手だけで、もう1チーム作れます。CBはセインツで年明けから頭角を現したスティーブンスや、エヴァートンのホルゲート。SBにめぼしい選手が少なかったので3バックにしたのですが、レスターのチルヴェルは後ろ髪を引かれたひとりです。アタッカーでは、同じレスターのデマライ・グレイ、エヴァートンのルックマン、ボーンマスのカラム・ウィルソン。チャンピオンシップの選手ではありますが、ダービーで37試合12ゴールのトム・インスも悩みました。
真ん中のポジションでは、いちばん化けそうなのはロフタス=チーク。元スパーズでは、ライアン・メイソンよりはスウォンジーでレギュラーに定着したトム・キャロルのほうがおもしろいと思いつつ、彼らより若いハリー・ウィンクスの大胆なプレイをさらに上と見ました。スターリング、ザハ、チェンバレン、レドモンドがいるサイドに、セルティックのパトリック・ロバーツまでは押し込めませんでした。
サウスゲート監督にいささか気を遣うのは、今回代表に選ばれたマンチェスター・ユナイテッドのリンガードと、エヴァートンのロス・バークリーを外したことです。前者は、先日のボロ戦でやっと今季プレミアリーグ初ゴールという決定力不足を嫌い、後者は私の期待が膨らみ過ぎていたため、伸び悩み感が気になって他の選手を優先してしまいました。いかがでしょうか、U-25。20代後半世代で残したくなるのは、ヒートン、ララナ、ヘンダーソン、カイル・ウォーカーぐらいです。監督はサウスゲートさんでいいのですが、もうひとつ下の世代のエディ・ハウさん抜擢もおもしろそうです。「プレミアリーグ勢が欧州で勝てなくなったのは、ホームグロウンのせいだ」という声もありますが、長い目で見ると、欧州最強ユースのチェルシーをはじめ各クラブから若いタレントが出てきており、5年~10年先にはイングランドの復活があるかもしれません。そう、チェルシーといえば、ドミニク・ソランケも入れたかった…。
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言われてみて気づきましたが、本当に25~30にいい選手少ないですね。笑 残念ですが。
ただ、これには若手選手を取り巻く環境の変化もあるのでしょうね。
モウリーニョさんがindependent誌にて「ランパードは20代前半から大人だったしフットボールにフォーカスしていたけれど、今の若い世代は違う。ドレッシングルームにスマートフォンを持ち込む選手は10年前には居なかった(かなりはしょった意訳です)」というようなことをおっしゃってましたが、そういうものなのかなあと。
もちろん、かつてのスコット・パーカーのように、一時期のキャリアの不振を乗り越えて本当に国際レベルで輝ける可能性もあるので、頑張ってもらいたいですが。
そういえば、ご期待のハリー・ウインクス青年に関しては、未だにパーカーにテキストで師事を扇いだりしてるんだそうです。笑
最高のメンターが付いているので、彼は大丈夫と私は楽観しております。笑
レッズのウッドバーンは今回ウェールズのフル代表に選ばれてますね
siniさん>
ウィンクス、思い切りよくていいですよね。ライアン・メイソンを出した理由がわかりました。
キング・ペニーさん>
おお、そうでした。あっちにいかれたんでしたね。ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきました。
イングランド代表の25歳以上の選手が小粒なのは、ある程度仕方ないかなと思います。
代表で結果を残せたかは疑問がありますが、やはりジェラードやランパード、テリー、ファーディナンドなどの壁は高かったと思います。同じようにジダン世代の後のフランスや、2000年代後半以降のイタリアも、後継者が育っていないと批判を受けていました。
イングランドの育成に問題があるのは確かだと思いますが、偉大すぎる世代の後はまあこんなものかなという気がします。
大事なのは今回の記事にあるように25歳以下の選手をどこまで伸ばせるか。そのためにはサウスゲート監督のままでいいのか、申し訳ないですが、疑問かなと。
中途半端で的外れなホームグロウンで若手伸び悩み問題の解決は当然図れず、さらに地盤沈下が進みました
金欠でバイエルンに取られた穴埋めをユースから育てるしかないドイツでも国籍12枠、ユース6人という鬼ルールでもあの程度でゲッツェのような弊害も現れてます
最近若手の台頭が著しいフランスもスペインもEU内は無制限で、ポルトガルもブラジル人は無制限
ベルギーは忘れましたが若手の育成とホームグロウンに明確な相関は見られません
チャンピオンシップはプレーのスピードが速く、技術もそこそこ高い若手の育成にもってこいの環境なのに
ユース選手がJリーグにすら劣りそうなプレミアリーグ2で23才までプレー出来るのは至極残念です
ホームグロウンではなくスペインのようにユースチームをプロリーグに参加させる道を選んで欲しかったです
特にプレミア下位から2部なら先発出来る力があるものの、上位クラブに求められる水準だと
アーノルド、ウッドバーン、去年のブラナガン以外は微妙な選手を沢山抱えるチームを応援してる身としては…
ルニキさん>
おっしゃる傾向はあるでしょうね。今の18歳~23歳の選手が、どこまで伸びるかでイングランドのこの先15年が決まってくる気がします。
Kさん>
プレミアリーグとスペインやポルトガルの大きな違いは、下位クラブの経済力なので、キャップをかけるのは致し方なし(かけ方の議論はあれど)かと思います。Kさんの論だと、チェルシーは成功するということになりますね。チャンピオンシップと海外のネットワークに多数選手を出しているので。彼らの2年後が、どうなるかが楽しみでもあり、不安でもあります。