過去6シーズンで最多はやはり…プレミアリーグ「負傷が多いクラブ&プレーヤー」ランキング!
「Arsenal and Manchester United are most injured teams since 2011/12 season(アーセナルとマンチェスター・ユナイテッドは、2011-12シーズン以来最も負傷者が多いチームである)」。過去6シーズンにおいて、負傷者がプレイ機会を失った日数をカウントすると、1万の大台に乗せたアーセナルが1位、9600日のマンチェスター・ユナイテッドが2位。プレミアリーグではいつ以来でしょうか。懐かしいワンツーです。3位と4位がマージ―サイドのクラブで、トッテナムは5位。誰が監督をやっても負傷者が少ないチェルシーは4559日しかなく、6季連続でプレミアリーグに在籍したクラブのなかでは最少です。
【過去6シーズンの負傷者日数クラブ別ランキング】
1位/アーセナル 10,285
2位/マンチェスター・ユナイテッド 9,600
3位/エヴァートン 8,058
4位/リヴァプール 8,044
5位/トッテナム 7,625
6位/サンダーランド 7,353
7位/ストーク 6,607
8位/マンチェスター・シティ 6,023
9位/WBA 5,851
10位/スウォンジー 5,111
(データ提供:PhysioRoom.com)
赤いクラブの優勢を把握したところで、今シーズンにフォーカスしてみましょう。1位は最下位のサンダーランド。下位に沈むクラブが続々と監督交代に走るなか、モイーズ監督に解任の動きがない理由のひとつは、誰を連れてきても戦力的に厳しいのがわかっているからでしょう。キルヒホフ、カッターモール、ワトモア、マクネアらを失ったチームが、残り10試合で7勝ち点差をひっくり返すのは至難の業です。2位のウェストハムはノーブル、サコ、オグボンナらがリタイア。3位ハル・シティ、4位ワトフォード、5位クリスタル・パレスと続きます。
【プレミアリーグ2016-17 負傷者日数ランキング】
1位/サンダーランド 1,761
2位/ウェストハム 1,574
3位/ハル・シティ 1,434
4位/ワトフォード 1,388
5位/クリスタル・パレス 1,385
6位/リヴァプール 1,299
7位/サウサンプトン 1,274
8位/エヴァートン 1,079
9位/アーセナル 1,038
10位/ストーク 945
11位/マンチェスター・ユナイテッド 787
12位/マンチェスター・シティ 746
13位/ボーンマス 730
14位/トッテナム 721
15位/スウォンジー 658
16位/レスター 609
17位/ミドルズブラ 606
18位/バーンリー 583
19位/チェルシー 444
20位/WBA 389
上位クラブで最も日数が長いのは、ダニー・イングス、スタリッジ、グルイッチらを欠いたリヴァプール。過去6年ではトップのアーセナルは、カソルラが150日、メルテザッカー166日、ラムジー117日と主力の長期離脱が多いながらも1038日で9位に留まっています。首位を悠々と快走するチェルシーは444日で下から2番め。最も少ないのは、プレミアリーグに17人しか出場していないピューリス監督のWBAです。チェルシーが強いのは監督や選手が素晴らしいだけでなく、優秀なメディカルチームがあるからだと気づかされるとともに、これだけの負傷者を出しながら4位で踏ん張っているリヴァプールは「痛んでなお強し」だと、あらためて思います。
最後に、「過去6シーズンの負傷が多い選手ランキング」を見てみましょう。リヴァプールサポーターはスタリッジ、マン・シティファンならコンパニを真っ先に思い浮かべるランキングですが、1位はやはりアーセナルから。悲運のセントラルMFディアビを抑えてトップに躍り出たのはジャック・ウィルシャーです。アーセナルにいた9年で1554日を負傷と戦い続けたディアビは、2015年にマルセイユに移籍したにも関わらず、第2位。3位から5位にエヴァートン絡みの選手が続き、コンパニは8位、スタリッジは9位にランクインしています。
【過去6シーズンの負傷者日数が多いプレイヤーランキング】
1位/ジャック・ウィルシャー(アーセナル) 884
2位/アブ・ディアビ(アーセナル) 858
3位/ダロン・ギブソン(エヴァートン) 792
4位/トニー・ヒバート(エヴァートン) 768
5位/スティーブン・ピーナール(サンダーランド)744
6位/アンディ・キャロル(ウェストハム) 723
7位/フィル・ジョーンズ(マン・ユナイテッド) 721
8位/ヴィンセント・コンパニ(マン・シティ) 647
9位/ダニエル・スタリッジ(リヴァプール) 640
10位/ジャック・ロドウェル(サンダーランド) 633
今季、シーズンを完全に棒に振った選手は、ストークの守護神ジャック・バトランド、エヴァートンのMFベシッチ、ハル・シティのモーゼス・オドゥバジョの3人です。ちなみに、負傷が最も多い月は683件の12月で、次に多いのは597件の1月。年末年始の過密スケジュールを緩和できれば、ベストメンバー同士で激突する見応えある試合が増えるのではないかと思われます。プレミアリーグがエキサイティングであり続けるためにも、ウインターブレイク導入を急ぐべきではないかと、データを見ながら思う次第であります。
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長年にわたるチェルシーの負傷者の少なさの要因はなんでしょうね?エヴァさんが辞めた時は大丈夫かと思いましたが、当然1人の問題ではなく、回復スケジュールやトレーニング含めたチーム力の良さでしょうか。
ヴィエラの後継者と期待されていたディアビと生え抜きのウィルシャー。もし怪我が無かったらインヴィンシブルズに匹敵する中盤が出来ていたのではないかと想像してしまいます。
チェルシーの負傷者の少なさは長年のデータの積み重ね(試合、トレーニングの負荷等)をベースにした一環したトレーニングでの負荷の掛け方と、監督によってそれが左右されないクラブ、スタッフ人員の一貫性によるものだと思われます。
確かアンチェロッティの本に書いてありました。
norさん>
通りすがりがおっしゃっている内容の記事を、以前に読みました。が、それにしても見事ですよね。エヴァさんがいなくなったときに変化があるのではないかと思ってました。
Davinciさん>
そうですよね。ディアビは残念でしたね。
通りすがりさん>
ありがとうございます。以前にあちらの新聞で取り上げていた記事も、概ねおっしゃるようなポイントでした。素晴らしいですね。