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通算50ゴールの岡崎と3年4ヵ月ぶりのデフォー。2人の小さなストライカーをイギリスメディアが絶賛!

日本代表は174センチ、イングランド代表はさらに小さい167センチ。プレミアリーグでは歓迎されない小柄なストライカーながら、オフ・ザ・ボールにおけるプレイの質の高さ、ニアへ飛び込む勇気、ワンタッチゴールを確実に決める力は共通のセールスポイント。気持ちがこもったゴールセレブレーションで感動を呼ぶあたりも似ています。タイと戦ったワールドカップアジア最終予選で日本代表通算50ゴールを記録した岡崎慎司と、リトアニアとの欧州予選で3年4ヵ月ぶりの代表戦ゴールを決めたジャーメイン・デフォー。プレミアリーグの下位クラブで奮闘する2人のストライカーを、イギリスメディアが絶賛しています。

リトアニア戦の21分、ボックスに左から侵入してDFを抜き去ったスターリングが完璧なグラウンダーを通すと、すっと下がってマークを外したデフォーは冷静にインサイドでプッシュ。1-0で日本がタイをリードしていた18分、右サイドを蹂躙していた久保裕也がピンポイントのクロスを上げると、ニアに入った岡崎慎司はニアのわずかなすき間を通すダイビングヘッド。絶好調のサイドアタッカーが、それぞれの動きを理解したラストパスを入れてくれたからこそ生まれた歓喜のシーンでした。

両手を広げて感無量の表情を浮かべたデフォー。いつも激戦となるニューカッスルとのタインウェアダービーでは、ゴールを決めるたびに感極まって涙を流すストライカーは、ウェンブリーの歓声とエリック・ダイアーらの祝福に今にも泣きだしそうな顔をしていました。一方、大迫勇也にポジションを奪われて9ヵ月の長きに渡って代表戦のゴールがなかった岡崎は、素晴らしいクロスを上げた久保を指差し感謝の意を表すと、満面の笑顔でベンチに走り、サブの選手たちと一緒に喜びを爆発させます。泣き上戸と笑い上戸のコントラストこそあれ、普段プレミアリーグで体を張っている2人が代表をどれほど大事に思っているかを知る者にとっては、胸に踊る感動の質は変わりません。

2-0で完勝したリトアニア戦のデフォーをマン・オブ・ザ・マッチに指名した「BBC」のフィル・マクナルティ記者は、「ゴールへの嗅覚は衰えていない。ピッチにいた60分は脅威をもたらした。代表復帰が正しかったことを証明した」と絶賛。プレミアリーグで既に14ゴールを積み上げているストライカーは、ハリー・ケインやダニエル・スタリッジの穴埋めではないと評価しています。一方の岡崎については、現地紙の多くが50ゴールという偉業をリスペクト。いいプレイや素晴らしい記録は、あれこれいわずにまっすぐ褒め称えるのがイギリスメディアのいいところです。彼が所属するレスターの地元紙と、あの有名なタブロイド紙の見出しを紹介しましょう。

Leicester City striker Shinji Okazaki nets milestone goal in Japan’s World Cup qualifying victory(レスターのストライカー、岡崎慎司が節目となるゴールを決めて日本のワールドカップ予選を勝利に導く)」ーレスター・マーキュリー
Leicester star Shinji Okazaki scores his 50th international goal for Japan joining only Zlatan Ibrahimovic and Wayne Rooney in the Premier League(レスターのスター・岡崎慎司が、プレミアリーグではズラタン・イブラヒモヴィッチとウェイン・ルーニーだけだった国際大会50ゴールに仲間入り)」ーザ・サン

プレミアリーグ2年めで70試合11ゴールという数字は、本人にとっては不満が残るものなのかもしれませんが、豊富な運動量が支えるプレスや、中盤とヴァーディやマフレズをつなぐポストプレーは評価が高く、多くのメディアが岡崎慎司を奇跡的な優勝のキーマンのひとりに指名しています。「50ゴール達成はうれしい。しばらく獲ってなかったのでほっとした。日本のためにゴールし続けたい。ワールドカップ出場はまだ決まっていないので、残り試合を確実に勝たなければならない」と日本代表ストライカーのコメントを紹介した「ザ・サン」は、「Although a number of his goals have come against lesser nations, Okazaki has also been a big game player for Japan.(多くのゴールは弱小国から挙げたものだが、岡崎は日本にとって大試合に強いプレーヤーでもある)」と、その足跡を称えています。

彼らに願うことは、2つです。できるだけ長くプレミアリーグでプレイして、感動的なゴールを積み上げてほしい。そして最後の大舞台となるであろう来年のワールドカップで、ゴールを決めてほしい。ズラタン、ハリー・ケイン、ルカク、ジョレンテ、ベンテケ、ジルーといった強いストライカーがひしめくプレミアリーグで、自分にできることは何かと可能性を追求し続けるストイックなベテランストライカーたちには、ついつい肩入れしたくなります。おめでとうございます。次の目標は、クラブのプレミアリーグ残留と母国のワールドカップ出場ですね。まずは週末のゲームで、胸のすくようなゴールを!

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“通算50ゴールの岡崎と3年4ヵ月ぶりのデフォー。2人の小さなストライカーをイギリスメディアが絶賛!” への2件のフィードバック

  1. yuto より:

    いつも楽しい文をありがとうございます。
    デフォーと岡崎はどちらも私の大好きな選手たちです。
    特に、デフォーはサンダーランドに移籍してからの存在感が増した印象でゴールシーンはどれもうならせてくれる選手です。
    岡崎の代表50得点に関してはもう少し、日本のメディアも取り上げて欲しいところです。
    久保裕也の活躍は非常に素晴らしいものではありますが、他は「得点差の割に内容がよくなかった」の一辺倒でうんざりしてしまいます。
    減点査定の傾向なのはわかりますが、UAE,タイの2戦とも文句なしの結果を出してくれた監督を称賛する声があってもいいと思うのですが・・・

  2. makoto より:

    yutoさん>
    「UAE,タイの2戦とも文句なしの結果を出してくれた監督を称賛する声があってもいい」→同感です。難クセに近い評価もありましたね。2-0、3-0とスコアが変わったことで起こったこと(積極的に攻めるかどうか、カウンターに出るかどうか等)まで、原則論でダメ出しするのはどうかと思いました。

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