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8年越しのチーム強化が結実…ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンがプレミアリーグ昇格決定!

ペップ&モウリーニョの一騎打ちと予想されていた今季のプレミアリーグは、伏兵扱いだったチェルシーとトッテナムの優勝争いとなりましたが、ベニテス監督率いるニューカッスルで鉄板といわれていたチャンピオンシップも、ちょっとしたサプライズで幕を閉じることになりそうです。現在、首位を走っているのはブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン。監督は、2013-14シーズンにノリッジをチャンピオンシップに降格させてしまったクリス・ヒュートンさんです。プレミアリーグファンになじみのある選手は、アーセナルからレンタルしたアクポム、ライバルクラブのクリスタル・パレスでエースだったグレン・マレー、アストン・ヴィラやフラムで活躍した34歳MFシドウェルぐらいでしょうか。

1982-83シーズンにイングランドリーグのディビジョン1から降格したブライトンは、90年代には4部リーグにまで落ちながらも、8年前にトニー・ブルーム氏が会長に就任すると、強化は順調に進んで2011-12シーズンにはチャンピオンシップに昇格。さらに上を狙っていたクラブは、直近の4シーズンで3回のプレーオフ進出を果たしながらも、いずれも敗退していました。2016-17シーズンはニューカッスルとのマッチレースに持ち込み、43節のウィガン戦に勝ってポイントを93に伸ばすと、3位のハダースフィールドがダービーに引き分けたために2位以内が確定。ブライトンは、34年ぶりとなる念願のプレミアリーグ昇格を勝ち取りました。2位ニューカッスルもイプスウィッチに敗れており、残り3試合で2強の勝ち点差は7。シーガルズと呼ばれるクラブは、トップリーグ復帰に加えてチャンピオンシップ優勝も達成しそうな勢いです。

今季のブライトンの武器は、堅守と勝負強さでした。失点36はリーグ最少。31歳のベテランGKストックデイルと36歳SBブルーノ、CBダンク、ダフィーを中心とした守備陣は集中力が高く、3連敗はゼロで連敗も2回のみと終始安定していました。9月24日のバーンリー戦に勝った後、年明けのブレストン戦に敗れるまで14勝4分の快進撃を続け、この間はわずか9失点。昨季から続けてきた「リーグ戦で先制したゲームの無敗記録」は、ニューカッスルに逆転負けを喫した28節で途切れましたが、それまでの50試合を43勝7分は驚異的です。21ゴールを決めたエースのグレン・マレーと10ゴールの相棒バルドック、リーグNo.1ウインガーともいわれるクノッカールらがゴールを決めると、スティーヴンスとシドウェルのセントラルMFと最終ラインが連携して相手のチャンスの芽をつぶす4-4-2は、優勝にふさわしいチームだったと思います。

9300万ポンドを投じてザ・アメリカン・エキスプレス・コミュニティスタジアム(旧ファルマースタジアム)を建設し、最新のトレーニング施設整備などにも資金投下を惜しまなかった地元出身のブルーム会長の努力がようやく報われたわけですが、「大事なのはこれからだ。プレミアリーグで上位に進出してほしい」と、その夢は留まるところを知らないようです。イーストサセックスからサウス・ロンドンへのルートナンバーを冠したクリスタル・パレスとの「M23ダービー」の復活をはじめ、来季の彼らの奮闘に期待したいのですが、最近のプレミアリーグ残留組は堅守タイプより強力なストライカーを擁するチームが多く、前線が33歳のマレー頼みでは不安です。主力にベテランが多いブライトンがどんな補強で新シーズンに臨むのか注目したい…と、その前に今季の優勝を決めないといけません。残る3試合、ノリッジ、ブリストル、アストン・ヴィラのいずれかに勝てば、ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンは初めてのリーグタイトル獲得が決まります。(クリス・ヒュートン 写真著作者/James Boyes)

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“8年越しのチーム強化が結実…ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンがプレミアリーグ昇格決定!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ブライトン昇格おめでとうございます。また一つ面白そうなチームがプレミアに来ますね。マレーがいたんですね。パレスが降格しなければ彼らとのダービーが楽しみです。

  2. ホタ より:

    生まれてこの方M23ダービーを観たことが無かったので、ようやくプレミアで見れそうで楽しみです。
    ブライトンは昨季もかなり良いサッカーをしていたのでニューカッスルを押し退けて優勝しても納得です。

    ただ心配なのはチームのスタイルですね。
    堅守なのは良いのですが得点源である前線の2人が、特にマレーが高齢なのを考えるとボロの二の舞になりそうな予感がします。クノッカールの引き留めとアタッカーの補強は絶対に必要ですね。

  3. sini より:

    更新おつかれ様です。
    ちょうどブライトンについてどんなクラブなのか調べようとしていたところでしたので、とても興味深く読ませて頂きました。
    地元出身の会長による8年越しの悲願となれば、ファンではなくとも応援したい気持ちが沸いてきます。
    もちろん同会長の言葉通り、勝負はこれからなのでしょうけど。ひとまずおめでとうと言いたいです。

    ブラックバーンが三部降格しそうなのが何とも言えず悲しいですが。

  4. おはむ より:

    昇格するであろう組で1番苦労するだろうと思っているチームです。
    なぜなら、プレミアリーグに残留するためには攻撃力が必要です、レスターやハルの守備力でプレミアリーグに残れるわけはないと思っていたのですが、攻撃力でなんとか二チームともおそらく残留、レスターにいたっては優勝までしちゃいましたからね…
    戦術理解度の高いベテランを多く使うあたり、非常によい守備戦術を持っているはずです、来シーズン もし残留するほどの監督なのであれば、ぜひウェストハムの監督として来てもらいたいですね笑笑

    とにかく、来シーズンまた面白いチームがプレミアリーグに来ましたね!楽しみです

  5. makoto より:

    Mackiさん>
    ダービー、どんな雰囲気になるのでしょうね。マレーはがんばってます。

    ホタさん>
    そうなんです。そこが心配です。サロモン・ロンドンやイガロのように個人で打開できるようなタイプがほしいですね。

    siniさん>
    そうなんです。知れば知るほど肩入れしたくなるクラブです。ブラックバーンは、私も心配しております。勝ち点3差は、何ともいえませんね…。

    おはむさん>
    プレミアリーグでは、前線が今の2~3人だと厳しそうで、クノッカールのバックアッパー的存在も必要だと思います。ゴール数はリーグ4位なので、ボロまでは苦しまないような気もしますが、ベテランがスランプや負傷でチームを離れた際の代役は要補強ですね。ワトフォードのように華やかに選手を獲るようなら、存外善戦するのではないかと思ったりします。

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