イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

おめでとうイングランド!U-20ワールドカップ優勝の陰の立役者はチェルシーユースとロナルド・クーマン!

おめでとうございます!20歳以下限定の大会ではありますが、サッカーの母国が主要大会で世界を制したのは半世紀ぶりです。韓国で開催されていたU-20ワールドカップは11日に決勝が行われ、イングランドが1-0でベネズエラを破って初優勝を遂げました。この日のヒーローは、前半35分に唯一のゴールを決めたエヴァートンのドミニク・カルヴァート・ルーウィンと、74分にペニャランダのPKをストップしたニューカッスルGKウッドマンですが、陰の立役者はチェルシーのアブラモヴィッチオーナーとユース統括責任者のニール・バスさん、そしてエヴァートンのロナルド・クーマン監督ではないでしょうか。

ニール・バスさんがウェストロンドンのアカデミーを任されたのは2004年。地域に根ざしたスカウティングやU9世代からの一貫教育など、敏腕ディレクターの下でユース強化システムを整備したチェルシーは、U-18チームがFAユースカップにおいて7年で5回の優勝と圧倒的な強さを誇り、2016年には3連覇を達成。U-19もUEFAユースリーグで連覇を果たしており、昨年の夏にはエリートプレイヤーパフォーマンスプラン(EPPP)を推進するプレミアリーグに3年間のカテゴリーワン格付けという最高の評価を受けています。2016年のユースカップ決勝では登録15選手全員がイングランド代表に入る資格があり、UEFAの大会も25選手中21人までが地元出身者。今回のU-20代表においても、トモリとクラーク=ソルターのCBコンビと最前線のドミニク・ソランケがレギュラーとして活躍しており、チェルシーユースの真摯な取り組みがなければ偉業は達成できなかったでしょう。

チェルシーの後を追うように、マンチェスター・シティやリヴァプールなどプレミアリーグのトップクラブは軒並みユース世代育成に力を入れておりますが、近年課題となっているのは18歳以降の伸び悩みです。U-20ワールドカップで大会最優秀選手に選ばれたドミニク・ソランケが、プレミアリーグに1度も出ていないというのが象徴的。技術的に優れた選手はファーストチームのベンチには届くものの、ワールドクラスをかき集めたチームで試合に出られないケースが多く、下位クラブやチャンピオンシップに出されたまま、そのレベルの選手に落ち着いてしまうこともしばしばあります。パトリック・バンフォード、ジェームズ・ウィルソン、チュバ・アクポム、ロフタス=チーク…類まれなる才能がありながら開花しきれない選手たちが、いつしか名前も聞かれなくなるのではないかと心配になります。

この課題に対して風穴を開けたのが、ロナルド・クーマン監督でした。ジョンジョ・ケニー、カラム・コノリー、キーラン・ドーウェル、アデモラ・ルックマン、ドミニク・カルヴァート・ルーウィンと、U-20代表に最多の5人を送り出しているエヴァートンは、ウィガンに貸し出されていたコノリーと分厚い中盤の壁を破れなかったドーウェル以外の3人が今季プレミアリーグに出場しています。最高の出世頭はカルヴァート・ルーウィン。昨季の後半戦から頭角を現わして11試合1ゴールという数字を残したアタッカーが、U-20ワールドカップの緒戦とファイナルで貴重なゴールを決められたのは、日頃から激しいバトルを経験してきたからだとはいいすぎでしょうか。1月のマンチェスター・シティとのホームゲームで衝撃のデビュー戦ゴールを決め、8試合1ゴールでプレミアリーグ初年度を終えたルックマンはいいコンディションで大会に入り、決勝トーナメントでは彼らしい的確なタッチでゴールを積み上げました。

イングランドのフル代表のほうは、ハリー・ケイン、デル・アリ、カイル・ウォーカー、ダニー・ローズ、エリック・ダイアーらスパーズの選手と、ララナ、ナサニエル・クライン、バートランドといった元セインツの選手が目立ち始めており、まさに「ポチェッティーノ王国」。その下の世代はクーマン王国と、サウサンプトンでプレミアリーグの監督のキャリアを始めた2人が若手ブレイクのプロデューサーとなっています。イングランドが強くなるかどうかは、ユース世代の育成強化に加えて、TOP6と中堅クラブの監督が原石をしっかり磨き上げられるかがポイント。鋭い縦パスで優勝チームのアタックを支えたルイス・クックを預かるボーンマスのエディ・ハウ監督や、トゥアンゼベ、ラシュフォード、マクトミネイら20歳以下の有望株を抱えるモウリーニョ監督にもご協力いただき、2022年のカタールワールドカップでは優勝を狙えるチームを創っていただければと思います。ソランケ、ルックマン、カルヴァート・ルーウィン、ドーウェル、クック、トモリ、クラーク=ソルター、ウッドマン…素晴らしい!

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“おめでとうイングランド!U-20ワールドカップ優勝の陰の立役者はチェルシーユースとロナルド・クーマン!” への3件のフィードバック

  1. NORI より:

    更新お疲れ様です。
    イングランドやってくれましたね!
    最高です!
    ルックマン、ルーウィンはプレミアで揉まれてるだけあって個の打開力は際立ってましたね。
    エヴァートンは今後が楽しみですね!

    ちなみに元祖若手育成クラブのスパーズ組については何か感想はありますが?
    特にオノマーは昔ポチェッティーノが、いずれは低い位置での起用を考えている的なコメントをしていたような気がするので、彼のボランチでのプレーぶりについての評価が気になります。
    辛口でコメントをいただけると嬉しいです(笑)

  2. makoto より:

    NORIさん>
    カソルラのように、前から下がってきてセントラルMFをやるタイプの選手は、判断スピードが速いことが守備に長けた選手に対するアドバンテージなのだと思います。その点でオノマーは、同世代のクックなどに比べると弱いかなと感じました。エリック・ダイアー、ワニャマ、デンべレ、アルデルヴァイレルトと目標になる選手が揃っているチームなので、パスワークが磨かれるといいですね。

  3. makoto より:

    NORIさん>
    カソルラのように、前から下がってきてセントラルMFをやるタイプの選手は、判断スピードが速いことが守備に長けた選手に対するアドバンテージなのだと思います。その点でオノマーは、同世代のクックなどに比べると弱いかなと感じました。エリック・ダイアー、ワニャマ、デンべレ、アルデルヴァイレルトと目標になる選手が揃っているチームなので、パスワークが磨かれるといいですね。

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