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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグは史上最高の800億円超!主要クラブの2013-14新加入選手一覧

昨日、トランスファー・マーケットが締まり、ようやく各クラブの陣容が固まりました。プレミアリーグで動いた移籍金総額は900億円を超える(976億円という報道あり)そうで、これは史上最高額です。ベイルが100億円と噂された以上に、カバーニが84億円で取引されたインパクトが大きかったですね。セリエA得点王のウルグアイ人にこれだけの値段がついたために、アタッカーを中心に価格が高騰し、「50億以下では売らない」「30億など非常識」といった声が続出しました。どちらが非常識なのかわかりませんが、少なくとも、これでコストパフォーマンスや値段にうるさいマンチェスター・ユナイテッドやアーセナルは完封された感があります。彼らが「従来相場」で話を持っていっても、断られるか横から高額でさらわれるかで、満足のいく選手をひとり獲得するのに3ヵ月を費やしてしまいました。まったくパリ・サンジェルマンは罪なことをしたものです。

一方、「ベイル・バブル」で資金に余裕ができたトッテナムや、もともとお金があるマンチェスター・シティ、チェルシーの動きは早かったですね。スペインの中堅クラブをつぶすのか、という勢いで、ソルダードやネグレド、ヘスス・ナバスらをごっそり集めてきました。スペイン選手獲得については、リヴァプールやスウォンジーも黙ってません。リヴァプールはイアゴ・アスパスとルイス・アルベルト、スウォンジーはデ・グズマン、カニャス、ボスエロ、アマト。現役時代はバルサとレアル・マドリードで活躍したスペイン通のラウドルップ監督の元には8人のスペイン人選手が揃い、無国籍化ならまだしも「リーガ・エスパニョーラ株式会社ウェールズ支店」と化しています。このスペインバーゲンセールも、今季の顕著な傾向です。

そして最後に、最終日の話題を。人間、時間がまったくないという極限状態に追い込まれると、頼るのは過去の人間関係のようで、監督が以前、所属していたクラブの子飼いの選手を強引に引っ張ってくる、ジャイアンのような獲得が頻発しました。エヴァートンのマルティネス監督は、ウィガンから3人。今季、チャンピオンズシップに降格したQPRのハリー・レドナップ監督は、アス・エコトやクラニチャル、トム・キャロルをすべてレンタルで連れてきました。そして極めつけは、ペジェグリーニ監督です。「カーディフに3点獲られるようなDFラインではいかん」とばかりに元アルゼンチン代表のCBデミチェリスを獲ったのですが、彼はマラガとの契約がこの夏満了となり、移籍金ゼロでアトレティコ・マドリードが獲得した選手です。7月に入団して1試合も出場しないまま、1ヵ月半で再移籍というアクロバティックな着地となったわけですが、マンチェスター・シティはアトレティコ・マドリードにいくら払ったのでしょうね。ふと目が覚めたら、何もしていないのに手元に札束があった、という夢のようなお話でもあります。さすがにこれにはびっくりしました。

というわけで、以下に主要クラブの新加入選手一覧を掲載しています。強化の中身を評価するなら、1位トッテナム、2位リヴァプール、3位チェルシーでしょうか。マンチェスター・シティは、コロ・トゥレが抜けた懸案のDFラインが強くなっていないので、評価を下げざるをえません。アーセナルも、DFがひとり欲しかったですね。マンチェスター・ユナイテッドは最悪でしょう。フェライニ獲得で何とか格好はつきましたが、エヴラの後継者を獲れなかったのは大きなマイナスです。1月、再度がんばらないといけません。
(写真著作者/ロメウ・ルカク:Harald Bischoff)

■マンチェスター・ユナイテッド
DF バレラ(→ペニャロール)
DF ジャンコ(→チューリッヒ)
MF フェライニ(→エヴァートン)

■アーセナル
GK ヴィヴィアーノ(→パレルモ)
MF エジル(レアル・マドリー)
MF フラミニ(→ACミラン)
FW ヤヤ・サノゴ(→オーセール)

■トッテナム・ホットスパー
DF キリケシュ(→ステアウア・ブカレスト)
MF パウリーニョ(→コリンチャンス)
MF シャドリ(トゥエンテ)
MF カプエ(→トゥールーズ)
MF エリクセン(アヤックス)
FW ラメラ(ASローマ)
FW ソルダード(バレンシア)

■リヴァプール
GK ミニョレ(→サンダーランド)

DF トゥーレ(→マンチェスター・シティ)
DF シソコ(→バレンシア) 
DF イロリ(→スポルティング・リスボン) 
DF サコ(→パリ・サンジェルマン) 
MF モーゼス(→チェルシー)  
FW ルイス・アルベルト(→セビージャ) 
FW イアゴ・アスパス(→セルタ・デ・ヴィーゴ)

■エヴァートン
GK ロブレス(→アトレティコ・マドリード)
DF アルカラス(→ウィガン・アスレチック)
MF ギャレス・バリー(→マンチェスター・シティ)
MF マッカーシー(→ウィガン・アスレチック)
FW コネ(→ウィガン・アスレチック)
FW ロメウ・ルカク(→チェルシー)
FW デロウフェウ(バルセロナ) 

■マンチェスター・シティ
DF デミチェリス(→アトレティコ・マドリー)
MF フェルナンジーニョ(→シャフタル・ドネツク)
MF ヘスス・ナバス(→セビージャ)
FW ヨヴェティッチ (→フィオレンティーナ)
FW ネグレド(→セビージャ)

■チェルシー
GK シュウォーツァー(→フラム)
DF クエバス(→オヒギンス)
MF ファン・ヒンケル(→フィテッセ)
MF シュールレ(→レヴァークーゼン)
MF ウィリアン(→アンジ・マハチカラ)
MF アツ(→ポルト)
FW エトー (→アンジ・マハチカラ)
FW ペリカ(→NKザダル)

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“プレミアリーグは史上最高の800億円超!主要クラブの2013-14新加入選手一覧” への4件のフィードバック

  1. トーレス下さい。あ、赤い方ね より:

    たしかにジャイアン的な教え子補強多かったですね笑。ただこういう補強って監督の古巣の質次第なので、ちょっと不安ですよね。僕はレッズファンなのでロジャースがボリーニとアレンを引っ張ってきた件で痛い目を見ています。今夏はAウィリアムズが来ないように祈りっぱなしでした。
    マルティネスがアルカラス・マッカーシ・コネを引っ張って来たのもかなり分が悪い賭けに感じます(特にコネ)。逆に得をしてるのはQPRですよね。スパーズであれだけ干されてたニコを2部にまで引っ張れるんだからハリー爺の信望は驚異的です。
    管理人さんのthe signing of the season予想、聞きたいですね。bestとworst両方あると思います。僕はbestは4.5mでノリッチのフェル、worstは8.8mでサンダランドのアルティドールかと。後者はヴォルフスウィンケルより高いんですよね。それだけ出せばもっと色々いたでしょうに笑。

  2. makoto より:

    トーレス下さい。あ、赤い方ね さん>
    プレイを2~3試合観ないと、コストパフォーマンスを加味した予想は難しいですが、ベストはアストン・ヴィラのアントニオ・ルナ。ワーストなのかどうかわかりませんが、シャドリとラメラはどちらかがもったいないことになりそう、と思います。

  3. トーレス下さい。あ、赤い方ね より:

    たしかにビラは良い買い物してますね。ルナはいいし、オコレもよさげ。
    あと長身FWを2枚も獲ったのでそのうち2トップやりますかね。

  4. makoto より:

    現在は、ヴァイマン、アグボンラホル、ベンテケ の3トップで、逆サイドにボールがあるとき、左右のふたりが中に絞るように動いています。ベンテケが「タイプが違う3人がうまく機能している」とやりやすさを強調していたこともあり、ケガ人でも出ない限りはこの布陣は変えないでしょう。昨季デンマークリーグ得点王のヘレニウスは当面はヴァイマンのサブで、ゲーム終盤、点を獲りにいきたいときに、ベンテケと2トップを組ませ、アグボンラホルをトップ下に置くということはすると思います。

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