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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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13試合でわずか1勝…3部降格がリアルな脅威となったサンダーランドの不振の理由!

ドナルド・ラブ、パディ・マクネア、ジョン・オシェイはマンチェスター・ユナイテッド。ブライアン・オビエド、ダロン・ギブソン、ブレンダン・ギャロウェイ、エイダン・マクギーディ、タイアス・ブローニングはエヴァートン、ジャック・ロドウェルはマンチェスター・シティ。プレミアリーグの上位クラブに所属していた選手に加え、ビリー・ジョーンズ、ワトモア、エンドング、ラミーヌ・コネを擁するサンダーランドは、1シーズンでプレミアリーグに復活してニューカッスルとのタインウェアダービーを見せてくれるものと信じていました。イェレマイン・レンスやジロポジ、ワビ・ハズリ、ボリーニがクラブを離れたものの、彼らは本領を発揮したとはいい難い選手たちで、うまく補強してチームを創ればチャンピオンシップなら充分戦えると踏んでいたのです。

モイーズ監督解任の後を受けたサイモン・グレーソン監督は、ブラックプール、リーズ、ハダースフィールドで指揮を執った後、2013‐14シーズンからプレストン・ノースエンドを率いていた47歳の若き指揮官です。2014-15シーズンにはリーグ1(3部相当)にいたクラブを昇格させており、昨季終了時のイングランドの下部リーグ通算12年616試合は、経験としては充分です。スタジアム・オブ・ライトで開催されたダービーとの開幕戦を1-1で引き分けたサンダーランドは、続くノリッジとのアウェイゲームをグラバンの2ゴールで3-1快勝。上位を快走すると期待されたのですが、ここからまったく勝てなくなります。

3節のシェフィールド・ウェンズデー戦はハニーマンのゴールを守り切れず1-1ドロー、リーズと戦った4節は2-0で今季初黒星。8月22日のカラバオカップ2回戦、リーグ2(4部相当)のカーライルに2-1で競り勝ったゲームが最後の勝利でした。以来、公式戦10試合を4分6敗。13節までで1勝6分6敗と崩れたチームは、下から2番めの23位とどこからどう見ても降格候補です。13試合16ゴールの微妙な攻撃陣とリーグ最多の25失点を喫した最終ラインは、それぞれ何とかしないと順位を上げることはできません。

開幕直前のセルティックとのフレンドリーマッチの後、ダロン・ギブソンが酒の勢いでチームと同僚を罵倒した動画が出回った事件は大事に至らず、うまくシーズンに入れたのですが、初めて敗れた4節のリーズ戦を含むホーム3連敗がチームから自信を奪いました。やはり埋まらなかったのは、ジャーメイン・デフォーという大きな穴。「監督の野心に惹かれたからここに来た」と語ったボーンマス出身のFWルイス・グラバンは9戦5ゴールとまずまずですが、相棒のヴォーンは力不足。マクギーディーが前線をフォローしながら自らも決め、23歳のハニーマンも奮闘しているものの、ロドウェルとワトモアが機能していないのも悩ましいところです。

カタモールとエンドングが構える中盤センターはプレミアリーグレベルですが、エヴァートンではサイドでプレイしていたタイアス・ブローニングをコネの隣に置く3バックは厳しいのではないでしょうか。オシェイとコネをセンターに並べたり、コネとウィルソンの間にオシェイを入れるなどの試行錯誤を続けているものの、チャンピオンシップでクリーンシートが1回もないクラブはなかなか守備が落ち着きません。何でもないミドルを決められたり、最終ラインのミスを突かれてゴールを許したりする一方で、ボックス内の決定機でGKの手が届くところに打ってしまうことが多いチームは、ハンデ戦を戦っているかのようです。昨季プレミアリーグで15ゴールと絶対的エースだったデフォーと同等とはいわないまでも、ゴールを量産できるタイプをもうひとり持ってこられなかったことが、不振の理由のひとつであることは間違いありません。

昨季の29ゴールのうち7割以上を占めていたデフォー、ファン・アーンホルト、アニチェベを失い、新監督のグレーソンは守備戦術を固められず。プレミアリーグでベテランに依存しすぎたチームを創ったがために、降格してから下部リーグに埋没するクラブの典型パターンをサンダーランドもトレースしているように見えます。QPRやボルトンのように、彼らも長い冬を過ごすことになるのでしょうか。フラムやアストン・ヴィラに復活の兆しが感じられるなか、1890年代にはヴィラとリーグ優勝を分け合っていた古豪にも巻き返しを期待したいと思います。

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“13試合でわずか1勝…3部降格がリアルな脅威となったサンダーランドの不振の理由!” への3件のフィードバック

  1. グッチ より:

    更新お疲れ様です。「1890年代??」→「本当だった…」と、イングランドサッカーの歴史の古さに改めて驚かされつつ、その礎となってきた古くからのチームがズルズルと埋もれて行くのは一抹の寂しさを覚えます。うーん…

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    GK、CB、CFといったチームの背骨に当たるポジションが不安定なのが痛すぎます。ディフェンスはコネの相棒不在、オフェンスは綺麗なサッカーは到底望めないチームなのにデフォーが抜けてしまい最後の一押しが出来ないという感じです。デフォーとは全くタイプが違うものの、獲得が噂されていたスノドグラスのような独力でなんとかしてくれるアタッカーを是が非でも確保すべきだったと思います。あと主観ですが、去シーズンですらラーション、ファン・アーンホルト、カズリ、ヤヌザイと(無駄に)揃っていたプレースキッカーの役目が人材不足でハニーマンに回ってるのもイマイチ攻めきれない理由かなと。流石に降格はないと信じたいのですが…

  3. makoto より:

    グッチさん>
    結構危ないですね。グラバンがリタイアしたら大ピンチです。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    的確なご指摘、ありがとうございます。個人力で打開するタイプとプレースキッカーがいれば、全然違いましたね。この1年を何とか耐えて、来季は巻き返していただければと思ってます。

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