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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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素晴らしきピックフォード&ロフタス=チーク!イングランドVSドイツの若手フォーカス観戦記

GKは夏にエヴァートンに移籍した23歳のピックフォード、最終ラインにはコンパニの穴を埋めているマンチェスター・シティの23歳CBジョン・ストーンズと、新天地レスターで既に主力の24歳・マグワイア。 中盤にはクリスタル・パレスで攻守の軸となりつつある21歳のロフタス=チークが入り、ヴァーディとコンビを組むのはスウォンジーでプレミアリーグ11戦4発と得点力をアピールしている20歳のタミー・アブラハム。11日にウェンブリーで開催されたドイツとのフレンドリーマッチで、イングランド代表のガレス・サウスゲート監督は思い切った若手抜擢に打って出ました。アウェイチームのプレミアリーグ所属選手は、エジル、リュディガー、レロイ・サネ、ギュンドアンといずれも主力レベル。一方的に押されるかと思いきや、フレッシュなイングランドは惜しいシーンを何度も創っていました。

開始2分にダニー・ローズの縦パスでヴァーディが裏に抜け出し、ニアに飛び込んだアブラハムに合わせたシーンは1点モノ。若いストライカーが触れず、ファーから走り込んだトリッピアーがフリーのボレーを外からサイドネットに当ててしまいましたが、ノーマークのロフタス=チークに折り返していれば決まっていたでしょう。8分にサネがフィル・ジョーンズをかわして右足でシュートを打ちますが、マンチェスターダービーでは観たくないシーンです。プレミアリーグ11戦6発と絶好調のサネは、20分にボックス手前右から左足で巻いたシュートを放ち、触れなかったピックフォードのすぐ後ろでクロスバーを叩く鈍い音が響きます。

この日は、ピックフォードが素晴らしい出来でした。23分にエジルの完璧なスルーパスでヴェルナーが抜け出し、左からボックスに侵入すると、クロスに放ったシュートを左手で止めるビッグセーブ。フォローしたサネの一撃はフィル・ジョーンズがヘッドでクリアし、ドイツのチャンスは潰えます。この直後に、再三足を引きずっていたフィル・ジョーンズがプレイ続行を断念し、若手がもうひとり加わりました。リヴァプールの20歳CBジョー・ゴメス。昨季は負傷でまるまる1年を棒に振りましたが、今季はナサニエル・クラインのリタイアでレギュラーに定着し、プレミアリーグ9試合に出場しています。

39分、流れてきた縦パスに反応したヴェルナーがジョー・ゴメスの背後を取ってゴール前へ。フリーのシュートは、今度はピックフォードが右に飛んで弾き出すビッグセーブ。42分には、アブラハムが2人に囲まれながらも強引に右足を振り抜き、リュディガーの足でコースが変わったボールがポストすれすれを抜けていきます。45分に最高のロングフィードを見せてくれたのは、ロフタス=チークでした。ゴール前に落ちる完璧なボールを受けたヴァーディがループシュートを狙うも、戻ったギンターが頭でクリア。イングランドが前半をゼロに抑えられたのは、ピックフォードのおかげです。

49分、クロス職人トリッピアーが中に入れたボールはヴァーディにぴったり。GKの足元に叩きつけるヘディングはお手本通りでしたが、テア・シュテーゲンが右手で上に掻き出すとんでもないビッグセーブを見せてチームを救います。後半は、ロフタス=チークのパスが冴えわたっていました。58分にリヴァモアに通してカウンターを成立させた縦パスは秀逸。30秒後、ドリブルとアブラハムとのワンツーで中央を上がり、トリッピアーから戻されたボールをダイレクトで右に走り込んだエリック・ダイアーに通した浮き球も見事でした。

60分にアブラハムが退き、同い年のマーカス・ラシュフォードが登場します。後半は押していたイングランドは、決定機を創れず。94分、左からのFKをマグワイアがヘッドで折り返すと、ヴァーディと代わったリンガードはフリーでしたが…ああ、プレミアリーグでよく見る光景。こういうチャンスで打ち上げてしまうのがリンガードです。ドイツの7勝2分6敗とほぼ互角だった対決は、密度の濃いスコアレスドローで幕を閉じました。

以前から注目していたチェルシーユース出身の若い選手たちが、世界王者相手に堂々とプレイしているのを見てテンションが上がりました。タミー・アブラハムとロフタス=チークのように、「出場機会を得られそうなプレミアリーグの下位チームで修業」というルートが、国内でしっかり目に留まるゆえに代表へのステップをまっすぐ登れる王道となるのかもしれません。ピックフォードは、今のレベルをキープできればロシアのゴールマウスをまかせてもいいと思います。

23歳には見えないエリック・ダイアー、24歳にはとても見えないハリー・ケイン、21歳のデル・アリ&ハリー・ウィンクスのトッテナム勢は成長著しく、さらにロフタス=チーク、ラシュフォード、ジョー・ゴメス、アブラハム…。サウスゲート監督は、14日のブラジル戦を前にU-20ワールドカップMVPのドミニク・ソランケと21歳のGKアンガス・ガンを追加招集しています。若手充実のイングランドは、次のロシアも楽しみですが、5年後のカタールで世界一を争うことになるかもしれません。(ロフタス=チーク 写真著作者/CFCUnofficial (Chelsea Debs))

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“素晴らしきピックフォード&ロフタス=チーク!イングランドVSドイツの若手フォーカス観戦記” への2件のフィードバック

  1. odin より:

    ロフタスチークはもう少し走ってくれればいいんですけどね…あれだけ上手いくてガタイもあるのにもったいない限り
    彼が憧れの選手と挙げるランパードやエッシェン、バラックら往年のレジェンド達をもっと見習ってほしいもんです

  2. ボアス より:

    odinさんの仰る通り、チークはもう少し走る事が出来ればチェルシーでも活躍できると思います。
    パレスの試合を見てもパスを出してからここでボックスに走り込めば…というシーンが何度かありましたね。
    ただ、やはり若い選手に必要なのは出場機会ということを改めて認識しました。チークもエイブラハムもユースでは圧倒的でしたが、トップチームの壁には跳ね返され続けました。しかし定期的な出場機会を得た今では、この短期間で代表に招集されるまでに成長しています。

    チェルシーの大量ローンは批判されることもありますが、彼らがクルトワ、クリステンセンのように主力として帰ってきて欲しいものです。

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