昨季1位のレッズは凋落、最下位はやはりあのチーム…プレミアリーグの走行距離ランキングに異状あり!
1位は、ボーンマスの1256km。31歳になっても疲れ知らずのサーマンをはじめ、サイモン・フランシス、ダニエルズとベテランが体を張っているチームだけに、昨季の6位からNo.1へのジャンプアップは意外でした。2位のWBAと3位のトッテナムは、昨季もTOP4にランクインしていたクラブです。2016-17シーズンはシグルズソンの次に走行距離が多かったクリスティアン・エリクセンは、新シーズンも個人ランキングで6位に入り、スパーズのショートカウンターをリードしています。トニー・ピューリス監督のサッカーの基本は、とにかく守備時にさぼらないこと。守るときはゴール前を固め、ひたすらサイドを崩しにいくスタイルは、両脇の選手の上下動が生命線です。
4位と5位に好調のワトフォードとバーンリー、アーセナルとチェルシーのロンドン勢がこれに続いています。昨季は2位だったマンチェスター・シティが8位に落ちていますが、彼らはスプリントの本数では2位ワトフォードを250本以上引き離す6198本でぶっちぎりのTOPです。数字を見ると、ペップのサッカーがハイプレス&ポゼッションから直線的な速攻にシフトしているのがよくわかります。
【プレミアリーグ2017-18 クラブ別走行距離ランキング】
1位/ボーンマス 1256km
2位/WBA 1247km
3位/トッテナム 1246km
4位/ワトフォード 1241km
5位/バーンリー 1238km
6位/アーセナル 1237km
7位/チェルシー 1234km
8位/ブライトン 1225km
9位/マン・シティ 1225km
10位/ハダースフィールド 1221km
11位/リヴァプール 1217km
12位/ニューカッスル 1213km
13位/エヴァートン 1209km
14位/クリスタル・パレス 1201km
15位/レスター 1195km
16位/サウサンプトン 1194km
17位/ストーク 1183km
18位/スウォンジー 1182km
19位/ウェストハム 1162km
20位/マン・ユナイテッド 1162km
リヴァプールは、昨季プレミアリーグで4位だったミルナーが先発4試合と出場時間を減らし、6位にいたフィルミーノがTOP10圏外。勤勉に上下動を繰り返すタイプではないジョー・ゴメスとアルベルト・モレノがSBをまかされることが多いのも理由のひとつかもしれません。彼らのスプリント数が多いかといえば、5674本は4位アーセナルや6位トッテナムよりも下の7位です。ここまで5勝4分2敗という戦績を見ると、これらは決していい傾向とはいえないでしょう。クロップ監督は、いま一度ゲーゲンプレスを徹底させて巻き返すのか、あるいは走らなくても勝つ術をインストールするのか。昨季はよく語られていた「クロップ監督のスタイルでは、プレミアリーグをフルシーズン戦えないのではないか」という議論は、今季は無用になるかもしれません。
さて、お待ちかねの最下位ですが、マンチェスター・ユナイテッドが2年連続でこちらのタイトルをゲットする可能性は充分です。引いて受ける時間が長く、連動性よりも少ない手数で縦に攻めることを重視しているのが要因でしょう。これでも彼らのゴール数が増えているのは、ルカクとポグバが揃っていた序盤戦ではカウンターが機能しており、フェライニをはじめとする長身コレクションで空中を制することができるからだと思われます。サポーターとしては、もっとパスワークで崩してほしいと焦れたりもするのですが、キャラが立っているのはいいことと諦めるしかないのでしょうか。そんななかで、個人ランキング4位と獅子奮迅の活躍を見せているネマニャ・マティッチには頭が下がります。
興味がある方は、クラブ・個人の走行距離ランキングと、クラブのスプリント本数ランキングが載っている「スカイスポーツ」の元記事をご覧ください。2位に入っているワトフォードのドゥクレや9位のレスターのエンディディにうなずきつつ、ブライトンから3人もランクインしていることに驚かされます。走行距離1位のボーンマスがゴール数は7でプレミアリーグ18位、最も走らないマン・ユナイテッドがゴール数2位で「燃費No.1」なのを見れば、走る距離が長いのが必ずしもいいとばかりはいえないのは自明ですが、それぞれのチームのスタイルを物語る興味深い指標であるのは間違いありません。
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