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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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3点をめぐる攻防…吉田麻也初スタメンのセインツ惨敗、マン・シティとチェルシーは攻めきり勝ち!

ミッドウィークのプレミアリーグ第14節は、点が入るエキサイティングなゲームが多かったですね。10試合のうち、どちらかが3点以上獲ったゲームが半分の5試合。そのうち3試合は、負けたチームも2点以上獲っており、しかもすべて1点差決着です。そんな「3点をめぐる攻防」が、すべてプレミアリーグ上位クラブのゲームだったというのも、またおもしろい。彼らはどう点を獲り、どこで守備に破たんをきたしたのか。90分すべてを観ていない試合もあるので、ゲーム全体に対するコメントは控えますが、激闘の跡をそれぞれのゴールシーンから振り返ってみたいと思います。

WBAとアウェイで戦ったマンチェスター・シティは、ヨベティッチやダヴィド・シルヴァを欠くものの、攻撃の選手が軒並み好調。ネグレドとソルダードは、同じ「スペインからの今季プレミアリーグ移籍組」ですが、PK以外では1得点と苦戦するソルダードを尻目にネグレドは6ゴールと順調にゴールを重ねています。最近チームへのフィット感が高まっているナスリや、ゴール前でどんなプレイでもできるアグエロなど、どこからでも点が獲れるのがこのチームの強みです。今節のゲームは、ネグレドを休ませ、ジェコを起用。最終ラインにベルギー代表CBコンパニが復帰しました。

3ゴールはすべて、マンチェスター・シティのお家芸ですね。彼らの基本的な攻撃は、サイドでの攻防で裏を取り、確度の高いグラウンダーのパスから中の選手が決める、というもの。マンチェスター・ユナイテッドの浮き球高速クロスとは違い、ペナルティエリア脇まで斬り込んでくることで中との距離を縮め、精度の高いラストパスでゴール確率を上げようとしています。1点めがその典型で、サイドから斜めに中に走り込んだサバレタにスルーパスが出て、最後はアグエロがズドン。2点めは純粋に縦への突破でしたが、左サイドで数的優位を作ってコラロフを走らせ、正確なグラウンダーをヤヤ・トゥレはインサイドで合わせるだけ。3点めは再び得意の斜め斬り込み。ワンツーからコラロフがペナルティエリアに入ったところで倒され、PKです。前半のうちに2点を奪ったことで、鬼門のアウェイ戦をゆとりを持って戦い、マンチェスター・シティは楽勝だったといっていいでしょう。

最終的に2-3とされたのは、「ナスタシッチの医療費を支払った」ようなもの。バックラインの裏を突かれ、左から突破を許したWBAの1点めと、デミチェリスがあっさり1対1で負けた2点めは、次戦当たるサウサンプトンは参考にしたらいいと思います。裏に抜けるのがジェイ・ロドリゲスやララナ、デミチェリスを翻弄する役割がリッキー・リー・ランバートとオズヴァルド、といったところでしょうか。

チェルシーは、最下位サンダーランドとのアウェイ戦で、3-4と予想外の乱打戦です。攻撃は、似合わないひげを伸ばしはじめたベルギー人、エディン・アザールのワンマンショー。3失点はすべて、セットプレーからのこぼれ球を押し込まれたものです。アザールについては、ゴール左45度のいわゆる「デルピエロゾーン」から決めた1点め、ランパードとのワンツーからサイドを突破して決めた2点めともよかったのですが、最高だったのは、ランパードへのアシストです。先制された3分後、F.トーレスからのパスを受けて左サイドを突破。ランパードの頭にピンポイントで合わせたプレイは、サイドで切り返しを入れてから右足で浮き球のクロスを出すまでのスピードが抜群です。あれをやられると、重心が縦方向にかかっているDFはきついですね。この日の2ゴール1アシストは、いずれもアザールのよさが十全に出たいいゴールシーンだったと思います。

3失点は、こぼれ球に対応したのはそれぞれテリー、イヴァノヴィッチ、デンバ・バでしたが、先制点のテリーのプレイが気になりました。さしてドリブルのテクニックが高いわけでもなく、しかも背を向けているアルティドールを無策で振り向かせ、足も出せずにゴールを決められるというのは、昔のイングランド代表キャプテンなら考えられないプレイです。ランパードの年齢ばかりが話題になりがちですが、テリーの後釜問題も、考えないといけませんね。ケーヒル、ダヴィド・ルイス、イヴァノヴィッチと揃っているので、短期的にどうこうということはないのですが、テリーがいるうちに若手CBを育てておくと、なおいいのではないかと思います。

さて、最後にサウサンプトンですが、吉田麻也の今季プレミアリーグ初スタメンは、ほろ苦いものになってしまいました。アストン・ヴィラに、ホームでまさかの2-3、完敗。パスミスあり、デヤン・ロブレンとの連携ミスありで、失点すべてに関与。チームは3連敗、2試合連続の3失点です。直近2試合で5失点したことからテコ入れとしてつかんだチャンスで、さらにDFラインを崩壊させてしまってはシャレになりません。吉田麻也ひとりのせいではありませんが、この出来では「次戦もう1回チャンスを」とはならないでしょう。セインツは、この状態で、マンチェスター・シティ、ニューカッスル、トッテナムと当たるのはきついですね。6連敗で一気にトップ10から陥落、という最悪のシナリオもありそうです。

おお、やっとひととおりゲームをチェックできたと思ったら、明日、もう試合ですね。キャピタルワンカップもあり、冬休みがないプレミアリーグはこれだから大変です。え?だったら観なきゃいいじゃないか?いや、そういうわけには…。

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“3点をめぐる攻防…吉田麻也初スタメンのセインツ惨敗、マン・シティとチェルシーは攻めきり勝ち!” への2件のフィードバック

  1. チェルシー より:

    ちょっと不運な事もありましたが、セットプレーから3失点は多すぎですね(^^;

    アザールは今季最高のパフォーマンスでしたしさすがです(^^)

    ほんとプレミアの日程は見る側も大変ですね(笑)
    時差的にも夜中が多いですし
    まあ文句いいながら全部見るんですけどね(笑)

  2. makoto より:

    チェルシーさん>
    どこがどう悪い、ということではなく、集中力の問題はあったかもしれないですね。2点めのイヴァノヴィッチは、絶対負けられない試合なら、もっと強くいってたと思います。アザールは、お見事でした。ヒゲはちょっと…。

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