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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

欧州TOP10陥落のアーセナルが危ない!プレミアリーグのTOP8クラブの収益をチェック!

リヴァプールとトッテナムが躍進、マンチェスター勢とウェストハムは微増、チェルシー、アーセナル、エヴァートンは停滞…。世界有数の監査法人デロイト・トーマツが、毎年恒例の「フットボール・マネーリーグ2020」をリリースしました。いち早くレポートした「スカイスポーツ」の見出しは「Manchester United third in 2020」。コマーシャル収入が多いマンチェスター・ユナイテッドは、バルセロナとレアル・マドリードに次ぐ3位をキープしていますが、件の記事は「プレミアリーグで2強を形成するリヴァプールとマンチェスター・シティに、近い将来抜かれる可能性がある」と警告しています。

欧州のクラブの収益とその構造をリサーチし、詳細に分析したデロイトのレポートは、例年と同様に売上をランキング形式で発表。TOP20を見ると、プレミアリーグからは8つのクラブがランクインしています。3位マンチェスター・ユナイテッドの売上は6億2710万ポンド(約897億円)。バイエルンとパリ・サンジェルマンをはさんで6位に入ったマンチェスター・シティは5億3820万ポンド(約770億円)で、前年は4億5500万ポンドだった7位リヴァプールは5億3300万ポンド(約762億円)と大幅にジャンプアップしています。チャンピオンズリーグ制覇による賞金と放映権収入、露出強化に伴うスポンサー増加、コウチーニョ資金が躍進の原動力。2019-20シーズンは、CL出場権を失ったマン・ユナイテッドが最大5800万ポンドの減収となる見通しで、長らく守ってきたプレミアリーグTOPの座を脅かされることになりそうです。

CL準優勝のトッテナムは、レッズと同様に8000万ポンドほど増収となり4億5930万ポンド(約657億円)で8位をゲット。前年はレッズとほぼ同じだったチェルシーは、ELにまわったために収益が伸びず、4億5220万ポンド(約647億円)で9位に落ちました。10位はセリエA初の4億ポンド超えとなったユヴェントスで…ああ、アーセナルは3億9270万ポンド(約562億円)とほぼ前年並みに留まり、11位です。2016-17シーズンには欧州6位だったクラブは、たった3年で5つも順位を落としています。

3シーズン連続でCL出場権を逃し、営業下手でコマーシャル収入も頭打ち。主軸をフリーで手離し、若手は成長しないので売却益を手にすることもできません。2021年に売上が伸びる可能性は、オーバメヤンやラカゼットの売却のみです。ライバルたちが売上を伸ばしている状況での完全なる停滞は、経営陣の責任が問われるべきでしょう。売上微増のウェストハムは18位。マルコ・シウヴァ体制で不振に陥ったエヴァートンは、TOP20では唯一の減収となり、リヨンとハマーズに抜かれて19位です。TOP20の明暗が分かれたプレミアリーグ勢は、今後どうなっていくのでしょうか。それぞれのクラブのプラス要素を確認しておきましょう。

選手の売却益でいえば、ポジティブなのはリヴァプールとチェルシーです。マイケル・エドワーズSDが安価で獲得した選手の値段が軒並み上がったレッズは、3700万ポンドというバーゲン価格だったモー・サラーを1億ポンド以上で売りさばいて、次世代のスターを連れてくるといった選択肢があります(やるかどうかは別として…)。ランパード監督が若手を伸ばしているチェルシーも、欧州の各地にレンタルしている強豪ユース出身の選手たちを売れば、踊り場から再上昇することができるでしょう。

スタジアム関連の収入が伸びそうなのは、新スタジアムが盛り上がっているトッテナム、スタンド改修を進めているリヴァプール、ブラムリー・ムーアドックに新たな拠点を建設するエヴァートン。トフィーズについては、驚くべきニュースが入ってきています。アーセナルの株式を5億5000万ポンドで売却したロシアの大富豪ウスマノフさんが、ブラムリー・ムーアドックのネーミングライツに3000万ポンドを前払いしたとのこと。エヴァートンの筆頭株主のファルハド・モシリさんとは長年のビジネスパートナーで、ウスマノフさんの持ち株会社であるUSMは、既にフィンチファームのトレーニンググラウンドをサポートしています。アンチェロッティによるチーム強化が成功すれば、マージーサイドのクラブはプレミアリーグ第7の勢力として上位を突く存在になるかもしれません。

マン・ユナイテッドにはブランド力と営業力、若い主力という資産があり、マン・シティはペップがいる限りは欧州のTOPクラブです。こうして並べてみると、アーセナルだけが何もないんですよね…。先々、チームの看板になるかクラブに収入をもたらす22歳以下を比べても、レッズにはアーノルドやジョー・ゴメスがおり、チェルシーはタミー・アブラハム、メイソン・マウント、ハドソン=オドイ、フィカヨ・トモリ、クリスティアン・プリシッチ、リース・ジェームズの6人でプレミアリーグ25ゴール12アシスト!マン・ユナイテッドはラシュフォード、ダニエル・ジェームズ、グリーンウッド、ブランドン・ウィリアムズで22ゴールを挙げていますが、ガナーズは唯一ワールドクラスの匂いがするマルティネッリの1発のみです。

唯一の希望は、ミケル・アルテタ。スターリングとレロイ・サネの得点力を伸ばした若き指導者が、ネルソンやサカ、ティアニー、メートランド=ナイルズらの潜在能力を開花させられれば、2年後のプレミアリーグが楽しみになってきます。新監督の手腕で欧州のTOP5を窺うポジションに返り咲くか、ウスマノフの資金が注入されるエヴァートンに並ばれてしまうのか。チケット代の値上げもワールドクラスの獲得もブランド価値の向上も難しそうに見えるクラブは、今こそがターニングポイントなのではないでしょうか。2015-16シーズンにクロップを招聘したリヴァプールは3年で売上1.5倍、当時レスターとプレミアリーグ優勝を争ったヴェンゲルが去ったガナーズは売上ダウンなんですよね…。

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“欧州TOP10陥落のアーセナルが危ない!プレミアリーグのTOP8クラブの収益をチェック!” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    ダンゴテさんが将来アーセナルを買収するとかなんとか言っているみたいですが、どうなるでしょうね…。
    今はアーセナルは臥薪嘗胆の思いで耐えるしかない。ただ、耐えるしかない。

  2. エミリー より:

    強いものや、勝者には人とお金が集まってくる。
    これは世の中の常識なので、我がアーセナルの陥落は、悲しいけどあたりまえの反応ですよね(泣)

    強いチームは新規のファンを獲得出来ますが、アーセナルの今季前半戦を見て、このチーム好きだわ!ってなる人など皆無でしょう。
    アルテタ監督は、希望の灯火です。

    1番さんのおっしゃる通り、以前から話には出ていたダンゴテさんも楽しみなところですよね。

  3. GSM より:

    CL出場枠が4枠な限り、トップ6が6チームとも成長を続けることは不可能だと思います。
    そのため、リバプールやスパーズが上がってくれば、ユナイテッドやアーセナルが下がってくるのは必然ではないでしょうか?
    ユナイテッドはまだファーガソンの遺産がありトップですが、もう3年このままの状態が続けばシティやリバプールに抜かれると思います。

    喰うか喰われるか、少なくともトップ4を死守することが何よりも重要だと思います。

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