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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

痛いぞ、マンチェスター・ユナイテッド!チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグでこれだけ違う分配金!

由々しき調査データです。イギリス紙「インディペンデント」の記事によると、シーズンチケットを持っているマンチェスター・ユナイテッドのサポーターに、「今季のプレミアリーグで4位に入れず来季はヨーロッパリーグ出場になったとして、シーズンチケットが今季と同価格だったらあなたは更新するか?」と質問をしたところ、73.5%、実に4人に3人が「躊躇する」と答えたそうです。「更新する」と答えたのはわずか9.3%。残りの17.2%は「躊躇するかもしれない」と答えています。

この調査、見方によっては「かもしれない」と答えた人たちが、いちばんロイヤリティの高いサポーターかもしれませんね。現在、誰がみても「マンチェスター・ユナイテッドがプレミアリーグで4位に食い込むのはほぼ無理」なわけですが、「躊躇するかも…」と答えている人は、その厳しい状況に対してまだ現実感がなく、「チャンピオンズリーグに行けるはずだけど、行けなかったら更新しないかも」と淡い期待を秘めつつ回答しているようにも取れます。一方、10%弱の「更新する」人たちは、「チャンピオンズリーグにいけないのはわかってるけど、ええい、やけくそで更新だ!」という乱暴な方々なのかもしれません。いや、実際どうなんでしょうか。

さて、こうなるとマンチェスター・ユナイテッドはシーズンチケットの値下げや、お得なパッケージなどの商品開発をして、サポーターの心を惹きつけにいかないといけません。商品開発費も宣伝費もかかり、今季よりも売り上げが落ちてしまうとなると痛いですね。ところで、チャンピオンズリーグに出られなかった場合、賞金等の単純損失がいくらぐらいになるか、ご存じですか?

ここで、昨年8月、2013-14シーズン開幕を前に、UEFAが発表したチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの収益を紹介しましょう。それぞれの収入は、各ラウンドの賞金、グループリーグ勝利ボーナス、テレビ放映権料で成り立っており、テレビ放映権料は国ごとの市場規模と対象クラブ数等によって分配される変動費となっています。これを見ていただくと、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグで、どの項目も4倍~5倍程度の差があるのがおわかりになるでしょう。恐るべし、チャンピオンズリーグ!

★チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの収益比較(UEFA.comより編集)
(UCL=UEFAチャンピオンズリーグ、UEL=UEFAヨーロッパリーグ)
■総収入/UCL13億4000万ユーロ(約1732億円)UEL約2億2500万ユーロ(約291億円)
■出場クラブ収益金(固定費)/UCL5億70万ユーロ(約648億円)UEL1億2525万ユーロ(約162億円)
 ※さらにTVマーケットプール(変動費)からUCLは4億960万ユーロ(約530億円)、
  UELは8350万ユーロ(約108億円)相当の収益がクラブに分配される
■プレーオフ出場クラブ分配金/UCL2億7000万円UEL15万ユーロ(1900万円)
 ※予選敗退チームは1回戦~3回戦敗退それぞれでUCL1900万円~2600万円、
  UEL1500~1800万円を受け取る
■グループステージ出場/UCL860万ユーロ(約11億円)UEL130万ユーロ(約1億7000万円)
■勝利賞金/UCL100万ユーロ(約1億3000万円)UEL20万ユーロ(約2600万円)
■引き分け賞金/UCL50万ユーロ(約6500万円)UEL10万ユーロ(約1300万円)
■決勝トーナメント進出ボーナス/UCL350万ユーロ(約4億5000万円)
  UELベスト32で20万ユーロ(約2600万円)、ベスト16で35万ユーロ(約4500万円)
■準々決勝進出/UCL390万ユーロ(約3億5000万円)UEL45万ユーロ(約5800万円)
■準決勝進出/UCL490万ユーロ(約5億円)UEL100万ユーロ(約1億3000万円)
■準優勝/UCL650万ユーロ(約8億4000万円)UEL250万ユーロ(約3億2000万円)
■優勝/UCL1050万ユーロ(約13億6000万円)UEL500万ユーロ(約6億5000万円)
■優勝チーム総額/UCL3492万ユーロ(約45億4000万円) UEL990万ユーロ(約12億8000万円)
 ※マーケットプール(変動費)からの支給額を除く

多分、計算は合っていると思いますが、細かいところは大目にみてください。ちなみに2012-13シーズンにおいて、チャンピオンズリーグの分配金が最高だったクラブはユヴェントスで、総額約6530万ユーロ(約84億8900万円)。この数字は優勝したバイエルン・ミュンヘンの約5500万ユーロ(約71億5000万円)を上回っておりますが、イタリアのテレビ市場規模が大きく、放映権料をACミランと2クラブで山分けしたことが大きかったようです。昨季のユヴェントスで80億円台ですから、今季の優勝クラブは100億円を超えるでしょう。さらにそこにチケットやグッズの売上が乗るとなると…これはたまりませんね。

もとい、本題は儲け話じゃなくて、損失のほうでしたね。仮に、グループリーグを4勝2敗で通過して、ベスト8で敗れたとすると、チャンピオンズリーグなら約24億2000万円、これがヨーロッパリーグになると約4億2000万円です。プレーオフ進出賞金を加え、ベスト32のあるヨーロッパリーグで2試合多く戦っても20億のマイナス!いやいや、これは大変。さらにシーズンチケットの値下げ分、不人気のヨーロッパリーグにおけるチケット減収、テレビ放映権料の分配金減収まで入れれば、ヨハン・キャバイェが買えるお値段くらいの差は余裕でありそうです。ああ、ケチったか何だかわかりませんが、夏も冬もセンターMF獲得を見送ったツケが、選手の移籍金&年棒に相当する額の損失とは!うーん、つらい…つらいです!

というわけで、プレミアリーグの4位と5位で、これだけ違うというお話でした。うわ、もうこんな時間。あと3時間で、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦セカンドレグ、プレミアリーグ勢最初の登場となるアーセナルVSバイエルン・ミュンヘンがキックオフです。ヴァンゲル監督、アーセナルの選手のみなさん、昨季、チャンピオンズリーグでバイエルン・ミュンヘンをいちばん追いつめたのはあなたがたです。ここはぜひ、奇跡の大逆転を見せてくださいね。3億5000万円が待ってますよ!

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“痛いぞ、マンチェスター・ユナイテッド!チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグでこれだけ違う分配金!” への2件のフィードバック

  1. より:

    でもナイキととんでもない契約結びましたよね?
    レアルの3倍とかでしたっけ?

  2. makoto より:

    森さん>
    金がある・ないでいうと、1シーズンELにまわるくらいで済めばどうってことないくらい、持っているのですが、そうはいってもマイナスはマイナス。せっかくのナイキとの年間110億が目減りするのも残念ですからね…。

    年額換算でレアル・マドリードの倍です。

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