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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

エディ・ハウ監督が自ら報酬削減…コロナウイルス蔓延の影響に苦しむプレミアリーグのクラブ最新事情。

コロナウイルスの蔓延が、早期に収束しないのは誰の目から見ても明らかです。イタリア、スペイン、フランス、ドイツ、アメリカなどの感染のペースは落ちておらず、イギリスの感染者も3万人を超えてしまいました。5月からの再開を目論んでいた欧州各国のリーグは、次々と予定の変更を検討し始めています。スペインとフランスは無期限閉鎖、セリエAの5月下旬再開は無理でしょう。プレミアリーグも、既に4月30日としていた再開スケジュールを延期するとしており、スペインと同様の措置か再延期、あるいは2019-20シーズンの終了が、本日の会議によって決まる見通しとなっています。

欧州で最も早く、シーズン終了の決断を下したのはベルギーです。ジュピラー・プロ・リーグの理事会が全会一致で可決し、現在の順位を最終結果として確定させると発表しています。勝ち点70のクラブ・ブルッヘが優勝。2位のヘントがCL予選に出場し、3位のシャルルロワはELのグループステージ出場を決めています。自動降格はなし。2020-21シーズンが例年通りのスケジュールで行われる場合は、18チームという変則レギュレーションが採用されることになりそうです。30試合中29試合を消化していたベルギーと、9節を残しているプレミアリーグでは状況が異なります。延期、無効、現在の順位で確定と3つの選択肢があるプレミアリーグが、どれを取るのか注目されています。

今後の成り行きと同時に、話題になっているのが各クラブの財政と人事施策です。短期的な収入ダウンがないスポンサーフィーのウェイトが高いマンチェスター・ユナイテッドは、ノンプレイングスタッフのサラリーを全額支給。シーズンチケットホルダーに対するホームゲーム分の減額や、無観客試合における払い戻しにすべて対応したうえで、マンチェスターのフードバンクに10万ポンド(約1290万円)を寄付するなどの地元に対する経済的なサポートを積極的に推進しています。

リヴァプール、チェルシー、マンチェスター・シティも、財政的な危機に陥ることなく難局を乗り切れそうですが、売上減少に悩むアーセナルや、スポンサーフィーの比率が低めのトッテナムは厳しい判断を迫られそうです。先に動いたのはスパーズで、550人に及ぶノンプレイングスタッフの報酬を2ヵ月間、20%カット。「一時的に職を失ったスタッフの雇用維持においてサラリーの80%を補助する」というイギリス政府のスキームに乗って、支援金を手に入れているのですが、この状況に対して元監督のハリー・レドナップ氏が痛烈に非難しています。

「信じられない対応だ。なぜ、選手たちはペイカットを受け入れないのか。トッテナムのようなビッグクラブではありえないだろう」「多くの選手が週給8万~10万ポンドをもらっており、トップは20万ポンド近い。彼らはカットを呑むべきだ。ひとりだとやりにくいなら、全員で申し合わせればいい」「プレミアリーグのキャプテンたちが話し合って、スタッフのために寄付しようと立ち上がる姿が見たいね」

ノリッジ、ボーンマス、ニューカッスルもスパーズと同じスキームを活用し、人件費の負担に耐えようとしています。スタッフが負担を強いられる現状を見て、いち早く手を挙げたのは、ボーンマスのエディ・ハウ監督でした。「私たちは、指揮官から大幅なサラリーカットの申し入れを受けた」と、クラブがステートメントを発表。ブライトンのポール・バーバーCEOとダン・アシュワースTD、グラハム・ポッター監督も、自分たちの報酬を大幅に削減しています。

自宅待機を求められているなかで、選手たちが一致団結するのは難しい状況ではありますが、日頃からプレミアリーグを支えてくれているスタッフのために彼らが動いてくれれば、よりハッピーなのではないかと思います。問題山積のプレミアリーグに、平穏が訪れるのはいつ頃になるでしょうか。今季はどうなるのか、来季があるのか、いつから始まるのか、未来を指し示す画は未だどこにもありません。


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