偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドは連敗スタート、リヴァプールはプレミアリーグ開幕から3戦連続勝利なし。リーズとサウサンプトンに敗れたチェルシーは、未だ完勝といえるゲームがありません。プレミアリーグ2022-23シーズンは、トップ6の明暗が真っ二つに分かれる滑り出しとなりました。

アーセナルはいきなり5連勝。マンチェスター・ユナイテッドに敗れたものの、勝ち点15で首位をキープしています。例年、序盤の取りこぼしが目立つマンチェスター・シティは、ニューカッスルとアストン・ヴィラに引き分けましたが、1ポイント差の2位は悪くないポジションです。

そしてもうひとつ、好調なのはコンテ率いるトッテナムです。こちらもチェルシー＆ハマーズのロンドンダービーはドロー決着ながら、無敗で3位をキープ。6節の相手は、レッズとガナーズを苦しめたフラムでしたが、ホイビュルクとハリー・ケインが決めて、2-1で逃げ切りました。

40分の先制ゴールは、ホイビュルクとリシャルリソンのコンビネーション。縦パスを入れたセントラルMFが、ボックスの右に入ってからリターンをもらい、左のサイドネットに落ち着いて流し込みました。75分の2点めは、ライアン・セセニョンの手柄です。

ソン・フンミンに縦パスを通した19番は、そのまま上がってクロスのクリアをフォロー。左足のシュートはアダラビオヨにブロックされるも、こぼれ球を拾ってすかさず蹴ったクロスは、レノの手を弾いて中央に入りました。左足のつま先で引っかけ、ネットを揺らしたエースは、プレミアリーグ6戦5発と好調をキープしています。

今季のスパーズには大きな謎があります。昨季プレミアリーグ得点王のソン・フンミンは6戦ノーゴール、エヴァートンから来たリシャルリソンは5戦ノーゴール。4試合が途中出場のブラジル代表はまだしも、全試合先発の韓国代表の沈黙は解せません。

スランプかといえば、さにあらず。フラム戦では、9分のショートコーナーからリシャルソンに決定的なクロスをフィードし、10分のショートコーナーでは左サイドから決めたシュートをオフサイドで取り消されています。

22分にはリシャルリソンの優しいグラウンダーをキックミス。33分には、ハリー・ケインの絶妙な浮き球でレノと1対1になるも、左足のボレーをクロスバーに当ててしまいました。63分に中央に斬り込んで放ったシュートは、アダラビオヨに触れてコースが変わり、入るかと思った瞬間、レノのビッグセーブに阻まれました。

リシャルリソンも動きはシャープで、82分にソン・フンミンの折り返しを叩いたジャンピングボレーがポストを直撃。90分にはセセニョンのグラウンダーをスライディングで押し込みますが、VARでオフサイドとジャッジされ、天を仰ぎました。

入り口で詰まりまくっている2つのケチャップの瓶は、いつドボドボと音を立てて流れ出すのでしょうか。ようやく5位に浮上したクラブのサポーターとしては、このまま眠っていてほしいのですが…。

3週間後にノースロンドンダービーを控えるアルテタ監督には、冨安健洋とティアニーを両サイドに入れた4バックを、早いうちに試しておいていただければと思います。謎はいつまでも、謎のままで。