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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

3連敗でTOP4が遠のいたトッテナム、最大の課題は「トップ下の停滞」「セットピースの守備」

ニューカッスル、アーセナル、チェルシーに3連敗。3週間前までアストン・ヴィラと並んでいたトッテナムは、7ポイント差をつけられ、CL出場権獲得が絶望的になっています。崩壊の予兆があったのは、1ヵ月半前です。フラムに3-0で完敗。その後、オープンプレーからのゴールが激減しました。

直近のプレミアリーグ7試合で2勝1分4敗。8ゴール15失点という数字を見れば、守備に問題があると考えるのが普通です。しかし、8つのゴールシーンを振り返ると、攻撃陣も不振の理由のひとつであることに気づきます。ノースロンドンダービーの2発は、ラヤのミスキックがロメロに渡ったプレゼントのようなゴールと、デクラン・ライスの空振りでもらったPKでした。

ノッティンガム・フォレスト戦と、ルートン戦の先制はいずれもオウンゴール。3-1で勝ったフォレスト戦の追加点は、ショートコーナーからのファン・デ・フェンの豪快な一撃と、ニアのヘディングのこぼれ球をペドロ・ポロが直接叩き込んだゴールでした。7試合で前線の選手が決めたゴールは、ソン・フンミンとブレナン・ジョンソンの2つだけです。

攻撃における最大の問題は、序盤戦で11試合3ゴール5アシストと素晴らしいパフォーマンスを見せたジェームズ・マディソンの空転でしょう。11月に足首を痛め、3ヵ月の長期離脱を強いられた10番は、復帰後の13試合は1ゴール2アシストとペースダウン。直近7戦は、ゴールもアシストもゼロです。膝の負傷で3月から4試合欠場のリシャルリソンも、フラム戦以降はノーゴールです。

9番と10番の停滞に歩調を合わせるように、ソン・フンミンはアグレッシブな突破が減っています。ブレナン・ジョンソンはゴール前でのミスが目立ち、唯一元気だったヴェルナーはアーセナル戦で負傷リタイア。中盤のホイビュルク、ベンタンクール、イヴ・ビスマ、パペ・マタル・サールを入れ替える策は、前線の活性化にはつながっていません。

7試合連続で15失点を喫した守備陣は、セットピースの守備の立て直しが最優先課題です。フラムの3点めは、CKからバッシーのシュートが左ポストにヒットし、こぼれ球をムニスがプッシュ。ウェストハム戦とニューカッスル戦は、ズマとシェアがCKを頭で合わせています。アーセナル戦は、ホイビュルクのオウンゴールとカイ・ハヴェルツのヘッダーがいずれもCKでした。

チェルシー戦の2失点は、右からのFKにフリーで走り込んだトレヴォ・チャロバーのヘディングと、コール・パルマ―がクロスバーに当てたFKのリバウンドをニコラス・ジャクソンが頭で押し込んだゴールです。今季プレミアリーグのセットピースからの16失点は4番めに多く、彼らの上を行くのは17位以下のチームだけです。

スタンフォード・ブリッジの直前のプレスカンファレンスで、セットピースからの失点について問われたポステコグルー監督は、「そうは思わない」「気にしていない」と返しています。いざ試合が始まると、ポチェッティーノ監督はノニ・マドゥエケにヴィカーリオを挑発させ、ククレジャはブレナン・ジョンソンをブロックしてトレヴォ・チャロバーをフリーにしました。

ベン・ホワイトやサリバ、ガブリエウの動きを参考にしたチェルシーのマネージャーに対して、「気にしていない」と胸を張った指揮官は、失点を目の当たりにしてストレスを溜めていました。サカとデクラン・ライスのインスイングからの2ゴールに歓喜したグーナーたちは、「マン・シティ戦の前に改善してくれ!」と祈っているのではないでしょうか。

残り4試合のうち2つは、クロップとペップ。両方負けたら、ヴィラのTOP4が決まります。10番を信じるのか、クルゼフスキをセンターに据えるのか。セットピースの守備は改善できるのか。サカやイサクに喰らったカウンターのケアも必要でしょう。クリーンシート6回は、2006-07シーズン以来ワーストで、後半戦はヴィラ戦のみ。新任の指揮官の前に難題が積み上がっています。


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