イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ポチェッティーノの統治の終焉…現地メディアが「トッテナムが後任探しを始めた」と報道!

マウリシオ・ポチェッティーノ監督の素晴らしいチームづくりによって、トッテナムが6年ぶりにチャンピオンズリーグに戻ってきた3年前。ホワイト・ハート・レーンでモナコとレヴァークーゼンに敗れ、力を出し切れずにグループステージ敗退となったチームを見て、「彼らはもっと上にいけるはず。主力をスペインに持っていかれたなどということなく、若き指揮官が育てたメンバーでCLのノックアウトラウンドを戦う姿を観てみたい」と拳を握りしめたのを思い出します。

デル・アリがプレミアリーグ35試合18ゴールとブレイクを遂げ、ハリー・ケインが30試合29ゴールで2度めの得点王に輝いたシーズン。エースとデル・アリ、エリクセン、アルデルヴァイレルトらは、プレミアリーグのライバルや欧州の強豪クラブに移籍するのではないかと怯えながら、全員残留が決まると、彼らのCLをもう一度観られる喜びをかみしめたのでした。

翌シーズンは、レアル・マドリードとドルトムントをホームで倒して決勝トーナメント進出。ラウンド16のファーストレグでユーヴェに引き分け、ノースロンドンに戻ってきたときは8強にいけるはずと期待したのですが、百戦錬磨のイグアインにやられて敗戦を喫してしまいました。名門クラブを苦しめたスパーズに、私は満足したのですが、指揮官と選手たちはさらなる高みに駆け上がりました。

2018-19シーズン、3年連続のCLチャレンジ。バルサから勝ち点1をもぎ取り、2年連続で年明けのCLを戦ったチームは、ドルトムント、マンチェスター・シティ、アヤックスを次々と下してファイナルに進出しました。マドリードでリヴァプールと対峙したあの夜、既に彼らはピークを越え、下降線に入っていたのでしょう。2月末からのプレミアリーグを、3勝2分7敗という信じられない戦績で終えたチームは、キックオフからわずか2分でサラーにPKを決められ、イーブンで戦う時間を取り戻せないまま、オリギにピリオドを打たれて恍惚の時間を終えました。

欧州制覇の1歩手前まで進んだ選手たちは、バーンアウトしてしまったのでしょうか。2019-20シーズン、3節のホームゲームでニューカッスルに敗れたスパーズは、前季の終盤戦をなぞるように停滞しています。度重なる負傷に苦しんだデル・アリはトップフォームに戻っておらず、プレミアリーグ5試合2ゴールでチャンスメイクは1回のみ。スペイン行きが噂されたエリクセンは、モチベーションをマドリードに置き忘れてきたのか、10戦1ゴール1アシストという彼らしくないスタッツしか残せていません。

アヤックス戦のハットトリックが記憶に新しいルーカス・モウラも、10戦1ゴール1アシストで決定機創出は1回。2列めの選手たちが軒並みスランプに陥ったため、ハリー・ケインは11試合でオンターゲット10本に留まっています。キーラン・トリッピアーを失った右サイドからのクロスは減り、逆サイドは移籍するはずだったダニー・ローズに頼らなければならない状態です。エリック・ダイアーとワニャマに以前の輝きはなく、エンドンベレとロ・チェルソのフィットは今後のテーマ。毎年のように見どころある若手を輩出してきた指揮官は、22歳以下をスタメンに抜擢できずにいます。今までのクオリティをキープできているのは、ムサ・シソコ、ガッサニーガ、CLで好調のソン・フンミンだけではないでしょうか。

Time running out for Mauricio Pochettino’s Tottenham reign(マウリシオ・ポチェッティーノの統治の終焉)」。直近のプレミアリーグ5試合で4ゴールしか決められず、1度も勝っていない14位のチームについて、「テレグラフ」はポチェッティーノ監督の後任探しを始めていると報じました。残留争いに巻き込まれたり、選手との溝が修復不可能になるほど壊れなければ、ダニエル・レヴィ会長が違約金を払ってまで指揮官を解任させるとは思えません。ジョゼ・モウリーニョやアッレグリ、ナーゲルスマン、エディ・ハウらに声がかかるとすれば、2020-21シーズン以降の仕事の依頼でしょう。

スパーズの名将は、求心力を失ってしまったのでしょうか。1年前の強いチームには戻れないのでしょうか。プレミアリーグで優勝争いを演じ、ビッグイヤー獲得に迫った濃密な5年間。レヴィとポチェッティーノの蜜月は終わりを告げようとしているようです。彼らの最後のCLを、ノースロンドンにおけるラストシーズンとなるであろうエリクセンやアルデルヴァイレルトのパフォーマンスを、しっかり見届けようと思います。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“ポチェッティーノの統治の終焉…現地メディアが「トッテナムが後任探しを始めた」と報道!” への4件のフィードバック

  1. Superhot より:

    もしも、今シーズン半ばで退任となってしまったとしても、多くのスパーズサポはポチェッティーノに感謝しかないでしょうね。
    熾烈なプレミアリーグのなかで、監督にできることは十二分にやった。リーグやCLを取れと言うなら、クラブレコードを更新し続けるような補強をしていかなければならなかった。それは経営上無理な話なわけで。
    正直なところ厳しいのは否めませんが、なんとか最適解を導き出してほしいところです。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    今夏の市場での動きのまずさを今も引きずっている印象です。
    獲得放出がうまく行かず短期的なクラブの成長曲線は明らかにCL決勝が頂点。新スタジアムができたことで中長期的には盛り返すでしょうが、今がピークの主力の多くは納得できないでしょう。
    そしてそれは監督も同じで、個人的にはポチェッティーノ自身のモチベーションにも要因がありそうな気がします。
    結果、監督の求心力が下がっているともいえますが、チェッティーノ本人もステップアップしたい気持ちが強いのかも。

  3. プレミア より:

    ここまでのポチェの功績を考えたらシーズン終盤に降格間近にでもならない限り今シーズンまでは彼が望めばチームを最後まで率いる権利はあると思う

    以前の記事にもあったけど昨シーズン補強0でCL準優勝と4位をキープ出来たツケを今支払っているのであって、新戦力を2年目に着実に活躍させてきたのを見ていたはずのフロントがその種蒔きを怠ったんだからポチェよりフロントの責任なのは間違いない

    新戦力のエンドンベレ達のフィットすれば盛り返してくるだろうけど2強は言うに及ばず

  4. プレミア より:

    2強は言うに及ばずレスターとチェルシーも崩れるイメージが浮かばないからCL権獲得は相当キツイけど

コメントを残す