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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「トッテナム移籍間近」と伝えられるジョー・ハート、勝算はあるのか!?

ジョー・ハートのトッテナム移籍が決まるようです。2006-07シーズンにシュルーズベリーからマンチェスター・シティに移籍し、トップリーグデビューを果たしたGKは、浮き沈みの激しいフットボール人生を過ごしてきました。最初のシーズンにトランメア・ローヴァーズとブラックプールに貸し出されて評価を高め、2007-08シーズンはカスパー・シュマイケルを蹴落としてプレミアリーグ26試合に出場。翌シーズンにシェイ・ギブンにポジションを奪われますが、2009-10シーズンにプレミアリーグに昇格したばかりのバーミンガムにレンタル移籍すると、12試合連続無失点という素晴らしい記録を残してPFA年間ベストイレブンに選出されました。2010年の夏に、エースとしてマン・シティに復帰。ここからの6年が、ジョー・ハートの黄金時代です。

アビダビの資本が入り、ビッグネームを次々と獲得したクラブのゴールマウスに君臨し、プレミアリーグ制覇2回を含む7つのトロフィーを獲得。イングランド代表のレギュラーGKとして、ワールドカップとユーロを2回ずつ経験しています。彼のフットボール人生が再び暗転したきっかけは、ペップ・グアルディオラの指揮官就任でした。ボールコントロールとパスワークに難があると見做されたショットストッパーは、トリノ・ウェストハムとレンタル生活が続き、2018-19シーズンにはバーンリーに完全移籍となりました。

負傷したニック・ポープの代役を探していたチームへの加入は、本人にとってベストチョイスだったのでしょうか。2018-19シーズンはプレミアリーグで19試合に出場したものの、後半戦にヒートンにポジションを奪われ、ポープが戻ってきた昨季は国内カップ3試合出場に留まりました。今やイングランドNo.1ともいわれる守護神とレギュラーを争うというプランは、リスキーだったといわざるをえません。フリーエージェントとなった33歳のベテランが選んだクラブは、トッテナムだったようです。ウーゴ・ロリスに挑戦する前に、ガッザニーガより上であることを証明しなければならないクラブでは、バーンリーにいた頃と同様にベンチで過ごす時間が長くなりそうです。

プレミアリーグ通算340試合出場。クリーンシート127試合は歴代11位で、あとひとつ加えれば、ピーター・シュマイケルと並んでTOP10に入ります。レギュラーになれる可能性がより高いクラブはなかったのか…。いや、彼にとっては、何が起こるかわからない未来を約束するように語るクラブよりも、本気で口説いてくれるクラブのほうがよかったのかもしれません。スパーズとの契約が決まる前に、「BBC」のインタビューを受けた元イングランド代表は、「自分を信じてくれる人の気持ちに応えたい」と語っています。

「プレミアリーグで18ヵ月、ベンチに座らなければならなかったけど、その事実は私を押しつぶすものではない。自分について、わかっているつもりだ。外からはパニックに見えるかもしれないが、さまざまなことを楽しみ、チャンスを見出す時だと思っている」

ビルドアップのうまさをさほど重視しないジョゼ・モウリーニョが、セービングを評価してくれる可能性はなきにしもあらずですが、過去にレギュラーポジションを失った理由が「不安定」だったGKが絶対的エースとして活躍する姿はイメージできません。ジョー・ハートにとって最後のプレミアリーグは、2018年のボクシングデーに開催されたエヴァートン戦になってしまうのかもしれません。「BBC」は、メディカルチェックを受ける予定と伝えています。引退した後、「あのとき、なぜスパーズだったのか」と本音を聞き出したくなるような気がします。


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