偏愛的プレミアリーグ見聞録

先週、「アトレティコ・マドリードのトーマス・パーティー獲得を断念した」と伝えられたアーセナルが、新たなターゲットをピックアップしているようです。バイエルンのチアゴ・アルカンタラは、リヴァプールとの争奪戦といわれており、プレミアリーグ王者が本気で獲りにいくとなれば劣勢必至。29歳のベテランよりも、「イブニング・スタンダード」「メトロ」「ザ・サン」「フットボールロンドン」が一斉に報じたローマの若手のほうが、可能性が高いのではないかと思われます。

ギニア代表のアマドゥ・ディアワラは23歳。2014年にセリエCのサンマリノに加わったセントラルMFは、ボローニャとナポリを経て、昨年の夏にローマに移籍。度重なる負傷に悩まされながらも、公式戦30試合1ゴール1アシストと、チームの主軸としてプレイしました。プレミアリーグファンにわかりやすく特徴を紹介するなら、「空中戦に強いエンゴロ・カンテ」。中盤の底でボールを奪うのがうまく、長短を交えたパスワークも魅力です。

「イブニング・スタンダード」によると、ディアワラの代理人を務めるダニエレ・ピライノ氏が「彼はローマにいる。熱意あるオーナーがいるクラブにいられてハッピーだが、アーセナルを含むイングランドのクラブから好かれている。一流のクラブとリンクしているのは、彼にとって喜ばしいこと」と発言したとのこと。「ザ・サン」は、「キャッシュが必要なローマが何人かの主力を売りたがっている」として、アーセナルは移籍金は2700万ポンド（約38億円）のMFとの契約に近づいているとレポートしています。

契約解除に4750万ポンドが必要なトーマス・パーティーより3歳年下で、移籍金も格安となると、最重要ターゲットを値段を理由に諦めたといわれるクラブがなびくのは必然でしょう。「イタリアに戻りたがっているルーカス・トレイラとのスワップ」という話もあり、最終的な条件を詰める必要はありますが、アーセナルが獲らない理由は見当たりません。

コミュニティシールドの先発はエルネニーとジャカでしたが、27歳のエジプト代表は依然としてアルテタ監督の構想外といわれており、トルコのベシクタシュにローン移籍となる見通しと伝えられています。ルーカス・トレイラが出ていくと、中盤センターはディアワラとジャカのみになりますが、ダニ・セバージョスと新たなローン契約を結び、メートランド＝ナイルズを残せば、枚数不足で困ることはなさそうです。

中盤センターの算段がつけば、残るは攻撃的なMFです。フィリペ・コウチーニョを招き入れるのか、ユーヴェで存在感を失っているラムジーを復帰させるのか、メスト・エジルの復活に期待するのか。ウィリアンやサカを一列下げるというオプションもあり、アルテタ監督の思惑は未だ不明です。リヴァプール戦の勝利は素晴らしい船出でしたが、耐えてカウンターという戦い方は、プレミアリーグのTOP4をめざすチームとしてはもの足りないとも思いました。フラムとのロンドンダービーまで、残り12日。引き続き、中盤の補強に注目です。