偏愛的プレミアリーグ見聞録

「VAN DE BEEK SIGNS FOR UNITED」。公式サイトのTOPページが、この夏の補強第1号が決まったと告げています。アヤックスに所属するオランダ代表MFドニー・ファン・デ・ベーク。23歳のプレーメイカーは、オールド・トラフォードをよく知るファン・デル・サールCEOに背中を押してもらったと語っています。「彼は、クラブのすべてを話してくれた。どれほど大きいか、そして彼自身がどれだけ素晴らしい経験をしたか」。オランダの名門からプレミアリーグに参入した先輩たちの存在も、移籍を決断する理由のひとつになったようです。

「素晴らしいクラブに参加することができて、本当によかったと思っている。この気持ちを、うまく説明できない。過去に活躍したすべての選手たちのストーリーを聞いたよ。われわれのディレクターだったエドウィン（・ファン・デル・サール）、古くからチームメイトだったダレイ・ブリントとかね。このクラブでプレイするのを待ちきれない」

アヤックス出身のプレーヤーだけでなく、ファン・ペルシやルート・ファン・ニステルローイといったレジェンドの存在も、マンチェスター・ユナイテッドに足が向く動機となったとのこと。2015年の夏にアヤックスのトップチームに昇格し、5シーズンでワールドクラスと称されるようになったファン・デ・ベークは、彼らと同様にプレミアリーグのタイトルを手に入れることができるでしょうか。

2018-19シーズンは公式戦57試合17ゴール13アシスト。エールディヴィジとKNVBベーカーの2冠を達成し、チャンピオンズリーグでレアル・マドリードとユヴェントスを連破してベスト4に進出する原動力となりました。シーズンが打ち切られた昨季も、37試合10ゴール11アシストと得点力の高さを発揮しています。プレースタイルについては、私が紹介するより、マンチェスター・ユナイテッドの公式サイトのインタビューから自己紹介をピックアップしたほうがいいでしょう。

「ボックスに入るのが好きなミッドフィルダー。ラン、ゴール、アシストを創り出す。多くのゲームで、長い距離をカバーしている。強みといわれれば、やっぱり敵陣のボックスに入っていけることかな」

「BBC」によると、移籍金は3500万ポンド（約49億7000万円）で、アドオンが500万ポンド。サイモン・ストーン記者は、「スールシャールがバックアッパーたちを信頼していないのは明らかだった。ファン・デ・ベークは彼らにオプションを与えてくれる。4-3-3でプレーするチームで、トップ下と2列めでプレイし、シーズンの終わりに電池切れを起こしたブルーノ・フェルナンデスとポールポグバを休ませてくれる」と獲得を評価しています。

クリスタル・パレスとのプレミアリーグ開幕戦にも間に合うといわれていますが、スールシャール監督はいきなりスタメンで起用するでしょうか。中盤センターにファン・デ・ベークとポグバが並び、ブルーノ・フェルナンデスの前にラシュフォード、マルシアル、グリーンウッドという超攻撃的オールスターを見てみたい気もします。いやー、素晴らしい！34番が絡むゴールシーンが、今から楽しみです。