偏愛的プレミアリーグ見聞録

「Man Utd agree fee for Real Madrid defender」。確度の低い話は前面に出さない「BBC」が、プレミアリーグカテゴリーのトップに掲載しています。マンチェスター・ユナイテッドとレアル・マドリードが、ラファエル・ヴァラン移籍で合意に至ったとのこと。サイモン・ストーン記者は、「移籍金は3400万ポンド（約52億円）」「アドオンを含めると4200万ポンド（約64億円）に達する可能性がある」と報じています。

つい先日まで5000万ポンドともいわれていたのに、ずいぶん安い決着になったと驚いている方もいるのではないでしょうか。2011年に18歳のCBを引き入れたレアル・マドリードは、今回の移籍が成立すると、前所属先のランスに「solidarity payment」を支払うことになります。直訳すると「連帯支払い」。選手の育成に貢献したとして渡されるお金です。マンチェスター・ユナイテッドは、レアル・マドリードにフィーを払ったうえで、ランスにも直接送金するという話になっているようです。

ようやく、決まりそうです。素晴らしい！ラファエル・ヴァランは、現在のマンチェスター・ユナイテッドに足りないものを持っているタレントです。ラ・リーガ制覇3回、チャンピオンズリーグとクラブワールドカップはそれぞれ4回。2018年に開催されたFIFAワールドカップロシア大会でも優勝を遂げています。今のマンチェスター・ユナイテッドでプレミアリーグ制覇を体験したことがあるのは、デ・ヘア、フィル・ジョーンズ、マティッチのみ。頂点に立つ方法を知っている28歳のCBは、若い選手たちのマインドを変えてくれるのではないでしょうか。

「スカイスポーツ」のトランスファーセンターも、「アドオンを含む4100万ポンドで合意。ヴァランはメディカルチェックのためにオールド・トラフォードへ向かう」と速報を配信しています。ジェイドン・サンチョは7300万ポンド、ヴァランは3400万ポンド。サイモン・ストーンさんは、「このサインによって、マンチェスター・ユナイテッドの夏の支出は、欧州の主要なライバルを上回ることになる」と伝えています。

ジョン・マータフFDとダレン・フレッチャーTDの補強は、ここまではパーフェクト。ポール・ポグバの契約延長拒否は悩みの種ですが、どうしても出ていきたいというのであれば、パリに売却して中盤を強化するしかありません。ターゲットはサウール・ニゲスかレオン・ゴレツカか、あるいはプレミアリーグ経験があるデクラン・ライスか。3人のワールドクラスを引き入れ、右SBのバックアッパーまで押さえられれば戦う体制が整います。

プレミアリーグを最後に制してから、8年が過ぎました。マンチェスター・シティとリヴァプールの上に立つのは簡単なことではありませんが、強化された最終ラインと右サイドからのアタックに大いに期待したいと思います。