偏愛的プレミアリーグ見聞録

本気か、ダメもとか、夏の思い出づくりか!?　ミケル・アルテタ監督とエドゥTDのトーンはわかりませんが、 プレミアリーグ屈指のプレーメイカーは、今もターゲットリストの最上位に名前があるようです。「ガーディアン」「フットボールロンドン」「スカイスポーツ」が一斉に同じ話を配信しているということは、エドゥTDに具体的なアクションがあったのでしょう。現地の有力メディアが、「アーセナルがジェームズ・マディソン獲得に向けて交渉を開始した」と伝えています。記事を読み比べしてみたのですが、最も興味深いのは、この記述です。

「Maddison remains keen on a move to north London（マディソンは、ノースロンドンへの移籍を強く望んでいる/フットボールロンドン）」
「Maddison is understood to be open to the idea of joining Arsenal, despite Leicester having finished above the Gunners for the last two Premier League seasons（レスターが、過去2シーズンのプレミアリーグでガナーズの上にいるにもかかわらず、マディソンはアーセナルへの移籍に前向きと見られている/スカイスポーツ）」
「Maddison’s openness to the switch has come as a slight surprise given Arsenal are not in Europe after finishing eighth（8位に終わったアーセナルが欧州に進出していないことを考えると、マディソンが移籍に対してオープンなのは、少し意外な感じがする/ガーディアン）」

記者やジャーナリストたちが、この話を完全否定しないのは、ご本人がアーセナル移籍についてポジティブに捉えているからなのでしょう。さらにもうひとつ理由を挙げると、レスターは近年、エンゴロ・カンテ、リヤド・マフレズ、ベン・チルウェル、ハリー・マグワイアといった主力の売却で資金を稼ぎ、強くなってきたという実績があるからでしょう。彼らを売った後は、ウィルフリード・エンディディ、ハーヴィー・バーンズ、ジェームズ・ジャスティン、ウェズレイ・フォファナら無名だった若手が、素晴らしいパフォーマンスで前任者の記憶を消し去っています。

とはいえマディソンについては、ブレンダン・ロジャースが「売る必要はない」と明言しており、レスターは6000万ポンドを要求すると報じられています。プレミアリーグで2年連続5位のチームは、チェルシーに1-0で競り勝ってFAカップを制覇し、ヨーロッパリーグの出場権を獲得しました。埋めなければならない弱点は見当たらず、お金に困っているわけでもないクラブは、値引き交渉には応じないでしょう。

前述の3つのメディアは、ガナーズの目論見についても同じ話を伝えています。曰く、「選手をひとり付けることによって、移籍金の減額を求めようとしている」。ヌーノ・タヴァレス、アルベール・サンビ・ロコンガ、ベン・ホワイトに7300万ポンド（約111億円）を費やしたクラブは、フリンジプレーヤーの売却で資金を得なければ、6000万ポンドを調達できないといわれています。エドゥTDは、レスターがほしがる選手が手元にいれば、渡りに船と考えているようです。

唯一、その名前に触れているのは「フットボールロンドン」のクリス・ウィートリー記者で、「エインズリー・メートランド＝ナイルズ、ジョー・ウィロック、リース・ネルソン、エディ・エンケティアはこの夏に移籍できるが、誰がメイクウェイトとして提供されたかは確認できていない」と書いています。ディールが成立する可能性は低そうですが、アルテタ監督のお気に入りはノーズロンドンにやってくるのでしょうか。破談となれば、4250万ポンドでウーデゴーアを獲りにいくのだと思われますが…。（ジェームズ・マディソン　写真著作者/@cfcunofficial (Chelsea Debs) London from London, UK）