偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグ2020-21シーズンが開幕する頃には、ポール・ポグバの移籍金8900万ポンドというレコードが3回塗り替えられているかもしれません。最初のプレミアリーグレコードは、ジャック・グリーリッシュ。「ガーディアン」は「予想外の問題がなければ決まる」と断言しており、「BBC」は「レスターと戦う土曜日のコミュニティシールドに間に合うように、契約が締結される可能性がある」とレポートしていました。

「スカイスポーツ」によると、木曜日にメディカルチェックは完了したとのこと。この記事がUPされた直後に、マンチェスター・シティからリリースがあるかも…と書いていたところに、公式サイトから入団決定のアナウンスがありました。「スカイスポーツ」によると、移籍金はやはり1億ポンド！6年の長期契約です。昨季プレミアリーグで26試合6ゴール10アシスト。キャプテンがいた試合のヴィラは13勝4分9敗、不在だったプレミアリーグ12試合は3勝3分6敗と別なチームでした。

チャンスメイク81回はデブライネをひとつ上回り、ドリブル成功数65回はスターリングにひとつリードされているだけです。被ファール数110回は、2位ザハより22も多いぶっちぎりのリーグNo.1。マフレズ、フォーデン、ベルナルド・シウヴァは、ゴール数以外のスタッツで彼の足元に届くものはひとつもありません。CL準優勝チームの左サイドは、間違いなく強化されるでしょう。速いけれど単調になりやすいバンジャマン・メンディや、中に入りたがるジンチェンコよりも、自在性が高いジョアン・カンセロとのコンビネーションに最も恐怖を覚えます。

グリーリッシュが叩き出したプレミアリーグ初の1億ポンドでひとしきり盛り上がった後、ロメウ・ルカクが数字をアップデートする可能性があります。インテルに残ると明言していたストライカーは、チェルシーからのオファーが適性なら受け入れてほしいとクラブに要求したと伝えられています。

「スカイスポーツ」は、8500万ポンドを拒否されたウェストロンドンが、9400万ポンド～1億200万ポンドで決めにいこうとしているとレポート。本人の懇願と高額移籍金をセットで突き付けられれば、張康陽会長も認めざるをえなくなるといっています。トゥヘル監督のファーストチョイスは、ルカク、カイ・ハヴェルツ、メイソン・マウント、プリシッチでしょうか。プレミアリーグ王者のマン・シティを脅かす一番手は、CLファイナルで競り勝ったチームになるかもしれません。

最後に、移籍金レコード更新のトリを飾ると期待されているスターの最新動向を紹介します。トレーニングを無断欠席するという強硬手段に出たハリー・ケインに対して、ダニエル・レヴィ会長はどんな判断を下すでしょうか。バハマからフロリダに渡り、自ら延長したバカンスを楽しんでいると報じられたエースは、いずれ望む形で決着すると信じているものと思われます。しかし、やり手の会長は「プレミアリーグのライバルには売らない」「1億6000万ポンド以下では出さない」と信念を貫くかもしれません。


「デイリー・スター」は、マンチェスター・シティは1億2000万ポンド以上を準備できていないとして、両者のギャップは4000万ポンドと伝えています。レヴィ会長が10番に約束したのは、あくまでも「クラブが設定した額を超えるオファーがあれば、出ていける」であり、「本人が希望すれば」ではありません。彼の人柄をよく知るハリー・レドナップさんは、「とても冷静で計算高い。感情では動かない。オファーが希望額に満たなければ、出さないだろう」と語っています。

グリーリッシュは1億ポンドで決定、ルカクは1億ポンドに届くかどうか。ハリー・ケインは1億6000万か1億2000万か、あるいはゼロか。ベルギー代表とイングランド代表がどうなるかは、まだ誰にもわかりません。