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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

アーセナルは間に合わず? タミー・アブラハムの移籍先はローマが濃厚!

「話がどこまで進んでいるのか、事実なのかそうでないのか、実際の状況についてはコメントしない。タミーは今、スカッドにいる。いくつかの試合で、いい準備ができている」
「彼は、この半年は明らかに満足していなかった。ハッピーになれない理由があるのだろう。彼を後押ししなかった私の責任もある。他の選手と同じレベルで信頼していなかったから」(トーマス・トゥヘル)

チェルシーの最強ユースが、FAユースカップとUEFAユースリーグを連覇したときから注目していた選手でした。2014-15シーズンのFAユースカップで6戦7発、翌シーズンのUEFAユースリーグでは9戦8発。当時売り出し中だったドミニク・ソランケより大器だと思っていました。タミー・アブラハムは、まだ23歳。ロメウ・ルカクの復帰によって押し出され、ローマに移籍するとしたら残念です。

プレミアリーグデビューは、2016年5月11日のリヴァプール戦。ベルトラン・トラオレと代わって16分プレイした翌週も、プレミアリーグ制覇を果たしたレスターとのホームゲームでテストされました。フース・ヒディンク続投なら出場機会を得られたかもしれませんが、アントニオ・コンテのチームには残れず、2016年からの3シーズンは武者修行の季節となりました。

ブリストルで41試合23ゴール。プレミアリーグに所属していたスウォンジーでは期待外れの31試合5ゴール、2018-19シーズンのアストン・ヴィラでは37試合25ゴール。フランク・ランパードがチェルシーの指揮官に抜擢され、開幕からファーストチームに加わった2019-20シーズンは、「機は熟した」という言葉がぴったりでした。

3節のノリッジ戦で2発、翌週のシェフィールド・ユナイテッド戦でも2発、続くウルヴス戦ではハットトリック。3試合で7ゴールという荒稼ぎをやってのけた若きストライカーは、最前線のファーストチョイスとして半年を過ごしました。暗雲が垂れ込めたのは、2月。膝を痛めて26節のマンチェスター・ユナイテッド戦を欠場した直後、足首まで負傷してしまい、3カ月の中断を経たプレミアリーグの最終盤は、8試合のうち1試合しか先発で起用されずに終わりました。

2020-21シーズンは、プレミアリーグの前半戦で6ゴールをゲットしたものの、トゥヘル監督の前で決めたのはFAカップのバーンズリー戦のみ。プレミアリーグでは、ハーフタイムでの交代が2回もあり、信頼されていないのは明らかでした。公式戦32試合12ゴール6アシストは悪い数字ではありませんが、CLを制した指揮官は、彼をフィットさせるよりもワールドクラスの獲得を選んだようです。

ローマのオファーは3400万ポンドと報じられており、完全移籍か買い取りオプション付きのローンで決着するでしょう。アーセナルも狙っているといわれていますが、ラカゼットかエンケティアを売らないことには動けず、セリエAのポール・トゥ・ウィンとなるのではないかと思われます。足りなかったのは戦術理解か、運動量か、器用さか。フィジカルに長けたストライカーを好むジョゼ・モウリーニョのチームでは、機能するのではないでしょうか。

セリエAチャレンジが決まったら、エディン・ジェコの話を誰もしなくなるぐらいゴールを量産し、1億ポンドでチェルシーに買い戻されるような選手になっていただければと思います。7年ぶりにロンドンに戻ってくるロメウ・ルカクのように。…いや、そうでした。まだ決まったわけではありませんね。本格的な交渉はこれからです。続報を待ちましょう。


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