偏愛的プレミアリーグ見聞録

「Anything from now is a bonus.I have to say that with the two signings we’ve got, we’ve strengthened where we wanted to strengthen（ここから先はボーナス。2人の獲得で、強化したいポジションは強化できたといわないとね）」。プレミアリーグ2021-22シーズン開幕の1週間前、ジェイドン・サンチョとラファエル・ヴァランを既に手に入れていたオーレ・グンナー・スールシャール監督は、補強は完了したも同然と語りました。獲得候補としてルベン・ネヴェスやサウール・ニゲスの名前が挙がっておりましたが、彼らはあくまでもポグバの退団が決まったときの後釜だったのでしょう。

リーズ戦の4日前には、パリ・サンジェルマンがメッシの獲得を発表。ポグバが移籍する可能性は消滅したと報じられました。同じ日に、マンチェスター・ユナイテッドはキーラン・トリッピアーへの関心を終わらせたというニュースが出回り、オールド・トラフォードのベンチにはジオゴ・ダロトの姿がありました。プレミアリーグの緒戦を5-1で大勝した翌日、エドゥアルド・カマヴィンガへのアプローチはストップという記事が配信され、余剰戦力の放出でフィニッシュというムードが漂っています。

アンドレアス・ペレイラは、フラメンゴに買い取りオプション付きのローン移籍。地元メディア「マンチェスター・イブニングニュース」は、ブランドン・ウィリアムズ、ジェームズ・ガーナー、アマド・ディアロ・トラオレ、テデン・メンギも近日中にローンが組まれると報じています。出場機会を得られなければ移籍を検討と伝えられたジェシー・リンガードについては、ウェストハムが2度めのオファーを準備中。本人が決断すれば、2000万ポンド（約30億円）程度で妥結する可能性が高いといわれています。

ここまで整理が進めば、残る課題はフィル・ジョーンズと4人いるGKぐらいです。静かなデッドラインデーを迎えそうな雰囲気ではありますが、今週になって新たな噂が飛び交っている選手がいます。バイエルン・ミュンヘンのレオン・ゴレツカ。クラブとのサラリーUP交渉が決裂したMFは、契約期間が残り1年となっているのですが、ヘルベルト・ハイナー会長は「いかなる犠牲を払ってもキープできない」と匙を投げています。

「マンチェスター・ユナイテッドは、レオン・ゴレツカ獲得に際して大きな後押しを受けている」と報じたのは「エクスプレス」と「デイリー・スター」。ポグバと同じ状況となった26歳のドイツ代表については、「この夏に移籍金を払って獲得する」「1年待ってレアル・マドリードらと競り合いながらフリーで手に入れる」という2つの選択肢があります。

バイエルンにしてみれば、シャルケ04からフリーで獲った選手ゆえ、もう1年プレイしてもらって置き土産なしで出ていかれてもいいのかもしれません。マンチェスター・ユナイテッドは、ポグバが残ったうえにファン・デ・ベークが機能するなら、中盤はダブついてしまいます。この話は、「1年後に再会しましょう」で終わるのではないでしょうか。ジョン・マータフFDとフレッチャーTDが獲得すべしと判断したときは、彼らの仕事はシーズンが終わるまでに選手をその気にさせることです。

マンチェスター・シティ、トッテナム、リヴァプールはデッドラインデー直前にサプライズがあるかもしれませんが、チェルシー、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッドは売却のニュースのみで夏を終えるのではないかと思われます。残り12日、どうなるか見てみましょう。（レオン・ゴレツカ　写真著作者/Nehme1499）