偏愛的プレミアリーグ見聞録

アーセナルか、トッテナムか。パリ・サンジェルマンでストレスを溜めているジョルジニオ・ワイナルドゥムの行き先が話題になっています。公式戦25試合3ゴール2アシストという数字はまずまずに見えますが、先発出場は14試合に留まっています。

マルコ・ヴェラッティ、ダニーロ・ペレイラ、アンデル・エレーラ、レアンドロ・パレデス、イドリッサ・グイェを重用しているポチェッティーノ監督は、ほぼフラットなローテーションで中盤をまわしていますが、31歳のオランダ代表は起用法に不満を抱いているようです。冬のマーケットが始まる前から移籍に関するゴシップが出回っており、一時はリヴァプール復帰の可能性が取り沙汰されていました。

2015年の夏に、PSVアイントホーフェンからニューカッスルに移籍したワイナルドゥムは、プレミアリーグ初年度から38試合11ゴール5アシストという秀逸なスタッツを叩き出しました。クラブがチャンピオンシップ降格の憂き目に遭わなければ、そのままセント・ジェームズ・パークの10番のポジションをキープしていたでしょう。2016-17シーズンの開幕を控えた7月、格安の移籍金で獲れるチャンスを活かしたのは、ゲッツェが本命といわれていたリヴァプールでした。

クロップ監督が運動量とユーティリティを評価していたのは、5番という背番号に表れています。マージーサイドで過ごした5シーズンで、プレミアリーグ179試合16ゴール11アシスト、チャンピオンズリーグは42試合5ゴール3アシスト。彼のベストバウトを問われたサポーターの大半が、バルサを4-0で下した2018-19シーズンのCL準決勝セカンドレグを挙げるのではないでしょうか。試合の流れを決定的に変えたのは、2分という短いインターバルで叩き込んだジニの2発でした。

「スカイスポーツ」のカヴェ・ソルヘコル記者によると、ワイナルドゥムは若い頃からアーセナルをリスペクトしており、プレミアリーグに戻るならエミレーツがファーストチョイスと考えているとのこと。トーマス・パーティーがいないと途端に不安定になる中盤を改善したいガナーズにとって、ワイナルドゥムはうってつけの人材でしょう。

一方、レッズから来たオールラウンダーを引き留めたいパリは、タンギ・エンドンベレやデル・アリを獲得できれば手離してもいいと考えているようです。いずれかのディールが成立した後、スパーズがワイナルドゥムをほしいといえば、パリはすんなり応じるのではないでしょうか。

チームの主軸として活躍したいワイナルドゥムが、どちらがよりフィットするかと問われれば、トーマス・パーティーの脇と答えたくなるのですが、いかがでしょうか。冬のトランスファーマーケットが締まるまで、あと5日。予断を許さないノースロンドンダービーの結末に注目しましょう。