偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグ連覇を果たしたマンチェスター・シティは、踊り場を迎えているのかもしれません。国内で頂点に立ち、チャンピオンズリーグ準決勝でもレアル・マドリードをあと1歩まで追い詰めながら、主力の移籍の噂が後を絶ちません。

37歳になったフェルナンジーニョは退団を明言。31歳のギュンドアンは、残り1年となった契約を延長せず、夏に去る可能性が高いと見られています。1年以上前から放出候補と目されているスターリングは、チェルシーとスペインの2強が狙っていると伝えられています。アーリング・ブラウト・ハーランドの入団によって、移籍を決断したといわれるガブリエウ・ジェズスは、アーセナルの最重要ターゲットです。

ストライカーに加えて、サイドバックも強化したいガナーズは、ジンチェンコもほしがっているとのこと。ニューカッスルが獲得をめざすナタン・アケには、5000万ポンドという高額のタグが付いているようです。ペップが来てから、これほど多くのキーマンがトランスファーマーケットで話題になったことはなかったでしょう。

さらにもうひとり、マンチェスターに別れを告げるといわれている選手がいます。昨年の夏に、トランスファーリクエストを提出したベルナルド・シウヴァは、母国に戻りたいという思いを今も抱いているようです。「ザ・タイムズ」のインタビューで、「ポルトガルにいる家族が恋しい。1年か2年で戻りたい」と語っていた27歳の本命は古巣のベンフィカです。

残念ながら、ポルトガルの名門は高額の移籍金を払えないようですが、スペインメディア「ムンド・デポルティーボ」は「バルセロナが獲得を熱望。本人も前向き」と煽っています。彼にとって母国のお隣への移籍は、ポジティブなのでしょうか。ファブリツォ・ロマーノさんは、実現する可能性は低いとみているようです。

「昨日の夜、バルセロナとホルヘ・メンデスの会談でベルナルド・シルバの名前が挙がったという。シャビは彼の大ファンだ。しかしマン・シティは、ベルナルドに巨額のタグを付けるだろう。バルサにとって、今のところ可能性があるディールではない。フレンキー・デ・ヨングが退団した場合のみだ」

スペインの「マルカ」によると、デ・ヨングの獲得交渉スタートと報じられたマンチェスター・ユナイテッドは、バルサが要求する6500万ポンド（約108億円）に対して、5130万ポンドとアドオンというオファーを提示したそうです。バルサに残りたいといっていたMFが、テン・ハフ監督の熱意によって翻意すれば、ベルナルド・シウヴァのディールが一気に進むかもしれません。

ジェズスはおそらく退団、ナタン・アケは微妙、スターリングは結局残るでしょう。ギュンドアンとベルナルド・シウヴァは、「どちらかの移籍が決まれば、もう一方は口説き落とされて残留」となると予想しているのですが、いかがでしょうか。

今年の夏は、マン・シティの主力の去就に注目…というより、「主力が去った後のビッグネーム獲得に注目」というほうがしっくりきそうです。ビッグクラブのみなさま、このクラブを刺激しすぎると、大物獲得で余計に強くなってしまうというリスクがあるので、ぜひほどほどに。