偏愛的プレミアリーグ見聞録

リュディガーとクリステンセンを手離したチェルシーは、さらに2人のレギュラーDFを失う可能性があるようです。イギリスでは「ミラー」、スペインは「ムンド・デポルティーボ」が、バルセロナがアスピリクエタとマルコス・アロンソのダブル獲得を狙っていると報じています。

「ムンド・デポルティーボ」によると、バルサは既に両者と合意に至っており、チェルシーの決断待ちとなっているとのこと。財政難で必死の資金繰りを続けているクラブでも、合わせて1700万ポンド（約28億円）の出費にOKを出せるそうです。

後方のレギュラークラスが4人抜ける危機を迎えているチェルシーですが、31歳のレフティと32歳のキャプテンに対する考え方は異なるといわれています。契約期間が残り1年となったマルコス・アロンソは、以前から家族とともに母国で暮らしたいといっており、トゥヘル監督は退団を容認したと伝えられています。

左サイドには、昨季プレミアリーグの最終節で復帰したチルウェルと、リヨンに貸し出されていたエメルソン・パルミエリがいます。複数の選手を失ったセンターと比べると、穴を埋めやすいポジションと見ているのでしょう。

一方、アスピリクエタのユーティリティーとキャプテンシーは、新しい選手で簡単にカバーできるものではありません。プレミアリーグ324試合10ゴール35アシストのレジェンドは、この夏で切れる契約に延長オプションが発動され、もう1年残る予定でした。本人はバルサの誘いに対して前向きと報じられていますが、トゥヘル監督は出したくないはずです。

とはいえ、功労者の意志が固ければ、無理に引き留めはしないでしょう。ナポリのカリドゥ・クリバリを3300万ポンドで獲得したブルーズは、2人のCBにアプローチしているようです。「パリ・サンジェルマンのブレスネル・キンペンベに、4000万ポンドのオファーを提示」と伝えているのは「デイリー・メール」。ファブリツィオ・ロマーノさんも、既に交渉中といっています。

この話について「レキップ」に聞かれたクリストフ・ガルティエ監督は、「キンペンベと一緒に記事を読んで笑った」と否定していますが、妥当なオファーがあればパリは検討すると見られています。しかし、2021-22シーズンに140試合めのリーグアン初ゴールをゲットした生え抜きに移籍する動機がないため、交渉は難航するのではないでしょうか。

もうひとりのターゲットは、1年前に獲得寸前となっていたセヴィージャのジュール・クンデです。ハムストリングを痛めて手術を受けることになってから、交渉は頓挫していたのですが、「ミラー」でデジタルライターを務めるコリン・ミラーさんは、「ブルーズは自信をもっている」と書いています。

昨年のデッドラインデーに、4700万ポンドでチェルシーと合意していたセヴィージャが突如バイアウト条項の満額となる6800万ポンドを主張。破談の知らせを受けたジュール・クンデは激怒し、クラブからの連絡を無視したと伝えられていました。既に個人合意済みといわれている23歳のCBは、バルサからの誘い（!?）を振り切り、プレミアリーグに参入するものと思われます。

クリバリ、チアゴ・シウヴァ、ジュール・クンデの3バックに、リース・ジェームズ＆チルウェルのWBコンビなら、堅守をキープできるのではないでしょうか。キンペンベまで獲れれば文句なしですが、トレヴォ・チャロバーとサールの成長が見込めるのであれば、プレミアリーグ経験がある守備のスペシャリストでもいいのではないかと思います。

チェルシーVSスペイン＆パリ連合軍の場外マッチアップは、プレミアリーグの開幕直前まで引っ張りそうな雲行きです。ストライカーも獲りたいクラブは、最終ラインのクオリティをキープしてアウェイのエヴァートン戦に臨めるでしょうか。おお、ファブリツィオ・ロマーノさんが、「ジンチェンコがアーセナル入団決定！」とツイートしています。もとい、チェルシーですね。グダグダですみません。4つのディールの続報待ちということで。