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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

バレンシアの心変わりでムスタフィ決裂!? ヴェンゲル監督の夏休みの宿題は、未だ手つかず!

私はてっきり、この綱引きはフィナンシャルフェアプレー遵守のために数人の選手を売らなければならなかったバレンシアが追い込まれており、アーセナルが移籍金を叩いているのだとばかり思っていました。ヴェンゲル監督は、プレミアリーグ2節のレスター戦後の会見で、「新しい選手の獲得に近づいている」と明言。「われわれは必要としている選手を見つけることに苦心していたが、ムスタフィは探し求めていた選手のひとりだ」と、交渉中の選手については言葉を濁しがちなボスが珍しく名前まで出していたので、金額をぎりぎりまで詰めたうえで着地させるのみと受け取っていたのです。

ところが昨日、イギリスメディア「スカイスポーツ」が、スペイン紙「アス」のジャーナリストであるギエム・バラク氏の既報とはまったく異なる見解を紹介していました。彼の主張によると、バレンシアはムスタフィを出す気がなくなり、バイアウト条項に記載されている5000万ユーロ(=4300万ポンド・約56億9000万円)を払わなければ移籍させないといっているのこと。「財政は改善しており、フィナンシャル・フェアプレーへの対応のために、(筆者註:以前は4人だったが)1~2人の選手を売ればよくなった。アデリアン・サントスやルーカス・オリバンのような選手を出せば、ルールの範囲内に収められる」。いわれてみれば、ラス・パルマスとのリーガ・エスパニョーラ開幕戦にはバラク氏が挙げた2人はベンチに入っておらず、移籍を前提にチームと離れて個人練習をしているといわれていたムスタフィは、後半開始から出場しています。これはなかなか迫力があるレポートです。バラク氏は、現在のバレンシアのスタンスについて、

「今から代わりの選手を獲得できるとは考えておらず、ムスタフィは出さない。ただし契約解除金を積まれたら断れないので、どうしてもほしいなら5000万ユーロでよろしく」

となったといっているのです。これらの話が事実だとすれば、大変残念です。ご本人OK、代表での実績やポテンシャルを考えれば3000万ポンド(約39億6000万円)なら納得だった選手が、額面ではエジルを超える高額移籍金プレイヤーに化けてしまったということになります。パリやレアル・マドリードならそれでも獲りにいった…いや、彼らは3000万で手を打っていたでしょう。こうなったらアーセナルは、ムスタフィを諦めるのではないでしょうか。プレミアリーグ開幕前に合意が報じられていた選手だけに、4日でワイナルドゥムを契約完了に漕ぎ付けたリヴァプールのような速攻を見せれば、1分け1敗という現在の戦績はまったく違うものになっていたかもしれません。ヴェンゲルさんのジャッジが遅れたのか、フロントが粘り過ぎたのかはわかりませんが、長期的にも最適にみえたCBを獲り逃がした後、残り1週間のアタックリストのなかには一段も二段も劣る選手しかいないのではないかと思われます。

プレミアリーグ2015-16シーズンのテレビ放映権料の順位配分は、優勝クラブが2500万ポンド、4位なら2120万ポンド。数百万ポンドは、プレミアリーグで優勝すれば自動的に取り返せる金額であり、コマーシャル収入や優勝記念グッズ販売まで入れれば、1000万ポンド以上のプラスを出すのは造作もない話でしょう。能力の高い選手は、移籍決定直後にいきなりスタメンに突っ込まれてもそれなりのプレイができることは、ポール・ポグバやジョン・ストーンズが証明しています。なぜ、ムスタフィを早く決めにいかなかったのか…。ヴェンゲル監督と経営陣のみなさんにとっては、チームに必要な選手とは「移籍金の額が妥当な選手」なのでしょうか。アレクシス・サンチェスやエジルを獲得した後のアーセナルは、ほしい選手にお金を払うのではなく、お金で獲る選手を決めているようにみえます。

2013年9月2日。ヤヤ・サノゴとフラミニしか獲っていなかったガナーズは、移籍市場締め切り数時間前にメスト・エジルを4240万ポンドで獲得しました。毎年、夏休みの宿題状態でサポーターのみなさんは大変ですが、このうえは「エジル・エクスタシー」を再現してもらうしかなさそうです。アトレティコ・マドリードの21歳CBホセ・ヒメネスに6500万ユーロ(約73億円)などと報じられていますが、いやいや、まさか。ヒメネスに6500、ヒメネスに6500…と10回つぶやいた後、顔を上げて「ムスタフィ5000!」と叫べば勢いでドイツ代表を獲れそうな気もしますが…そういう問題ではないですね。失礼しました。あまりにもったいなくて涙が出そうでして、つい。

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“バレンシアの心変わりでムスタフィ決裂!? ヴェンゲル監督の夏休みの宿題は、未だ手つかず!” への16件のフィードバック

  1. yuto より:

    おそらくヴェンゲル監督の哲学が移籍を許さないのでしょう。
    移籍金高騰の波に乗るマンチェスター勢に対して断固の姿勢を貫いていますが、選手の獲得が必要だと感じている選手達は納得しないでしょう。
    ヴェンゲル監督の姿勢も批判するべきではなく、移籍金高騰は明らかにクレイジーですがそれでも決断するべき時期でしょうね。
    あと1週間でアーセナルがどう動くかが目玉でしょうか。

  2. makoto より:

    yutoさん>
    ヴェンゲルさんのポリシーには総論賛成なのですが、ここは勝負という局面があり、多少の開きならGO!というような柔軟性も必要なのではないかと思います。一瞬のチャンスを活かしたエジル獲得や、狙いを定めて獲ったアレクシス・サンチェスのときのように、リーガで2年間のインターセプト数No.1のムスタフィはいっておいたほうがよかったのではと残念で…ああ、まだ結果が出たわけではなかったですね。続報を待ちましょう。

  3. だしまる より:

    ズラタン・ポグバが額面通りの活躍をしているだけにこれは悲しいニュースです。このままではマンチェスター勢い・リバプール・ロンドンの2強から一段落ちることになってしまいます。

    ここ数年、監督・コーチ・選手の顔ぶれに大きな変化はありません。エジル・サンチェス・チェフが来たとはいえ、良くも悪くも熟成路線を継続中。マンネリという悪い方向にチームが進みそうだなという予感があります。私もベンゲル監督及びアーセナルの考えには賛成ながら、行くときはいかないと・・・このままでは、収支プラスにできて経営陣だけが満足するクラブになってしまいかねません。

    正しいことだけをするのが、正しいわけではありません。無理無茶無謀こそエンタメの醍醐味です。

    続報を待つしかありませんね

  4. ひろと より:

    エジルやサンチェスは、タイミングと金額も納得のいくチョイスだったと思います。
    棚からぼた餅とまでは言いませんが、運が良かったとは言えるかと。
    ですが、今回のムスタフィ(CB)は、絶対必要なマスターピースです。
    かつてのスアレスと同じではないでしょうか。
    ファンの誰もが切実に願ってる補強です。

    確かにベンゲルさんとフロント的には「いやいや、高いよ」なのかも知れませんが、代価が「プレミア制覇」ならいいじゃないですか。
    ベットするなら充分な条件かと思います。

    いつかベンゲルさんが引退されたあと「私はいつも選手を適正な価値で評価してきた」とされるのも一つの美学としてアリでしょう。
    ですが今回のようなケースだと「いやー、あの時のプレミアはみんな金銭感覚狂ってたよね(笑)」とコメントされたところで、ファンも「ですよねー」と笑って済ませてくれるのではないでしょうか。
    「優勝を目指してくれてるんだ」と姿勢としてみせてくれるだけで、ファンは辛抱強く応援してくれると思います。
    そして、他の選手も理解してくれると思います。

    「ここにいたら優勝できない」とエジルとサンチェスが出て行きたがっているというゴシップが、ゴシップで無くなる前に。

  5. ジウベルト より:

    充分にチャンスを貰ったとは云えないキャンベルのローンは、ヴェラと同じ結末になるでしょう。
    バリュー投資家のベンゲル的には、フリーのフラミニを獲って結果オーライだった時のように、フリーのセンデロスを獲りそうな気がします。
    いずれにしろ、一流どこのCBとCF獲らないと、今季こそTOP4は厳しいでしょう。

  6. りっきー より:

    ムスタフィは間違いなく必要な選手だけにクラブの姿勢が見られなかったことが残念でなりません。。。
    舞台裏を見ているわけではないので、軽率に批判をしたくはないのですがエジルやサンチェスといった選手がクラブの姿勢をみて契約延長を渋っていることに危機感を持ってほしいです。
    また、キャンベルに関しても私としてはウォルコットやチェンバレンより評価していただけに残念でなりません。
    ゴール前での冷静さやアイデア、プレーの精度など素晴らしい選手なので残してほしかった。
    なぜヴェンゲルは彼を使いたがらないのかがいまいち理解できません。
    リーグ戦で勝ちがないことでストレスをぶつけめしまい申し訳ありません(笑)しかし他のライバルチームが好調なだけに先行き不安です

  7. 生き仏 より:

    鳴かぬなら鳴くやつに変えような現在のフットボール界で鳴くまで待つベンゲルさんとアーセナルは最後の善意のようにも思えます、しかしアーセナルが戦うのは金満プレミアリーグ世界中から良い選手や監督が集まり競争は苛烈CLどころかEL権の獲得も簡単ではありません。今回のゴタゴタでアーセナルは美学を守るために時代の潮流に乗らないのではなく認識が甘く取り残されているのではないかと勘ぐってしまいます、気がついたらEL権までなかったなんてことにはなりませんよね正直心配です。しかし補強が必要なポジション、しかも優秀な選手を金さえ積めば獲得できたはずなのに…サポーターの皆さんには堪えるニュースですね

  8. tomo より:

    更新ご苦労様です。

    この報道が事実ならアーセナルはムスタフィから撤退でしょう。しかしながら代替の候補が
    いたとしてアーセナルが望む移籍金での放出を許可するクラブがあるでしょうか?

    私の理解ではアーセナルというクラブは適正な移籍金の中で最適な選手を狙うクラブであり
    獲得すべき選手を仮にお金を使い過ぎという批判を受けても獲得するマンチェスター勢とは
    考え方が違います。どちらが正しいのか?ではなくそれがアーセナルの哲学なんでしょう。
    ご指摘の通り文字通りどれだけお金が必要か?で獲る選手を決めているのだと思いますよ。
    何せベンゲルは600名の従業員の生活を守ることも意識しているわけですからね。

    その上でベンゲルとアーセナルの選択はいかに?ですね。私は楽しんでいます。

  9. ガナユ より:

    アーセナルとヴェンゲルは高騰したサッカーのマーケティングにおいて最後の良心ですね。僕もその哲学は好きですが、取るべき選手には大枚は叩くべきです。
    ムスタフィとアタッカーを取れなければシーズン待たずに白旗を揚げることになり.主力もモチベーションを保つことが難しいと思いますが….

  10. おはむ より:

    これが、アーセナルのやり方だと思いますが…
    普通アーセナルファンならいい選手だけど高すぎるわ、しゃーないってなるんですけどねぇ、おおくの日本人アーセナルファンは滑稽ですよね、ウイレレ感覚で移籍市場を見てるですかね。
    ベンゲルはバカみたいな長期政権が続いているので、アホでもアーセナルが好きなら、ベンゲル流の補強のやり方理解してると思うんですが…

  11. queen より:

    滑稽、バカ、アホ。攻撃的でリスペクトに欠ける侮辱するようなコメ。このサイトでは珍しい。

    渡英以降20年以上のサポで、今のボスに満足してはいてないが、サポーターにもそれぞれの意見や考えがあって然るべき。それに対してとやかく言われる筋合いはない。大きなお世話。

    —–
    56億ってそんなに高い値段ではない気がしますね。
    本来の39億にチェンバースや浅野のような若手を一人分獲るのを我慢。これで全然獲れますよね。むしろ、非常に良い買い物と思うのですが・・・。

  12. makoto より:

    だしまるさん>
    そうなんです。今回は、いっといたほうが…と思って期待して見ていたのです。うーん。コストパフォーマンスの悪そうなCBと、実力的に微妙なCBしか残ってませんね。

    ひろとさん>
    賛成です。「優勝を狙ってるんだ!」と内外に知らしめる費用込みと考えれば、3000万ならオッケーでしたね。

    ジウベルトさん>
    センデロスですか。どうでしょうね…。ジョエル・キャンベルはここぞというときにほしいタレントですよね。

    りっきーさん>
    私も、ジョエル・キャンベルはウォルコットより上でした。既存選手のブレイクに賭けたいところですが、ビエリクあたりが化けてくれないですかね。サポーターのみなさんの不安感は、理解できます。

    生き仏さん>
    多少高いという判断だったとしても、ムスタフィを早期に獲得することがポリシーと大きく相反するとは思えなかったんですよね。おっしゃるような「取り残され感」のほうを感じてしまいます。もったいないです。

  13. makoto より:

    tomoさん>
    タイミングがまた、悪いですよね。ジョニー・エヴァンス2500万ポンドは、「今からほしいといわれるならぼったくりますよ。うちも困りますから」といわれているような設定です。2~3週間前なら、諸々事情は違ったのですが。

    ガナユさん>
    そうですね。ヴェンゲルさんの姿勢は好きなのですが、この夏は何としても獲ってほしいですよね。アレクシス・サンチェスのワントップが2試合機能していない今は、なおさら。

    おはむさん>
    今、相当数のアーセナルサポーターが、CBやストライカー獲得が進まないことを批判しています。私は、グーナーの意見を聞く機会(国内外問わず)が多いので、いろいろな声や顔を思い浮かべながら今回の一文を書きました。「ポリシーが大事派」「大物獲ってほしい派」は、互いに相手のいっていることは重々理解しながら、それでも…と思いを語っているのだと思います。どうか、「愚か」「アホ」などという言葉で断罪することなきよう。

    景虎さん>
    そうですね。それぞれの意見をポジティブにぶつけつつ、そこに何らかの気づきがあればと思います。私は、多くのグーナーの声が聞けたことを幸せに思ってます。

    queenさん>
    獲れる獲れないでいえば、問題なく獲れるのだと思います。マンチェスター・ユナイテッドで力を発揮し始めているバイリーが3000万ですので、50億を超えると正直、高く感じます。ただし、「こんなに活躍してくれるなら、5000万ポンド払ってもいいぐらいだったね!」というような貢献をしてくれる可能性も充分だと思います。大逆転があるといいのですが…。

  14. 凹んで より:

    適正価格じゃないから取らない。その結果CL権失う→選手の流出→チームの弱体化になってもクラブのポリシーに従ったから後悔しないと言えるんですかね?
    別にマンチェスター勢みたいに100億使えっていってる訳じゃないのに、明らかに弱点箇所を補強しないって事は優勝より経営優先としか考えられません。
    ベンゲルなのかクラブのポリシーなのか分からないけど現に10年以上優勝してないんだから考えを改めるべきじゃないんですか?
    結果出してから言って欲しいです。

    —–
    あきらめたら、そこで終わりです。とにかくボスも最期まで諦めずに、愚痴めいたことは言わないでトレード期限まで頑張ってほしいものです。今のままではチームの精神状態からしても、マンチェスター勢とチェルシーに対抗するのは辛いのを分かってほしい…‼

  15. 凹んで より:

    あきらめたら、そこで終わりです。とにかくボスも最期まで諦めずに、愚痴めいたことは言わないでトレード期限まで頑張ってほしいものです。今のままではチームの精神状態からしても、マンチェスター勢とチェルシーに対抗するのは辛いのを分かってほしい…‼

  16. makoto より:

    1886さん>
    ムスタフィにバイリーと同じぐらいの金額を出しましょう、という話ですので、問題ないと思ってました。

    凹んでさん>
    士気が心配ですよね。次は不調ワトフォードですので、必勝です。

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